京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2019/03/29
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豊かな人間性の育成をめざし 互いの人権を尊重し合い「若き日に心を磨き」「若き日に身体を鍛え」「若き日に知識を広め」「若き日に友と交わり」 未来の糧を創ろう!         歩む道に迷いなし。このまま,まっすぐに・・・         3月29日(金) 離任式

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「新メンバーに期待!」
 徐々に気温が下がって秋になればよいものを、寒い日があったり暑い日があったりで、体調管理が難しいです。実際、マスクをした人が一気に増えました。風邪に対しては先ずは予防を、そして『ひいたかな?』と思ったら早めの対応を心掛けてください。
 さて、先週末から朝の校門が賑やかでした。生徒会の役員選挙があったからです。昨日(26日)の投票に向けて、立候補者は早朝から一生懸命に名前を売り込んでいました。初日は、照れくさいのか、あまり声が出なかったですが、2日目以降は大きな声で『〇〇に清き一票を!』と呼びかけていました。1年生のその様子が特に可愛らしかったです。3年生が後輩の応援をしていることも多いようです。候補者の隣に立ち、「□△さんを宜しくお願いします!」と声を張っていました。
 立会演説会は、生徒会長候補の演説から始まりました。このポストには2人が立っています。2人とも1年生の時から生徒会本部に所属して活躍してきた人です。大人数の前で話すことにも慣れています。公約も具体的で演説の内容が分かり易いです。生徒の目や耳には、どのように届いたのでしょうか。私は『甲乙つけがたい』と感じながら聴きました。他のポストはすべて信任投票でしたが、会長だけは選挙となりました。その経験と実力からして、生徒会本部にはどちらも必要な人材です。私が担当者なら競合しないよう別のポストを勧めたかもしれません。実際にそんなことがあったかもしれません。それでも、2人は生徒会長に拘り、どちらか一方が落選することにも納得した上での決断です。
 どのような結果になっても、当選した人は落選した人の分まで頑張ってほしいと思います。また、落選した人は、これに懲りずに学級や学年、部活動のリーダーとしてその力を発揮してほしいと切に願っています。
 「やっぱり、貫録が違っていたぞ。」「いえいえ、ずっと緊張していました。」
これは、応援弁士として壇上に上がった3年生と放課後にした会話です。本人はそう感じていたのでしょうが、1年間の経験の差は大きいです。初めて大舞台を経験した人とはその落ち着きが全然違っていました。緊張感に打ち勝って自分の思いを人に伝えなければならない場面は、今後の人生の節目節目で必ずやってきます。入試、就職、仕事内容、恋愛、結婚、昇進試験etc…、結構大きなプレッシャーです。そんな時のために、若いうちから緊張感を乗り越える経験をドンドンしておくとよいでしょう。
 夏休み中に、既に部活動では新旧交代が成っていましたが、生徒会もその時期を迎えました。先輩の築いてきたものを大事に受け継ぎ、時には大胆に変革して、向島中学校をより活性化してください。もう11月になります。3年生は入試に向けて本格始動です。向島中学校の生徒会は、活躍を期待して新メンバーに託します。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「感動と共に後半へと続く…」
 今年は例年より2〜3日遅いでしょうか。あちらこちらからキンモクセイの芳香が漂っています。肌が引き締るくらいの気温の中、愛犬レモンを連れて散歩するこの季節の早朝のささやかな楽しみです。
 さて先週末、体育大会が終了しました。とても盛り上がった楽しく気持ちのよい感動的な「体育大会」でした。真剣な表情、はじける笑顔、そして涙…。生徒も先生も本当にテキパキと動きました。ここが気持ちよかった部分です。開会式では次のように述べました。
「大きな行事は一人や二人の力で成功させることはできない。皆が自分の仕事に責任をもって取り組むことだ。競技に出る時には全力を尽くすこと、準備や後片付けの場面ではそれを楽しみながら頑張ること。」
