平成26年度研究の概要
- 公開日
- 2014/04/28
- 更新日
- 2014/04/28
研究
平成26年度研究の概要
■ 研究主題
主体的に学び,仲間とともに考えを深め合う子
— 「主体的に読む力」を育てる授業の構築 国語科 —
■ 研究主題設定の理由
<研究教科について>
昨年度より,「国語科」を校内研究の重点教科として研究に取り組んできた。読書量の不足からくる読み取りの浅さや,獲得している語彙が少なく,思いや考えを適切に伝えにくい本校児童の実態に対し,自ら問題を見出し,考えをもち,読み取ったことを伝え合い,練りあいながら学習を進めていくといった『言語活動』に集約される「読解力」「表現力」「コミュニケーション能力」に関しての力を育てていくことが大切だと考えたからである。これらの課題は,ジョイントプログラムや学力定着調査といった,狭義としての学力が定着しきれていないところからも考察できる。
「単元を貫く言語活動」を設定し,見通しをもち,子どもたちが主体的に学習に取り組むことや,小集団や全体での話し合い活動を通じた学びあいの場面設定。友達の考えを肯定したり,反論したりといった意見の相違を感じられる授業内容。「並行読書」を通じた,豊かな読書活動につながる授業構成など,『言語活動』をとり入れた学習の進め方は一定の共通理解ができた。一方で,初めて出会う文章に対して,主体的に読み進めることに自信を持てず,論理的思考・判断・表現力を伴って読み取ることに力を発揮しにくいこと。読み取ったことを要約してまとめる力や,論理的に考えを伝えられる力に関しても不十分だという課題が残された。また,読解力を基礎とした学力が他教科でも活用できているかといった点に関しても同様である。
そこで本年度も,「国語科」を校内研究の重点教科として,研究に取り組むこととした。
本校児童の実態として,社会の歪みの中で様々な課題を持たされ,本来の力を十分に発揮できていない児童や,自分に自信がないため,主体的な考えを持ちにくく,判断材料を適切に収集できないことで,より良い判断ができない児童,家庭の中や学校の中で自分の居場所を見つけることができにくいため,不安定な心を抱えている児童が存在している。これら自分自身に対して自信を持つことができにくい児童が,自己肯定感・自己有用感を持てるようにするには,低学年から物事を論理的に考え,自分の考えを伝えたり,友達の考えを自分の考えと比べながら聞いたりするといった,「学び合い」の中で,互いを認め合えることが大切だと考えるからである。
これら課題をふまえ,本年度も,論理的思考・判断・表現力を伴った読む力をつける授業を通じて,問題を見出し,主体的に問題解決に取り組み,自ら学ぶ力を醸成し,仲間と共によりよい人間関係を築きながら成長できる学習集団としての成熟を目指したい。そして,学び合う中で,国語科の学習内容に対する理解を深め,読解力を基礎とした学力を他教科でも活用できるようにしていきたい。
<「主体的に読む力」について>
本校で目指す「主体的に」学習する姿とは,一つの問題に対し,一人ひとりの子どもが問題意識をもって課題に向き合い,より高い段階へまとめていくことで,自分の考えを明確にしたり,広めたりして深め,その中に「学び合う楽しさ」を味わうことである。自分の考えと友達の考えを比較したり関係づけたりする中で違いを見つけた時,問題意識が生まれる。このことが「学び合い」をより活発にさせ,子どもたちはもう一度問題を見直し,自分の考えを改めて考え直そうとするだろう。また,友達に自分の考えを理解してもらうためには,自分の考えを適切に言葉に表現しなければならない。そのことが根拠をもって問題を読み取っていく力や筋道立てた考え。即ち論理的思考力を高めることに繋がると同時に,学習内容の理解も深まり,知識として定着すると考える。
■ 研究仮説
主体的に学び,仲間と共に考えを深めあえることを通して,読むことの楽しさを実感できれば,学力も向上するであろう。
※具体的な取り組み
各部と連携して,以下の取り組みを具体化する。
