校長の窓54(第44回卒業証書授与式)
- 公開日
- 2026/03/23
- 更新日
- 2026/03/23
校長室から
心配された雨もあがり、穏やかな気温の中、校門の桜も開花が確認される中で、第44回目の卒業証書授与式を予定通り開催することができました。大きく体調を崩すことなく、明るく元気に子どもたちは集まってきました。どんな卒業式にしていくのだろうか、とても楽しみにして式を迎えました。とても立派に誇らしい卒業式にしてくれたと思います。卒業生の姿に、保護者の方々のご支援、様々なところでサポートした教職員、在校生代表として参加してくれた5年生の姿、それぞれがよりよい式にしようをかかわっていただけたことが、まずはありがたかったです。PTAの方々にもたいへんお世話になりました。ありがとうございました。
式辞より
『・・・・(略) 小学校生活はどうでしたか?さあ、四月から小学校がはじまる、と楽しみにしていたり、少し不安になっていたりしていた時に、新型コロナウイルスが流行し、学校が休校となりました。入学式はできたけれど、そのあとしばらく学校はお休みと。楽しみにしていたことが何もできず、学校というところがよくわからないまま、時間は過ぎていきました。やっと始まった学校も、様々な制限の中での生活。なれないマスクをつけた生活、新しく出会った仲間の表情もよくわからない中での生活、当たり前が当たり前ではない生活に、我慢の連続だったと思います。よく我慢して、すごしましたね。
みなさんとは五年間、ともにこの学び舎で過ごしました。コロナの経験があるからなのか、制限が取り払われた今、みなさんはとても明るく、元気で、常に動き回っている印象でした。いいも悪いも仲間とのかかわりが積極的であるようにも思いました。また、声は大きく、表現も豊かでした。廊下もよく走っていましたね。反応も素晴らしく、朝会などでは、どこに皆さんがいるのか、すぐにわかるほどでした。個性があふれ、とてもユニークではありましたが、その分、個性のぶつかり合いが多く、時には、集団が落ち着かず、しんどい思いをしたこともあったと思います。しかし、学年が上がるともに確実に階段を上るように成長していく姿が見受けられ、たくましくなり、また、集団としてのまとまりも感じるようになりました。なにより、仲間を受け入れるやさしさにあふれていました。山の家での天狗杉登山、残暑厳しい中でしたが、みんなで励ましあいながら、運動が苦手な仲間を支えあいながら、初めはぶつぶつ言っていた仲間も、だんだん前向きな声に変り、完歩することができました。仲間とのつながりがぐっと深まった機会だったように思いました。
めあてやねらいを明確にできた時の行動力はとても素晴らしかったです。六年生を送る会や一年生を迎える会、運動会や学習発表会など全校で取り組む行事に責任をもって意欲的に取り組む姿には、多くの感動をもらいました。学年や異学年の仲間との活動の中では、しんどいことやつらいこともあったと思います。「いうこときいてくれない」「勝手なことをされる」など。しかし、それを大切な経験として学びとしたことが、今の目の前のみなさんの姿になっているのだろうと思います。
二〇二五年は戦後八〇年の節目の年。過去を振り返りながら未来を考える機会が多くありました。この機会を大切にし、みなさんは、学習発表会で「平和への誓い」として、熱いメッセージを川岡東の仲間に投げかけてくれました。平和を願う気持ちはみんな持っているはずなのに、互いの利害関係か何かで争いが起こります。今も、争いが絶えません。ほんとに悲しい思いがします。どこか、互いを思いやる姿勢や互いの命を大切に思う心が足りていないように思います。皆さんは学習を通して、戦争の歴史に向き合い、過去の人々に向き合い、未来について考えました。そして、自分たちの心の声として、学習発表会で訴えてくれました。「今ある時間を大切にして精一杯今を生き抜くことを」「人とのつながりを大切にし素直な心でやさしさをとどけあえる社会を」「過去から学び今日の僕たちの行動が未来をよりよくしていくことを」誓います。
感動しました。この言葉に責任をもってこれからの社会をたくましく生き抜いてほしいと思います。
いま社会は混沌し、先行き不透明です。紛争も絶えません。不安定で予測困難な社会の中でよりよく生きるためには、様々な情報に対して、しっかりと判断して行動できる力が求められます。まさしく、六年の学年目標「考動」が大切になってくるのでしょう。しっかりと考え判断して動く。この一年は、この言葉を常に意識しながら歩んでいった時間であったと思います。しっかりと意識して「考動」できましたか?しっかり考え行動するには、たしかな知識や情報をもっておかなければなりません。また、正しく判断するためには、人を思いやることのできる心が必要になってきます。しっかりと考えて行動しても、うまくいかないことやつらいことが続くことがあります。時には、未熟さからか、生きることがいやになることも出てくるかもしれません。
そんなときに「しくじり先生」が少しでも力になればうれしいです。六年生のおわりに、学年の先生からの声に対して、「しくじり先生」と題して授業をさせていただきました。私の六〇年の人生を、四五分、しゃべり続けた授業でしたが、その授業の中から感じたことや思ったことを書き留めてくれた内容には、とてもしっかりと考えて、話を聞いていてくれたことがわかり、ほんとうれしかったです。感想の多くに大事にしたいこととして、精一杯生きること、失敗を恐れないこと、あきらめないことなど、先生が想定していた以上に多くのことを感じ取った言葉がたくさんありました。前向きに生きる思いを表現してくれている人が多く、とてもうれしかったです。ありがとうございました。
そして、最後にお伝えした坂村真民さんの「二度とない人生だから」という詩。まさしく二度とない人生です、この人生をしっかりと築いていくのは皆さん自身です。小さな失敗や挫折は次への成功です。大きな失敗をしないために、よく考えて動くこと。いわゆる考動。そして、考動できるように学ぶこと。時には休んでもいい、時にふりかって歩いてきた道を確かめてもいい。でも、前を向いて、思いや願いを大切にして歩むことで道がひらけていきます。先生はそう思ってここまで生きてきました。この先、どうなるか、何が起こるか、そんなこと誰も知りません。わからないことに不安がっていても何も進みませんね。一生懸命生きていれば、何かが起こります、何かを得られます。人生、そんな悪いものではないし、誠実に一生けんめい歩めば、結構楽しいものだと思います。二度とない人生だから、しっかり楽しんで、充実させていきましょうね。
・・・・(略)・・・
では、卒業生のみなさん。最後に、聞いていいですか?こんな学校いやだ、っと言っていたこともあったでしょう。今の自分を見つめて、川岡東で過ごせてよかったですか?この仲間と出会えてよかったですか?川岡東で過ごせたことが誇りになっていますか?先生はみなさんと出会い、共に過ごせたこと、ここでの多くの出会いや出来事は誇りです。
過ごした時間に自信と誇りもって、歩んでいってください
期待して、応援しています。
この学校に過ごせてよかったですか、という問いかけに多くの子どもたちはうなづきました。うれしかったです。5年間、共に過ごした時間に感謝。そして、いつも感動をありがとう。仲間を受け入れるやさしさにたくさん触れることができ、うれしかったです。新しいステージでも「考動」忘れず、ますます成長していってください。
校長 岡本雅文