京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2019/03/29
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『南風、吹かせ!』〜hot wind from Mukaijika〜

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「苦しんでへんか!?」
 15日(日)の大雪には驚かされました。街づくりの会議があって、こちらに来なければならなかったのですが、流石にバイクはもちろん自動車を使うのも諦めました。それにしても、あの日の全国都道府県対抗女子駅伝には心を動かされました。TV画面が真っ白になる程の雪の中、激走するランナー、特に京都の中学生が頑張る姿には何回か画面に向かって声を掛けました。
 さて、私は多趣味なのですが、「読書」もその一つです。“しなければならないこと”や“やりたいこと”が多いので、読書にそう時間はとれません。大体1週間に1冊のペース、1年間で約50冊の本を読みます。警察ものの推理小説が好きですが、特にジャンルは問いません。ミーハーと笑われるかもしれませんが、書店の店頭に平積みされている話題の本はまず読みますね(笑)。
 先日手に取った作品が荻野浩著の『コールドゲーム』という小説です。第155回直木賞を獲得した人の作品ということで、これも平積みされていました。主人公は野球部を引退したばかりの高校3年生です。冒頭はそんな高校野球の話だったので、てっきり青春ものなのかと読み始めたのですが、すぐに全く違う展開になっていきました。「いじめ」を題材にした作品だったのです。中学2年生の頃にいじめられていた子が、4年経って自分を苦しめていた子たちに次々と復讐をしていくという、これまであまりなかった内容です。(まだ半分しか読んでいないので確かではないかもしれません…)
 中2当時「いじめ」の傍観者であった主人公は、野球部を引退してすぐに大学受験に向き合うことができずにいるところでこの復讐劇に巻き込まれます。彼の目を通して怪事件の謎が解き明かされていくのですが、その過程で「いじめ」の構造や実態が見えてきます。そして、知らぬ間に読み手が「いじめ」について深く深く考える自分に気づかされます。是非中学生にもこの小説を読んでほしいと思ってとり上げました。
 今、向島中学校には「いじめ」で悩み苦しんでいる人がいるのでしょうか。年間数回実態調査を行い、小さなものでも見つかれば、担任の先生を中心に解決に向けて行動しています。小説『コールドゲーム』の中に出てくるような酷い「いじめ」は挙げられてきませんが、残念ながら、不安を抱えていたり嫌な思いをしたりしている人はいるのが現実です。
 学校は、本来すべての生徒にとって楽しく居心地の良い場所であるはずで、本校を「いじめ」に関して不安や悩みをもつ生徒が一人もいない状態にしたいと思っています。完全に実現するのは難しいのかも知れませんが、“しんどい”と感じた時に傍に相談できる友達や先生がいる学校にはできると思っています。
 皆さん、常に周りの状況に敏感であってください。あなたの周りに“しんどい”思いをしている人はいませんか。そしてもし、そんな人がいたならあなたに出来ることを考えて行動してください。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「ちょっと無理をして」
 元旦の午後、久しぶりに下の息子と二人で大文字山に登りました。「お父さん、かなり無理したはったで。結構速いスピードで登ったし…。」息子がそんなことを言っていたと後に妻から聞きました。『何を言うか!私に着いてこられなくて息子が傷ついたら可愛そうやし、ペースを緩めてたんやで。』これは本当です。しかし、それは言葉にしませんでした(笑)
 駅伝にマラソン、サッカーやラクビー、バレーボール、バスケットボールなど、年末年始は冬のスポーツ全国大会ガ真っ盛りです。特に高校生の試合はTV画面に見入ってしまいます。ここまで来るのに、一体どれだけの時間と労力を費やしてきたのでしょう。おそらくは、多くの高校生が経験する楽しいことを犠牲にしてその種目に打ち込んできたのではないかと想像できます。
 全国大会に出場するだけでも“凄いこと”です。それを目標にして頑張っている人たちが何十万人もいるのですから…。試合に負けて悔し涙を流しているシーンを見ると、こちらまでもらい泣きしそうです。また、活躍する選手の陰に隠れてしまってはいますが、練習やトレーニングの過程で怪我をして出場できなかった人も居ることでしょう。そう考えると、あの場面で活躍し勝利を手にした人たちは、努力に努力を重ね、しかも身体のケアも怠らなかったほんの一握りであることに気づきます。本当に“凄いこと”なのです。
