学校日記

入学式

公開日
2012/04/05
更新日
2012/04/05

学校の様子

            式  辞
 春爛漫の陽気に包まれた今日の良き日に、新入生百十九名を迎え入れ、第32回入学式を挙行することが出来ますことを心から喜びたいと思います。
 さて、新入生の皆さん、入学おめでとうございます。これからの3年間、成長し充実した中学校生活を送ってもらうために,大切にしてほしいことを3つお話します。
一つは「鳴かず飛ばず」のお話です。世間で「鳴かず飛ばず」という言葉が使われることがあります。この言葉は、「あまりパットしない」「中途半端」という意味で使われてあまり印象の良い言葉ではありません。しかし本来の意味は違います。中国の史記という歴史書の中で、「ある国の家臣が丘の上にいる1羽の鳥が3年間、鳴きもせず、飛びもしないのを見てその理由を国王に尋ねたところ、国王は3年も飛び立たないのは羽や翼が揃うのをまっているからなのであろう。1たび鳴けば世の中を驚かすほどに鳴くであろうし、1たび飛べば、天に達するほどの勢いであろう。」と答えたと言います。この「鳴かず飛ばずの鳥」は、3年の間に鳴き、飛び立つまでの準備をじっくりと整えていることの象徴です。今日入学した皆さんも、これからの3年間を学習や部活動を通して様々なことを学び、羽や翼をじっくりと揃い、整えて立派に飛び立ってくれることを期待しています。
 2つ目の話は「言葉を尽くす」についてです。「言葉を尽くす」という言い方はあまり馴染みがないかもしれません。これは、自分が思ったことや考えたことをどのような場面でも相手の心に届き、伝わるように、言葉を十分に活用するという意味です。自分の考えや思ったことが相手に伝わらない時に、あきらめたり攻撃的になったりするのではなく、相手に理解が得られるように言葉を使いきっているかを自分自身で振り返ってほしいのです。この「言葉を尽くす」という心構えや態度は、中学校卒業後の社会においては、コミュニケーション能力という言い方で、社会人として欠かすことができないものとなっています。今日からはじまる3年間の中学校生活で「言葉を尽くす」ことを実行し、コミュニケーション能力を身につけて社会で活躍できる素地をつくってくれることを期待しています。
 最後3つ目は「豊かな心」についてのお話です。「心の豊かさ」という言葉は良く耳にします。心が豊かであるとはどいうことをいっているのでしょうか。今の社会は物が豊かであると言われています。携帯電話やパソコンなどの情報機器はその象徴ではないでしょうか。「物の豊かさ」が物の多さや豊富さであるなら「心の豊かさ」は、多くの心があり、心が豊富にあることを意味することになります。やさしい心、さみしく思う心、愉快におもう心、怒りに震える心、悲しみにふける心など、多くの心が人の中にあります。これらの心は、自分の体験や経験の中から獲得していくものです。この獲得した心は、同じような心の人の気持ちと共鳴し合います。つまり人のうれしい気持ちや悲しい心が伝わり、相手の心情がわかるようになるのです。多くの心があり、心が豊富な人ほど、多くの人の気持ちがわかり、相手にどうすれば良いかを自分に置き換えて、考えることができるようになるのです。いま、人と人との繋がりの大切が、東北大震災から1年過ぎた今も、至る処で叫ばれています。人の心がわかることはその人の心の豊かさと関係しています。人と人との繋がりは一人ひとりの心の豊かさと関係するのです。これからの中学校3年間で多くの体験や経験から生まれる心を大切にして、人の心や気持ちを自分と置き換えて理解し、思いやりのある態度や行動のできる人になってほしいと願っています。
 以上で3つの話を終わります。この3つの話を頭の片隅においてこれからの中学校生活を有意義に送ってほしいと思います。
 遅くなりましたが,保護者の皆様,お子様のご入学,誠におめでとうございます。今日から3年間,義務教育の総仕上げとしてお子様を預かり全力で取り組んでまいります。それには保護者の皆さまのご理解とご協力なしではなしえない教育実践が多々ございます。保護者の皆様のご理解と協力を宜しくお願い申し上げます。
最後になりましたが、御来賓の皆様、本日はご多様の中、入学式にご臨席たまわりましてありがとうございます。入学生を迎え入れた今日からのあらたな西陵中学校にご理解と支援を賜りますようにお願い申し上げます。
 それでは新入生の皆さん、これからの大いなる成長を祈っ
て私の式辞を終わります。
                             平成24年4月5日
                             京都市立西陵中学校
                             校長  山本 卓司