学校日記

背景

公開日
2013/06/24
更新日
2013/06/24

校長室から

 昨日の新聞は,1面に富士山の世界遺産登録であった。しかも三保松原を含むである。その三保松原であるが,どうも富士山からは45キロも離れていることで,富士山に含む登録にするのかどうかが問題視されていたみたいである。その説明として,「芸術の源泉であることを担保し,信仰の対象としても重要な資産」を挙げたという。
 浮世絵師歌川広重の描いた三保松原と富士山は有名であるが,実際の駿河湾から松原を見ながら望む富士山は,松原が富士に連なっていくようで,美しい眺めである。また,この松原では,あの羽衣伝説の一つの場所としても有名である。丹後の宮津の天橋立も羽衣伝説があるが,あれは笠松公園から股のぞきから見る天橋立が天にかかる浮橋のようなことろからの羽衣伝説になったものと思われるが,この三保松原の背景を富士山と見立てての羽衣伝説であるように思う。
 このように,富士山単体でどうのこうのと見るより,25の構成資産を含んでの富士山世界遺産登録という流れである。その構成資産に45キロ離れた三保松原も含めてということになったのである。
 このようにあらゆるものにはその背景というものがある。それ自身が単体で成り立つものではないということである。以前,祇園祭が無形文化遺産に登録されたことがあったが,ニューヨークのウォールストリートに,ベルリンのブランデンブルグ門に山鉾巡行があってもそれは祇園祭ではない。あの1か月間の様々な行事,鉾町に住む人々の営み,そして,ハイライトである巡行の街並み等々があっての祇園祭の無形文化遺産登録なのである。
 これらは遺産登録の話であったが,私たち一人一人に目を向けてみると,私たちはそれぞれ独立した人間である。しかし,その背景には,家族や兄弟姉妹がいて,親せき,それに友だちや地域の人々,教職員をはじめとして,ボランティアの方々,いろいろな人々があって自分がいるということである。あなた方の一挙手一投足にいろいろな思いを持つ多くの人々がいるんだということを常に忘れずにいなければならない。