対話力
- 公開日
- 2013/09/26
- 更新日
- 2013/09/26
校長室から
昨日の新聞には,平成24年度の「国語に関する世論調査」に関する記事が載っていた。文化庁の調査で,平成7年度から続いている。日本人の国語に関する知識や理解の現状について調査し,国語に関する興味・関心を喚起するものである。
さて,言葉や慣用句の理解と使い方に関するものとして,「噴飯もの」というのが今回新たに聞かれたとあった。おかしくてたまらないもの(19.7%)が正解で,腹立たしくて仕方ないこと(49.0%)とあり,半数ほどの人が意味を間違えて理解していた。その他,「役不足」,「流れに掉さす」,慣用句の言い方として,「実力あって堂々としてこと」,「激しく怒ること」,「いよいよというときに使う,とっておきの手段」の意味を慣用句で表すことを尋ねられていた。
ところで,この調査の中で最も注目すべきことは,「言いたいことが伝わらない」という経験をしたことがある人が6割強にも上るという結果が出ていたことだ。その分析として,メール等により「対面型コミュニケーションに苦手意識を持つ人が増えている」としている。とりわけ,16〜19歳の8割が「自分の話し方」に問題を感じており,説明の仕方に自信の無さを,また,人の言いたいことを理解できなかった経験,とりわけ若い人では「自分の聞き方に問題がある」と感じる人の割合も高かったとある。いわゆるコミュニケーション能力の不足が気になった。
現行の学習指導要領の国語科にある「話すこと・聞くこと」に当たるが,これはバラバラの要素ではなく,「聞くこと→話すこと→聞くこと」というサイクルの意識化を図らなければならない。今は意見がかみ合わず,自分の主張だけを一方的に述べる生徒が多いのも,聞き手意識が育まれていない結果だと思う。
その対策は国語科だけの問題ではなく,学校教育全体の問題として共有し,それぞれの教職員が意識化を図らなければならない。もちろん,家庭や地域もその育成に関しては大切なもので,単語で会話をすますようなことを一掃するだけでもそれなりの成果は上がるものだ。
また,その方策の一つとして,道徳があるように思う。というのも,現代の価値観は善い,悪いといった単純な価値観ではない世の中になってきている。つまり,善いことと善いこととがぶつかり合う中で,自分はどの善いことを選択するのかと言った選択力が大切になってきている。決まった正解がない中で,その選択をするためには,対話力,対話型の授業を行う道徳教育に一つの視点があるように感じる。グロバールの世界の中で,多様な意見を聞きながら自分の思いをまとめ,内面を高めていく対話型授業により,生徒同士のコミュニケーション力を高めることは一つの方策だと思う。