ちょっといい話−37−
- 公開日
- 2011/07/12
- 更新日
- 2011/07/12
学校の様子
“卒業式”・・・「感動」という言葉がふさわしい卒業式の「ちょっといい話」がありましたので,紹介します。
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<亡き友と卒業>
3月10日、広島市立の中学校で3年間お世話になった我が家の長男の卒業式に出席した。彼の同級生N君も一緒に卒業した。
N君は小学校時代から闘病生活を余儀なくされ、中学校に入学しても休みがちだったと長男から聞いた。
1年生のときには、何とか出席していたものの2年生のときには、ほとんど出席できなかったという。詳しくはわからないけれど、折に触れて我が家の長男が付き合っていたらしい。そのN君が、今年1月に懸命の治療の甲斐なく旅立った。あと少しで卒業だったのに…。葬儀には、級友をはじめとする同級生が参列し、校歌を斉唱してN君をおくったという。
卒業証書授与式では、緊張した生徒たちが、名前を呼ばれるごとに元気よく「はい」と応え、壇上に上がり校長から証書を受け取る。
「N・・・。」
担任がN君の名前を呼んだ。2人の生徒が歩き出し、壇上に上がった。ひとりがN君の遺影を携え、もうひとりが証書を受け取った。二人はN君のクラスメートだった。
卒業式終了後、教員や保護者、在校生が卒業生たちを見送った。担任に先導された卒業生は見送りのトンネルを笑顔いっぱいにくぐり抜けた。
長男のクラスが、N君の遺影と共にやってきた。日ごろ何もしてやれない私は、精一杯の拍手を贈った。
突然、列が止まりN君の遺影を囲むように輪ができた。
「僕たちはN君に生きることの大切さを教えられました。N君の分までしっかり生きようと思います。写真は(肉親の方に)お返ししますが、N君は僕たちの心にいます。いつかN君とまた会えるような気がします。」
クラス代表が大空に顔を向け、精一杯の声で想いを述べたとたん、何が始まったのかわからなかった周囲の者は、皆、心打たれ、熱いものが頬を伝っていた。このことは、誰に言われたことでなく、クラス全体で考えたことだという。学力は劣るが、この輪の中に我が家の長男がいたことを私は誇りに思いたい。公立高校の合格発表前だが、そんなことよりN君のことを真剣に考えている我が家の長男、そして級友のみんなを思いっきり褒めてやりたい。
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※その場にいた人みんなにとって一生忘れることのできない“卒業式”だったことでしょう。また,みんなの心の中に,一生生き続けていくN君のはずです・・・。