京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/27
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風かおる 古き都 雲渡る比叡の峰は 千年の歴史を伝え 安らかに学び舎いだく 真理にいたる道遠くとも そびえ立つ山路たどらん 力強く あすに巣立ち 新しき時代をつくる われらの下鴨中学校

12月は人権月間。そして明日12月10日は「人権デー」

12月は人権月間。そして明日12月10日は「人権デー」 
 
 20世紀に起きた二度の世界大戦の反省を踏まえ,どの国も平和な世界をつくることを目指して1945年(昭和20年)に国際連合(国連)を創設しました。その後,世界の全ての人々が自由を保障されるためには基本的人権が尊重されることが重要であるとの考えから,1948年(昭和23年)12月10日の第3回国連総会において,世界の自由,正義及び平和の基礎である基本的人権を確保するため,全ての人民と全ての国々が達成すべき共通の基準として,世界人権宣言を採択しました。そして,1950年(昭和25年)12月4日の第5回総会においては,世界人権宣言が採択された日である12月10日を「人権デー」と定め,世界中で記念行事を行うことが決議されました。
 日本では,法務省と全国人権擁護委員連合会が,同宣言が採択されたことを記念して,1949年(昭和24年)から毎年12月10日を最終日とする1週間(12月4日から同月10日まで)を,「人権週間」と定めており,その期間中,世界人権宣言の趣旨及びその重要性を広く国民に訴えかけるとともに,全国各地でシンポジウム,講演会,座談会,映画会等を開催するほか,テレビ・ラジオなどを通して集中的に啓発活動を行っています。

 京都市では,京都市PTA連絡協議会の主催で12月3日(土)に人権尊重街頭啓発活動を京都市内約30か所で行われました。こういう啓発活動を通して,一人一人が人間の心や気持ちを敏感に感じ取れる「人権感覚」を磨き,人権尊重の街づくりを先ずこの京都から発信していきたいものです。
 
 最後に,「人権感覚」について,熊本県上益城郡益城町教育委員会 中川有紀先生のお話を紹介します。その話の中に出てくるディズニーランドでのエピソードは,道徳の時間の教材でも扱われることがあります。
 
 東京ディズニーランド・ワールドバザールにあるレストランで実際にあった話です。
 2人連れの若い夫婦がレストラン「イーストサイド・カフェ」に食事に行きました。キャスト(ウェイトレス)が2人を二人がけのテーブルに案内してメニューを渡しました。2人はAセット一つとBセット一つを注文しました。オーダーし終わったとき,奥様が追加注文しました。「お子様ランチをひとつ下さい」と・・・
 キャストは「お客様,誠に申し訳ございませんがお子様ランチは小学生のお子様までと決まっておりますので,ご注文は頂けないのですが・・・」と丁寧に断りました。もちろんお子様ランチは9歳以下とメニューにも書いてあります。子供のいないカップルに対してはマニュアルではお断りする種類のものです。
 すると2人は顔を見合わせて複雑な残念そうな表情を浮かべました。その表情を見てとったキャストは「何か他のものではいかがでしょうか?」と聞きました。すると,2人はしばらく顔を見合わせ沈黙した後,奥様が話し出しました。
 「実は,今日は昨年亡くなった娘の誕生日だったのです。私の身体が弱かったせいで,娘は最初の誕生日を迎えることも出来ませんでした。子どもがおなかの中にいる時に主人と3人でこのレストランでお子様ランチを食べようねって言っていたんですが,それも果たせませんでした。子どもを亡くしてから,しばらくは何もする気力もなく,最近やっとおちついて,亡き娘にディズニィーランドを見せて3人で食事をしようと思ったものですから・・・」
 その言葉を聞いたキャストは2人を四人がけのテーブルに案内しました。仲間に相談して全員の賛成を得て,お子様ランチのオーダーを受けました。そして小さな子ども用の椅子を持ってきて「お子様の椅子はお父様とお母様の間でよろしいでしょうか?」と椅子をセットしました。
 その数分後,「お客様,大変お待たせしました。ご注文のお子様ランチをお持ちしました。」とテーブルにお子様ランチを置いて笑顔で言いました。「どうぞ,ご家族でごゆっくりお楽しみください。」
 数日後,お客様から会社に感謝の手紙が届きました。
 「お子様ランチを食べながら涙が止まりませんでした。こんな体験をさせていただくとは夢にも思いませんでした。これからは涙を拭いて生きて行きます。また行きます。今度はこの子の弟か妹を連れて・・・」

 お子様ランチの注文を店の決まりであることからいったんは断ったものの,何か訳がありそうだと思ったキャストは若夫婦に「何か他のものではいかがでしょうか?」と聞き返します。そして,若夫婦から思いもかけないことを聴きます。「実は今日は昨年亡くなった娘の誕生日。亡き娘にディズニィーランドを見せて3人で食事をしようと思ったものですから」と。これを聴いたキャストは,若夫婦を二人掛けのテーブルから四人掛けのテーブルに案内し,2人の間に子ども用の椅子まで準備しました。そして,お子様ランチをテーブルの上に置き,「どうぞ,ご家族でごゆっくりお楽しみください。」と言ったのです。
 キャストは,自分にできることを即座に実行に移しました。私はこれが人権感覚だと思います。
 岐阜県で人権啓発活動を続けておられる桑原律さんは,人権感覚について次のように言っています。

 「人権感覚とは,具体的な場面に遭遇したとき,とっさに迷うことなく人間として当然あるべきあり方を行動として示すことのできる感性を指しています。それは,そうせずにはいられない直感的情動に基づく行動であり,正義感と言っても理屈の上ではなく,ごく自然に湧き上がってくる感性の行動化にほかなりません。」 

 キャストが取った行動は,とっさに迷うことなく人間として当然あるべき在り方を行動として示すことのできる感性そのものでしょう。このことは,後日,若夫婦から届いた御礼の手紙でもよく分かります。
 「お子様ランチを食べながら涙が止まりませんでした。こんな体験をさせていただくとは夢にも思いませんでした。これからは涙を拭いて生きて行きます。また行きます。今度はこの子の弟か妹を連れて」。キャストは,若夫婦に生きる希望と力を与えました。
 
 このような「人権感覚」を私たちも持つことが大切ですね。

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