 さて、「無理せんとけよ!」とよく言います。果たして、無理をせずに全国大会へ出場などできたでしょうか。また、TVの中の話ではなく私たちにしたって、まったく無理をしなければ、きっと体力も技術力も精神力も向上することはないと思います。
 「常に全力を尽くせ。そうしていると、時に実力以上のことができる瞬間がある。それを自覚することだ。その時その分だけ上達できる。技術も体力も同じだ。全力を尽くすことのない者には、決してこの瞬間は訪れない。」部活動の指導に力を入れていた頃、生徒によくこんなことを言いました。
 3年生の受験が目前に迫ってきました。1・2年生も学習に力を入れて学年の締めくくりをする時です。そんな時期だから敢えて言います。「少々無理をしてでも学習に力を入れましょう。」大きな行事は2ndステージで終了しました。全国の中学校で、今は学習に力を入れる時なのです。決してその波に乗り遅れてはなりません。
 「何で合唱なんてしなアカンねん!」音楽コンクールの取組に対して、こんな言葉を吐いていた人が周りに居ませんか。先生や仲間に支え励まされて取り組んだ結果、「やってよかった!」って言っているんじゃないでしょうか。勉強も一緒なのです。
 中学校に“いい加減にやって楽しいこと”など一つもありません。
 さあ、今こそ“ちょっと無理をするぐらい”して学習に力を注ぐのです。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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『立ち向かうのです』
 平成29(2017)年、新しい年がスタートしました。昨年末に父が他界しましたので、今年は新年のご挨拶を遠慮させていただきます。向島中学校に通う子どもたちが幸福に暮らすための支援に向けて、教職員と共に頑張っていく所存です。今年もよろしくお願いします。
 「逃げたらアカン!」55年間、父から色々なことを教わってきましたが、最も強く印象に残っているのがこの言葉です。初めて聞いたのはいつごろだったでしょうか。小学生か、或いは中学生になった頃だったかもしれません。私は、“何事にも積極的で小さなことにクヨクヨしないナイスガイ”と見られがちです。しかし、子どもの頃の私は決してそうではありませんでした。長男独特の甘えん坊の部分と引っ込み思案、弱気で内気な性格で、小学校低学年の頃までは近所の子たちについていくタイプでした。ガキ大将を中心に子ども同士で日が暮れるまで遊んだ時代のことですから、泣かされて帰ってくることもしばしばでした。そんな私を両親は心配したでしょうが、他の子の親もそうであったように、特に問題にすることはなかったように思います。
 何があった時でしょうか、父が私に言ったのが先の言葉です。「ええか、一回逃げたら、何べんでも逃げんならん。後ろ向かんとじっと辛抱するんや。」
「逃げたらアカン!」の後にはこうも付け加えました。部活動や受験勉強でしんどい時などに何度か聞いたようにも思いますが、ひょっとしたら父から直接聞いたのは一度きりで、その後はその時々に自分で思い出していたのかもしれません。
 いつの頃からか、しんどい時にも立ち向かえるようになったと思っています。また今では、悩んだときにはより困難な道の方を選択すべきだと思えるようにもなりました。人は変われるんだということを、自分自身の経験から信じています。
 現在の向島中学校は、生徒と教師との関係が良好で、この面ではどの中学校にも負けないと自負しています。生徒指導上の問題は起こりますが、その処理の過程で生徒や保護者との間の信頼関係をより強めています。音楽コンクールや体育大会などの行事は大いに盛り上がります。学習発表会や全校集会、学年道徳などの場面では、自分の思いを堂々と語ることのできる生徒が増えてもきました。しかし、これらの取組が狭義の学力の向上へと結びついてきません。この部分が一番の課題だと考えています。
 『家庭的に厳しい状況の生徒が多いから…』そう言って諦めれば「逃げている」ことになります。新年にあたり、生徒や保護者、地域の方と、この課題をもっと深く共有してその克服のために立ち向っていきたいと決意を新たにしています。
 『しんどい家庭や地域には低学力の子が多い』いつまでもそんなことを言わせてはおられません。人が変われるように、学校も変われるはずです。共に課題に立ち向かい、みんなで一緒に立ち上がっていきましょう。今年もよろしくお願いします。

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