 全員が見事に果たしました。教育委員会の方や地域の方が言っておられました。
「全員が一生懸命で、とても気持ちのよい、素晴らしい体育大会でした。」
 各学年の取組で、特に印象に残ったことを綴っておきたいと思います。
 1年の「30人31脚」では、3組が、目標にしていた8秒を切ったからでしょう。タイムが発表された瞬間に大歓声を上げました。勝負では1組に敗れましたが、あの瞬間は良かったです。2組は2回ともレース途中でこけちゃいました。自分と周りを信じて前を見て突っ走った方がよかったのでは…。次があれば参考にしてください。
 2年は全員リレーが面白かったです。差が開きすぎたのが残念でしたが、全員が自分の持ち分を全力疾走しました。一生懸命に走るその姿が、観ていてとても気持ちよかったです。足の速い人が遅い人の分をカバーする工夫が随所に見られ、集団づくりの観点からも見応えがありました。
 6組の皆さんも頑張りました。100メートル走では普通学級の生徒を破って1着になった人もいましたね。大きな集団の中でも自分を見失うことなく、堂々としっかり行動できるようになってきたことがよかったです。
 3年は、綱引きと選手リレーが素晴らしかったです。綱引きでは、今年も全員が力を出し切りました。勝って大歓声を上げ、負けて地に膝をつく姿に瑞々しさを感じ、素直に感動しました。また、学級対抗リレーの選手入場の際、3年生全員がスタンディングオーべーションで迎えた時にはゾクゾクしました。レースも大変面白かったです。「中学生は迫力が違いますね!」とは隣で見ておられた向島南小学校の井川校長先生の言葉です。走り終えた選手たちの目に涙があったのにも心を動かされました。
 前週の学習発表会と音楽コンクール、先週末の体育大会、大きな行事が大成功で終わりました。同時に、ここで1年の半分が終わったことになります。さあ、向島劇場の後半にはどんなドラマが展開されるのでしょうか。楽しみでたまりません。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「感動を今再び」
 学習発表会と音楽コンクールが終わって、早くも一週間が経ちます。途中に3連休があったせいでしょうか、もっとずっと前のことのように思います。学習発表会から振り返ってみたいと思います。
 各学年6組とも、よく練られた内容の発表でした。1年は“本校最後の卒業生”となる学年ならではのテーマで、学習してきた向島中学校の昔と今をうまくまとめて発表しました。これからの成長がとても楽しみです。6組の発表は、伏見にゆかりの深い坂本竜馬の生き方に学び、自分たちの将来を見つめるといった、社会科の要素も含んだ内容の優れた発表でした。2年は、“生き方探究チャレンジ学習”に焦点を当て、発表者が自らの生き方を見つめ直して、描く将来像を全校生徒の前で発表するという画期的な内容でした。3年は、目の前に迫った進路の問題にスポットをあて、市内の高校に出向いて学んできたことをまとめた内容を発表し合いました。特に、モデルさんたちが高校の制服に身を包んでフロアーを闊歩したファッションショーは盛り上がりました。どの発表も、学年の特徴がよく出ており、観る者を納得させる内容でした。
 翌日が音楽コンクールです。はじめの「校歌」の全校合唱で、今年度からホールを借りたことをよかったと実感しました。全校生徒の歌声が、体育館とはまるで違う響きだったことに気付いた人は多いと思います。
 とてつもない緊張感の中で1年の部が始まりました。「私の知っている中で一番の1年生」音楽科の藤田先生にそう言わせた素晴らしいステージでした。「この子たちを担任した先生方にこの姿を見せたい」二の丸北小学校の清水先生と話した内容です。6組の歌声にはなぜか涙が出ました。少ない人数でも他の学級に負けない歌声を響かせました。歌声とハーモニーの美しさに心が動かされたのです。将に“天使たちの歌声”でした。2年の部もよかったです。去年との比較で言えば雲泥の差です。去年は直前まで心配しましたが、今年度の彼らは素晴らしい合唱を響かせてくれるという確信がありました。その通りになりました。そして3年の部です。昼休みの練習から超盛り上がり、ホールは異様な雰囲気に包まれました。子どもたちが泣きながら指揮し泣きながら歌っています。学級がまとまり、同時に、各学級が異なる動きをしているのにも関わらず学年が一つになっていました。『もう、何処が勝ってもいいや』と思いました。学年合唱、各学級の合唱、素晴らしいステージが続きました。『このまま音楽コンクールが終わらなければいいのに…!』講評で述べたこの気持も偽らざるものです。
