学校日記

筆者の独り言 12

公開日
2012/09/20
更新日
2012/09/20

きらり☆はち公☆

「若い時の苦労は買ってでもしろ」

 私の両親は,時代を先取りしていたのか当時にしては珍しく共稼ぎでした。ですから幼稚園や学校から帰るのは自分の家ではなく,近所のお年寄りの家でした。3人姉弟は,別々の家に預けられていましたので,別々の所へ帰って,母が帰宅する頃にようやく家に帰るのが普段でした。私たち3人姉弟はお爺ちゃん子,お婆ちゃん子として育ちました。
 お婆ちゃんは知恵の宝庫でした。色々な事を教わりました。そんな中で今でも頭の中にしっかりと刷り込まれているのが「若い頃の苦労は,買ってでもしろ」です。いつの日か「若い頃の」という部分が記憶から消えて,「苦労は買ってでもしろ」だけが残っています。物事を判断したり,方向に迷ったときは,それこそ迷わずに「しんどそうな方,めんどくさそうな方」を選択しようとしてきました。私も聖人君子ではありませんので,少しでも楽をしたいし,好き好んで苦労を背負い込みたくはありません。でも,後から振り返って見ると,悲しいかな,やっぱりお婆ちゃんの言葉はしっかりと刷り込まれているのを確信してしまうのです。
 世の中が便利になり,個別化が進んできました。個人の電話,個人のテレビ,一人遊びできるゲーム機などなど。わりあい買い与えやすい金額で個別化するためのツールが溢れています。問題の解き方を教えるより答えを教えるほうが簡単だし,火傷をしない方法を教えるより,ストーブをエアコンにするほうが簡単です。手を切らない方法を教えるよりレトルト食品を与えるほうが簡単です。めんどうくさい人間関係を,丁寧に繋いだり,関係を修復していくより,新しい関係を探したほうが簡単です。駄々をこねて泣き叫ぶ子どもを納得させるより,物を買い与えて泣き止ませる方が簡単です。
お婆ちゃんの教えは,過去の遺物になってしまったのでしょうか。今の時代にはあてはまらないのでしょうか。面倒くさいことより効率的に。しんどいことより楽な方法に。確かにそれも真実だと思います。でも,子育てや教育,人づくりは,やっぱり「めんどうくさい」ことの繰り返しだし,ある意味「しんどい」ことなのではないでしょうか。
 秋,実りの秋,スポーツの秋,行楽の秋,
 学校も家庭も地域も,さまざまな行事があります。学校でも,秋の大会,演奏会,文化祭,体育祭,地域行事など,昔から受け継がれている行事がたくさんあります。その行事は,企画する方も参加する方も「めんどうくさい」し「しんどい」ことなのかもしれません。でも,あえて時間と手間をかけて取り組んでいくことで人は育ちます。子どもたちが,人として育っていく機会です。私たち大人が,もくろみを持って子どもたちに仕掛ける。そして,丁寧に手間をかけて子どもたちに関わって行く事が大切だと思います。それを意識して取組みを進めたとき,「実りの秋」はやってくるのだと思います。たくさんの豊かな実りを信じて頑張りましょう。