学校日記

沈黙を聴く

公開日
2010/11/05
更新日
2010/11/05

校長室から

すっきりと晴れ渡った空。
校門のハナミズキの葉も一段と鮮やかさを増し,心が透明になる気持ちの良い朝です。

昨日,「授業実践力向上研修会」を開きました。
学力向上を目指すためには,一にも二にも授業改善,授業力向上を図ることが重要だと考えています。

そこで,昨日は現場でのご活躍はもとより,教育委員会内においても,研究や教員養成において多大なる業績を重ねてこられた講師の先生を外部からお招きし,「一人ひとりを大切にした授業づくり」というテーマで,ご講演いただきました。

お話は,深くてずっしりと重い内容でしたが,ご経験に導かれた具体的なお話は,明日からの実践につなげていけるとても有意義な内容でした。

中でも印象的だったのが,表題の言葉です。
言語能力を支える根幹は「きくこと」である。授業を成立させるために不可欠なこの力を系統的な働きかけで育ていきましょうと具体的に順を追って説明してくださいました。

お示しいただいた系統です。

1.「聞く」:静かに聞く→体を向けて聞く→心を向けて聞く(話し手の目を見てうなずきながら聞く)

2.聴く:主体的に心を向けて聴く→自問しながら聴く→心を聴く(話されている内容だけでなく,話し手の気持ちや思いを深く聞く)

3.沈黙を聴く:意識されながらも未だ表現されていない話し手の思いや願い,無意識のまま表現されなかった話し手の思いや願いを注意深く受け止めて聞く

『沈黙を聴く』・・・。
深い言葉ですね。まさにこれぞ慮りの極意というか・・・。

今,溢れる情報の中で,たくさんのものが聞こえ,見えています。
なのに,目の前で起こっていることですら,自分が聞きたいもの,見たいことにしか気づかない自己中心的な傾向が広がっています。

表現されていない,ましてや無意識の領域までもの,思いや願いを聴こうということはとても難しいことです。しかし,主体的にそうしたいと願いつつ聴こうとする態度こそが共感するということなんだと思います。

眼で聴く,耳で観るということについて,以前何かで読んだことがあります。

見える形も見えない心も,聞こえる音も聞こえない言葉も,重要なことを自分の五感を研ぎ澄ましてしっかりキャッチし,共感できる心豊かな子どもを育てていきたいと考えています。