 すべての生徒が、素晴らしい舞台を演じ、入退場や聴く態度も含めて生徒全員で素晴らしいコンクールを作り上げました。感動的な一日であったと思います。
 一週間が経ち、さあ明日は体育大会です。あの感動と満足感とを今再び味わいたいものですね。それを目指して、明日は一人ひとりが全力で取り組んでください。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「目標は最優秀賞、目的は…」
 立て続けに台風がやって来ては秋雨前線を刺激し、各地に大雨を降らせています。甚大な被害を出したところもあり、被災された地域や人たちには、一日も早い立ち直りを期待します。
 さて、10月になりました。いよいよ、最大の学校行事が行われる時期です。今週末には「学習発表会」と「音楽コンクール」、来週末には「体育大会」が計画されており、校内では、早朝から完全下校まで、生徒も先生もそれに向けて忙しく動きまわっているところです。
 先週末、3年の「音コン」のリハーサルを観に行きました。学年合唱の練習に続いて、本番通りに各学級の合唱を披露し合います。練習してきた成果を発揮して声高らかに歌い上げる中に、一つだけ様子のおかしいクラスがありました。全体的に声が小さく、頑張っていた人たちまでも徐々に士気を低下させ、最終的には、『おいおい、どうした?』と言いたくなるような状況になりました。指揮者は涙を流しながら腕を振っています。そう言えば、職員室前でこの生徒がべそをかきながら先生と話をしているのを見たこともあります。練習の時から上手くいっていなかったことが想像できました。それにしても、リハーサルでのこの状態は厳しいです。担任の先生の様子をそっと見ました。先生も指揮者と同様、泣き出しそうな、何とも言えない表情でじっと子どもたちを見つめています。情けなさ、憤り、悲しさ、ふがいなさ、寂しさ…etc、自分自身にも向けられたそのような感情を胸に押し込めての見守りであり凝視です。
 リハーサルの後の学活は、どのように進行したのでしょうか。
『自分が担任だったら…』何度もそんなことを思いました。
 昨月曜日の放課後、1年の学年練習を見終えて体育館を出た瞬間、そのクラスの歌声が第2音楽室から響いていました。大きく美しい歌声です。思わず階段を駆け上がりました。音楽室の扉を開けた瞬間、そこにあった光景が今も脳裏に焼き付いています。身体を前後にゆすって声を出す男子。掛け合いを楽しむかのように美しく歌い上げる女子。重くしっかりとした、それでいて弾むような伴奏、嬉々として腕を振る指揮。週末とは全く別の集団の姿がそこにありました。
 週末の学活の様子、生徒の思いと決意、担任の先生の熱い気持ちと呼びかけ、それを支える学年の先生方の姿、一気に想像した様々なものが、目の前の信じられない光景と重なって大きく心を動かされました。リハーサルの段階では誰の目にも最下位だった学級が、今、優勝候補に名乗りを上げたと言っても過言ではないかと思います。
 「結果」よりも「過程」が大事。この状況を見ると将にそうで、もう十分に「学級集団(仲間)づくり」という「目的」は達成しました。確かにそうですが、5クラスの力が拮抗しているこの状況まで来たからには、あと3日間、どのクラスも「最優秀賞」という「目標」に向かって、できる限りの取組をしてほしいと思います。

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「行事で育つもの」
 “秋の日はつるべ落とし”昔の人は上手くいったものです。ところで、“つるべ”を知らない人が増えているのではないでしょうか。はて、うちの若い教員たちは知っているのでしょうか。昨日、国語の授業を観ていて同じようなことを思いました。慣用句やことわざの学習だったのですが、「ぬかに釘」「のれんに腕押し」を教える際に、先生が「ぬか」と「のれん」の説明をしていました。確かに、特に「ぬか」は具体物を見たことのある生徒が少ないかもしれません。
