学校日記

5月便りより

公開日
2015/06/03
更新日
2015/06/03

校長室から

『憲法月間で思うこと』
 5月は「憲法月間」です。
 今から約70年前に、戦後の日本の進む方向を示した一番大切な約束事です。「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」が原則とされ、私たちの命や生活は、これにすべて守られている柱となる法です。平和憲法として世界文化遺産に登録しようとする運動がある一方、憲法改正の議論が進んでいる今、子ども達に大切にしていきたいのは、憲法の基本的な考えを「知る」ことに加えて、それについて「考えよう」とする意欲や態度を育てることです。
 6年生の担任をしているときに、「日本国憲法」の勉強をしました。難しい言葉をいっぱい覚えなければいけませんし、あんまり身近な内容ではないので重い授業だと感じていたのですが、子ども達からこんな思いが出てきました。「すべての国民の生活は最低限、憲法に守られているのに、困っている人がいっぱいいるのはどうして?」「軍隊は持たないとなっているのに、自衛隊はなぜあるの?」などなど。授業は盛り上がりました。憲法を通して、明治や大正時代のことを調べました。また戦争のことを学びました。時代を生きた人々の願いも知りました。そして、今、自分が生きている社会についても考えました。
 今、学力についての問題が数多く語られています。これから子ども達が生きていくうえで本当に大切な「生きる力」につながる「学び」はどんなことなのか、いつも考えさせられます。憲法についてその言葉を理解し、年代を覚えることも学びのツールとして必要ですが、一方で、それを自分の体験や生活に結び付けたり、社会とのつながりの中で考えたりして、いろんな人と意見交換しながら探究していく力が、これからの社会を豊かに強く生き抜いていくうえでなくてはならないものです。例えば、大工さんの仕事に大切なものを考えてみると、のこぎりやカンナなど使いやすい道具は必要です。一方で、それを使いこなす技術や、いろんな人と作業をうまく分担したり、完成をイメージし手際よく物事を進めたりする力もなくてはなりません。「学び」も同じことが言えます。使うツールとしての知識や言葉をしっかり身につける一方、豊かな体験を通したり、楽しく自分自身の生き方に結びつけたりすることで、本当の意味での学びによる豊かな「自己実現」が可能になるのです。
 「一人一人を徹底的に大切にする」方針のもと、学校でも一時間一時間の授業の基本を大切にし、すべての子ども達が楽しく、「できた!」「わかった!」「もっと!」をいっぱい感じられることや、それを学校やクラスの集団の中でお互いに伝え合い、高め合っていけることを大切にしていきたいと考えています。
 日本国憲法で保障された、子ども達一人一人の「いのち」を豊かに膨らませていくために、学校教職員みんなで取り組んでいきますので、保護者や地域の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
 未来を担う子ども達の健やかで豊かな育ちのために、京都にも大切な憲章があります。「京都はぐくみ憲章」です。これからも、内容について発信していきます。一緒に考えていきましょう。