学校日記

ちょっといい話—102—

公開日
2012/11/21
更新日
2012/11/21

学校の様子

 明日でテストも終わります。もう一息、もう一息・・・。このテストが終わり、成績が出ると次は「個人懇談会」です。いよいよ3年生は進路決定の時を迎えます。また、あと2ヶ月もすれば私立高校の入試です。あっという間に、勝負の時を迎えます。
 今日の「ちょっといい話」は、そんな受験にまつわるお話です。テストは自分が受けるので、自分の力で切り拓いていくということはわかっています。しかし、受験となるとどうでしょうか…?よく考えてみると、たくさんの人に支えられているということに気づきます。今日はそんなお話です(「泣ける話」より)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
             『受験日のヒッチハイク』

 両親は学費の高い私立高校の入学に反対だったが,実技が学べる○○高校の魅力は捨てがたい。「推薦でダメだったら公立にする」が約束だった。

 入試前日の16日午後11時半JR長岡駅(新潟県)。新幹線から乗り換える予定だった夜行列車が,折からの大雪で運休になってしまった。
 「もう間に合わない」
と同時に
 「夢は終わった」
と思った。
 母と共に立ちすくむ静かな駅のホームで,涙が止まらなくなった。泣いている
私を母が
 「絶対にあきらめない!」
とたしなめた。

 そして長岡駅を出た母は,私にヒッチハイクを提案した。私は車が通りかかるたびに傘を振り回して合図。吹雪の中を約2時間半歩き続けた。午前4時半,ガソリンスタンドで給油している大型トラックが目に入った。運転手の男性に駆け寄った。神戸に行くという運転手は,
 「金沢までなら」
と乗せてくれた。
 「同じ中3の娘がいる」
という運転手はヨコヤマと名乗った。夜が明けるころ,金沢に入った。
 「よし,輪島まで行っちゃる」
とヨコヤマさんが突然,向きを変えた。

 母と私が受験会場に着いたのは午前9時。試験開始のわずか10分前だった。ヨコヤマさんは
 「がんばれよ」
と励まして去っていった。連絡先は教えてくれなかった。入試の作文の題は,「私が感動したこと」だった。大反対しながらも懸命に励ましてくれた母のこと。遠回りして試験会場まで贈ってくださったヨコヤマさんのこと。「人の優しさに触れることが出来,感動・感謝,他にもいろいろと感じることが出来,良かった。」と懸命に書き上げた。
 後日,合格通知が届いた。真っ先にヨコヤマさんに知らせたかったが,連絡先はわからない。私は「感謝の気持ちを周りの人に少しずつ返していきたい」と思っている。