 秋分の日がすんで、昼の時間がドンドン短くなっていきます。ついこの間まで7時半くらいまで明るかったのに、今は6時で既にうす暗くなっています。
 さて、この時期の学校は活気に満ちています。特に放課後は生徒も先生も大忙しですが、イキイキと楽しそうに動き回っています。合唱の練習、学習発表会の練習、“めくり制作”などの音コンの準備、体育大会の準備などです。そうそう、4時以降は部活動を頑張る声も校内に響き出します。
 特に、夏休みで部活動を引退した3年生たちは、新しい活躍場所を見つけたとばかり積極的に動いています。元々、部活動に熱心な人たちは学校が大好きなので、何事にも一生懸命取り組みます。一生懸命に取り組むから楽しいし、楽しいから尚更頑張ります。一方私もこの活性化した学校のムードの中、子どもたちと劇づくりや展示作品づくり、合唱の練習に励んだ日々のことを毎日のように密かに思い出しています。
 行事の意味について、改めて考えてみました。行事の目的は、ひと言で言うなら「仲間づくり(=人間関係づくり)」です。PCやスマホ、SNSの発達によって一人で遊ぶ子どもたちが爆発的に増えました。それにつれて、人間関係をうまく結べない若者が増えてきたと言われています。若者のコミュニケーション力不足が国民的課題のように言われて、もう随分長くもなりました。
 行事を作り上げていく際には、自然とコミュニケーションが生まれます。時にはぶつかることもあるでしょうが、それもまた勉強です。どんな言い方や行動をすれば人は嫌がるのか、あるいは喜んで共に動くのか、経験しなければ分からないことがたくさんあります。対立したり共感したりしながら一つのものを作り上げるからこそ、出来上がった時に感動が生まれるのです。そして、その感動が子どもたちの心を育てます。教科の勉強が出来ることはもちろん大切ですが、豊かな感性と温かな心をもち、人と接することが上手な人って素敵ですよね。 
 保護者や地域の皆様、来月には様々な発表の場があります。子どもたちが仲間と協力しながら作り上げてきた有形・無形の作品を是非見にきてやってください。
 真剣な眼差しと心からの応援が、子どもたちをまた大きく成長させてくれます。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「自信と誇り」
 1年間アメリカに留学していた下の息子が帰ってきました。食事のためか運動不足のせいかは分かりませんが、身体が一回り大きくなったように思います。出発するまでは
『1年は長いなあ。大丈夫やろうか』と心配もしていたのに、過ぎてみれば“あっ”という間でした。それにしても、近頃の留学は勉強しに行っているのか遊びに行っているのかよく分からないような内容です。サンフランシスコは東京と変わらないほど(あるいはそれ以上に)物価が高いということですが、たくさんお金もかかりました。巨額の投資をしたのだから、しっかりと学んでいてもらわないと困ります(笑)。
 見分は随分と広めたようです。話題は直ぐにアメリカのことになります。彼が語る内容を聞いていると、私もそこを訪れたくなります。自分の目で見、耳で聞き、香りをかぎ、そのものに触れ…、体験した者にしか理解できないことがあると思います。それを大切にして今後の人生に活かしてほしいです。帰国して、彼の将来への考え方が変化もしました。英語力を活かした職業に就きたいという気持ちが一層強まったようです。視野も広がりました。私などが想像もできないようなことを言ったりもします。また、世界各国から人々が集まるサンフランシスコにあっても、ヨーロッパ諸国からの留学生と比べると、アジア人は低く観られているといった差別感を感じたとも言っていました。我が子ながら、学び成長した姿を頼もしく思います。また、彼自身の人生において、少しばかり自信と誇りをもてたようにも感じています。
 昨日(22日)、二の丸北小学校の運動会を観に行きました。「跳びはねる」という表現がピッタリな、小学生の軽やかに走る姿に爽やかなエネルギーを感じました。その中でも特に、最後に行われた5・6年生の集団演技には感動を覚えました。
