京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2019/03/29
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『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「生きるを考える日々」
 朝夕の冷え込みが厳しくなりました。朝の校門に立つ際にはコートが欲しいと思うくらいです。草むらには既に虫の声はありません。かわって山茶花の木が蕾をつけ始めました。そう言えば、1月前は「音楽コンクール」が終わった頃で、まだみんな半袖でした。季節は確実に移っています。
 さて、久しぶりに父親のことを綴ります。
「誤嚥性肺炎」って知っていますか。高齢になると、喉の筋肉が上手く働かなくなって食べ物が食道ではなく気管から肺に入ってしまうようです。それが原因で肺炎を起こし、命を落とす高齢者が多いのです。日本人の死因を調べてみると、年齢が高くなるほどこうした肺炎による死者が増えます。
 「残念ながら、お父様はもう何も食べられなくなられました。」
 先月10日に医師からそう宣告されました。実際何か食べようとしてもむせて吐き出すばかりです。病院では点滴の栄養だけで生かされている状態でした。「腹が減って眠れへん。何か食わせてくれ!」意識のしっかりしている父は空腹と闘うようになりました。「こんなところに居たら餓死させられる。家に帰りたい!」病院は、肺炎を起こす患者に食事をさせてはくれません。空腹感が父の人格を変え始めました。医師や看護師に罵声を浴びせ、見舞いに来た家族に対してもキツイ言葉を吐きます。
 私たちは大きな決断をしました。在宅での看護と介護です。「食べたいのであれば、食べさせてあげよう」食べ物が喉に詰まるので、吸引の仕方も学びました。往診してくださる医師と訪問看護師を見つけてももらいました。“食べては吐き出す”、あるいは“食べては吸引する”を繰り返すうちに奇跡が起こりました。少しずつですが、喉を通る量が増えていったのです。自宅へ帰って3日目の夜、ビックリするほどの量の排便がありました。可笑しな話ですが排便に希望が見えました。今では、家で吸引することがなくなるまでに食べられています。性格も、元の温厚な父に戻りました。
 あのまま絶飲食を続けさせていたら、父は皆から嫌われながら死んでいたかもしれません。父の人間らしく生きようとする“気力”が医師の診断を覆らせたのだと思います。
 しかし、家族の生活は大きく変化しました。今この瞬間も父の傍には誰かが付いていなければなりません。父の看護・介護の在り方を巡って、妹や弟と時には激しい言い争いも起こります。そんな時は、母や私と弟の妻たちの困った顔を見るのもつらいです。父の「生きたい」という思いを尊重し、「父を支えていこう」ということを共有して、一人ひとりができることをやるようにしています。
 父の死と生を考える中で、近頃は、家族の在り方や自分の生き方についても一層深く考えるようになりました。どう生きるのか。幸福に生きるとは…。何かに集中しているとき以外は、「人が生きる」ということについてあれこれと考えています。

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