 「二の丸北小学校最後の運動会をよいものにしようと一生懸命取り組んできました…」代表児童による演技前のコメントの通り、今年度を最後に閉校となる自校での運動会を思いっきり楽しみ、盛り上げようとする児童と教職員の思いが溢れた演技でした。途中から激しい雨が降り出したのですが、子どもたちは全く気にすることなく演じ切りました。まるで、激しい雨が予め考えられていた“演出”であるようにさえ感じたくらいです。保護者や地域の方も彼らの姿にくぎ付けになって見守っておられました。私の横の清水校長先生は、何度も眼鏡の奥の目頭を押さえておられました。
 1年間の留学生活と運動会での集団演技。異なるものではありますが、共にやり切った満足感と自信、自分に課せられた責任を自覚しそれを全うした誇りを感じます。そして、それらが彼らを逞しく成長させました。
 自信と誇りを感じて行動する様は眩しいくらいに輝いています。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「適切な声掛け」
 9月に入って運動部の新人戦や文化部のコンクールなどが盛んに行われています。この時期も生徒たちの頑張る姿を見るのが楽しみで、手帳に予定をびっしりと書き込んでは可能な限り観に行くようにしています。試合やコンクールの場面では、学校生活ではあまり見られない子どもたちの表情や行動を見つけることがあります。
 野球部の新キャプテンは、部活動の際には普段の学校生活とは別人のような優れたリーダーになります。歯切れの良いよく通る掛け声と呼びかけでチームを引っ張ります。勉強で目立つ子ではありません(気を悪くしないでな)が、野球部のキャプテンとしての行動が活かされてきたようで、最近では、合唱の場面などでリーダー性を発揮しはじめています。先日、部活の中でうまくいかないことがあって随分と落ち込み、悔し涙を流したと聞きました。これもまたよい学習です。
 試合で大健闘したある女子テニス部員に、試合の翌日、次のように声を掛けました。「昨日はおめでとう! ええもん、観せてもろた。それにしても、凄い気合やったなあ。あの気合で授業を受けたらものすごく賢くなるんちゃうか!?」
「ぜったい、無理やし!」素っ気ない言葉が返ってきて苦笑しましたが、私の気持ちは伝わったと思っています。
 ブラスバンド部が、11日のマーチングコンテストでも金賞を獲得しました。今回は関西大会への出場はならなかったですが、素晴らしいパフォーマンスと演奏を披露しました。演奏後の清々しい涙の表情は、どの子をも輝かせていました。2年生の中に、時々授業中に“ボーっ”としていたり、居眠りをしそうになっている生徒がいます。満足感と安ど感、極度の緊張からの解放感からくる本番直後のあの美しい表情を、学校生活の他の場面でも多く観たいと思います。彼女が1年の頃、吹奏楽部を続けられるのかと心配したこともありましたが、部活動は見事に彼女を成長させてくれました。
 ひとつの成功体験は、貴重な“きっかけ”です。ある場面でできたことは、きっと別の場面でもできるはずだと信じます。いえ、させていかなければなりません。部活動や学校外のクラブチームで頑張っている経験を学校生活や日常生活にも活かしていかなければ、それらの活動の意味は随分と小さくなってもしまいます。
 「凄いなあ。よくやった!」と認めて、「上手になったね、感動したわ」と褒めて、「次も、別の場面でもがんばりや」と励ます。思えば、これは子育てと教育の基本姿勢なのではないでしょうか。
 子どもは、放っておいても成長はします。それは目には見えないほどのゆっくりとした速度かもしれません。でも、“今というその瞬間”を見逃さず、適切な声掛けをすることによって成長のスピードを速めることができると思うのです。
 そのことの上手な人が、よい親でありよい教師です。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from mukaijima〜

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「経験が判断材料になる」
 毎朝5時30分には愛犬檸檬(れもん)の散歩に出ます。帰宅時もそうですが、近頃では草むらから虫の声が聞こえます。また、同じ時刻なのにいつの間にか以前ほど明るくなくなりました。日中はまだまだ暑いですが、確実に秋が近づいてきていることを実感します。
 さて、学校では毎日色々なことが起こります。嬉しいことや楽しいこと、感動的なことばかりではありません。生徒同士のトラブルはよく起こります。解決に向けて、保護者の方と話をしなければならないことも多いです。生徒に危険が及ぶようなことや、場合によっては命の危険が伴うような事件も起こり、教師はその都度そのような事象に対応します。
 ほとんどの事件や事故、トラブルの解消に向けての動きは、学年や係りの先生の判断で動き、校長である私や教頭へは、方針や経過、結果が連絡・報告されるのが普通です。それでよいと思っていますし、そもそも、年度初めに教職員を信頼して各ポジションに配置しているのですから、各人が自覚と責任をもって判断し行動することに対して、先ずはじっと見守るべきであると思っています。
 しかし、学校として決断を下さなければならない場合があります。その場合には校長に判断が委ねられます。この場面は校長の仕事のなかで最も重要であるうちのひとつです。というのも、ここで判断を間違うと、生徒や保護者を傷つけたり、地域にご迷惑をかけたりすることに繋がるからです。また、教職員の信頼を失墜することになるかもしれません。
 校長になって7年になります。これまで何度も重大な決断を下さなければならない場面がありましたが、若い頃に厳しい時代を過ごした経験が少なからず役に立ちました。その時は確かに“しんどい”思いもしましたが、今となっては、この時の経験に感謝する思いです。
 校長に限らず、人は判断をしたり重大な決断を下す多くの場合、それまでの経験をその材料とします。『あの時、こうだったから…』上手くいったこともそうでなかったこともありますが、すべての経験が、今を生きる上で役に立っていると言えます。
 子どもや若い人たちには、できるだけ失敗をさせたくありません。しかし、失敗を恐れて経験する機会を奪っていくと成長することもできません。もって生まれた資質や能力には違いがあります。初めて出会う事象を難なく乗り越える人も居ます。また、経験したことをすぐに自分のキャリアに変えて成長していける人も居ます。これも資質です。経験したことは、その時の結果が良くも悪くも未来の糧になるはずです。
 結論を急ぎます。生徒諸君には思い切った行動をして、将来のために豊かな経験を積んでほしいと願っています。そして、先生方には生徒を信頼してそれをじっと見守ってやってほしいのです。見守られているという安心感と教師への信頼感があれば、生徒は思い切った行動はしますが、決して無茶はしません。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「死んだらアカン!」
ストレスでもう生きていけそうにないです。…さすがにもう耐えられません。…学校生活も散々だったし、…噂流したりそれを信じたりいじめてきたやつら、自分でわかると思います。もう二度といじめたりしないでください。…家族へ、先立つ不孝を許してください。…みんなに迷惑かけるし、悲しむ人も居ないかもしれないくらい生きる価値本当にないし、綺麗な死に方すらできないけれど、楽しい時もありました。本当に13年間ありがとうございました。【30日京都新聞朝刊から】
 読み進めるのが苦しくなります。25日に青森市で列車に飛び込んで自殺したとされる中学2年女子生徒の遺書が公開されました。遺書はスマートフォンに保存されていたようです。前日には、19日に青森県東北町の中学1年男子生徒が自宅の小屋で首をつって自殺を図っていたことが報道されたばかりです。「いじめがなければもっと生きていた」との趣旨の記述、いじめに関わったとする生徒の名前もその書置きの中にあったそうです。
 このような形で子どもを失った親の気持ち、遺書や書置きを見つけた時の気持ち、それを知らされた学校関係者の気持ちを綴る言葉を見つけられません。
 毎年、長期休業が終わる頃に自殺者が急増するそうです。亡くなった生徒たちのことは全く知りません。もちろんこの子たちを救うことができるはずもありませんが、教育に関わる者の一人として『自分に何か出来ることはなかったのか!』と考えてしまいます。そう考えながら報道に触れている教育関係者は多いのではないでしょうか。
 『死んだ方がまし…』『死んだらきっと楽になる…』そう思うほど苦しかったのでしょう。でも、本当にほかに方法はなかったのでしょうか。しんどい気持ちを誰かに打ち明けて、相談に乗ってもらうことはできなかったのでしょうか。「学校がしんどいなら、学校に行く必要はないよ。」誰かに相談をしていたらきっとその人はそう言っていたと思います。そして、じっくりと時間をかけて話を聴き、解決への道を一緒に探ってくれるはずです。子どもたちの周りには、学校の先生を初めてとしてそんな人がきっとたくさんいるはずです。
 この文章を読んでいる人たちは、おそらく向島中学校や私の関係者だろうと思います。だから、声を大にして言います。
「命を大切にしてください。死んだら絶対にアカンって!」
 ひょっとしたら、学校の先生は『しんどいことから逃げるな!』『立ち向かえ!』なんて言うと思ってへんか。そんなこと全然ないからな。人生80年、長いんやで。きっとこの先、楽しいことかって一杯あるって。もし、『死にたい』と思っている人が居るとしたら、徹底的に話を聴くから誰かに相談して。君のこと、一生懸命考えるから。
 私たち先生を頼ってみてぇや。絶対、悪いようにせんから。

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「エネルギー源はコミュニケーション」
 金魚すくいにおやつの時間、そして最後の福引きと、子どもの頃は「地蔵盆」が楽しみでした。宗教的な側面もありますが、町内安全や子どもの健全育成を願う地域の行事として京都の町に定着しています。21日(日)は、朝6時からその準備に駆り出されました。テントを建て、ガレージに茣蓙(ござ)を敷き、お地蔵さんの祠(ほこら)やテントを紫白幕や提灯(ちょうちん)で飾ります。
 帰って朝食をとり、身支度を整えて学校へと向かう頃、普段は見かけない子どもたちが集まって遊んでいました。他の地域へ嫁いだ人たちが、この際に子どもを連れて帰ってきているのです。最近はあまり聞かれなくなってしまいましたが、地域に子どもの賑やかな声がするのは良いものです。学校へ向かう途中でも、各所で地蔵盆が行われているのを観ました。子どもを真ん中に置いて地域の大人たちが笑顔で話しています。きっと子どもたちの存在を認め、行為や行動を褒めているのでしょう。「地域の子どもは、地域で育てる」これは京都市教育のキャッチフレーズの一つですが、改めてその具体物を見つけたように思いました。
 私の子どもの時分から、地蔵盆が終われば夏休みは終わりです。さて、33日間の夏休みが終わり、学校に子どもたちが戻ってきました。夏休み中も部活動に来る子どもたちに会ってはきましたが、制服を着て体育館や教室に集う生徒の姿は、夏休み中とは大きく異なります。
『ああ、やっぱりちょっとしんどいなぁ〜!』私たち教師も人間です。夏休み最終日の夜、『さあ、明日から頑張るぞ!』という気持ちと同じくらいそんな気分がありました。でも、そんな気分を吹き飛ばしてくれたのは、やっぱり生徒たちでした。朝の校門であいさつを交わしながら『しんどいなぁ〜』がドンドン小さくなっていって『頑張るぞ!』が大きくなっていきました。笑顔で会話(挨拶を含む)を交わす効果を実感した瞬間でした。同時に『子どもたちも同じように感じてくれていたらいいのに…』と思ったりもしました。
 全校集会では、行事の多い2ndステージを充実したものにして、心身共に大きく成長してほしいということを強調しました。最後にはメジャーリーガーのイチローとプロテニスプレーヤーの錦織圭両選手を話題に取り上げました。2人に共通していることとして、「夢」「信念」「継続力」「曲がったことが嫌い」という4点を挙げました。そして、次のようにまとめました。
 皆さんにメジャーリーガーを目指せとか、五輪でメダルを獲得できるような人間に成れと言っているのではない。夢や信念をもち、正しいことを持続できる人になって欲しい。そうすれば、きっと素晴らしい人生が切り拓ける。
 私のメッセージから“ヤル気”を起こした生徒たちが居てくれることを期待します。

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学校行事
1/26 2年修学旅行
総括考査5(3年)
京都市立向島中学校
〒612-8141
京都市伏見区向島二ノ丸町151-55
TEL:075-623-0512
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E-mail: mukaijima-c@edu.city.kyoto.jp