(1)各学年で研究構想をたて,学年部で「目指す子ども像」を設定する。
1 学年部の目指す子ども像
2 設定理由
3 仲間とともに考えを深め合う」授業にするための具体的な手立て
研究主題の子ども像を各学年の子どもの実態から捉え直し,その学年の目指す子ども像を考える。その目指す子ども像に迫るための「仲間とともに考えを深め合える」手立てを具体的に考え,実践する。
(2)校内環境の整備(言語事項に係る継続した掲示)
計画的な詩の掲示を行う。
(3)基礎的基本的な言語事項の習得
「ひらがな」「カタカナ」「漢字」など,当該学年で習得すべきことの指導を学年でそろえ,定着を保証できる方法を具体化する。また,言語資料を手元に残し,学習時に利用できる小
冊子(○○ブック(仮称))を全学年で統一して利用する。
(4)小集団での話し合い活動・全体交流など指導法を工夫
学び合いの場としてどのような形態が適しているのかを,単元のねらいや子どもの実態から検討する。(学級全体で,小集団で,小集団→学級全体,二人組で,など)また,小集団で
の話し合いを取り入れる際には,グループの構成,目的,話題,話し合いの進め方など,明確にできるようにする。
(5)表現力の育成
1 ノート指導
子どもが学習の積み上げを意識できるよう,できるだけプリント学習ではなくノート指導を進める。また,学年で統一した指導を行い,定着を保障できるようにする。
2 論理的な話し方・書き方の指導
言葉や話形を提示したり,相手意識や目的意識をもって話し合いができたりするような手だてを具体化する。
3 音読指導の活性化
(6)豊かな読書活動につなげる授業内容の工夫
並行読書を通じた授業構成を心掛ける。また,学校図書館を有効的に活用できる方法を考える。
(7)具体的指導方法の交流による,指導力の向上
「教師力アップ部会」と連携し,具体的な指導方法を交流したり,紹介したりすることで,指導力や資質の向上につなげる
5 学習の中で大切にしたいこと
(1)学習全般について
・単元を貫く言語活動の設定
・読書活動とのリンク(並行読書や多読)
・話し合いの形態(小集団・全体)
(2)国語科における読解力を伸ばす授業作り
<テキストを理解・評価しながら読む力を高めること>
1 児童と一緒に課題を設定することや,学習計画を立てることを重視する。
2 本文と挿絵,写真との関連や対応を重視した読みを位置づける。
3 内容と関連した図書から自分の読みたい本を探して読む活動を取り入れる。
4 紹介する,推薦する,宣伝するなど,テキストを評価する言語活動を核にして,自分の感想や考えを書く活動を効果的に取り入れる。
5 発表や言語活動を目的にして,その条件に合わせながら引用したり,要点をまとめたりするなどの読み方に慣れる学習を取り入れる。
<テキストに基づいて自分の考えを書く力を高めること>
1 テキストの内容の要約,紹介,再構成,自分の知識や経験と関連させ意味づけ,自分の意見を書いたり論じたりする。
2 短時間で字数を制限して(例えば,100字以内,200字以内など)テキストの内容や自分の考えを書きまとめる。
3 接続語,文末,繰り返し語句といった言葉を試写や音読を通じて着目する。
4 段落の要点を抜き出し書いたり,意味のまとまりごとの小見出しを付けたりして,簡単な図にまとめるなど,内容の整理を視覚的に行う。
5 テキストの様式を明確に意識し,相手や目的に応じて表現する。
<様々な文章や資料を読む機会や自分の意見を述べたり書いたりする機会を充実すること>
1 表現の特質をつかむために,様式の違う文章と比べたり,既習のテキストと比べたりする。
2 中核教材(教科書の物語文や説明文)に関連させ,新聞や雑誌記事,パンフレットや図表などを読む。
3 様々なテキストの様式を理解し,その読み方を工夫する。
4 自分の意見を支える根拠をしっかり掲示するために,複数箇所を引用しながら自分の考えを書いたり述べたりする。
5 決められた場面や時間の中で説明したり,報告したり,紹介する能力を育てる。
※参考文献 『読解力をめざした授業作り』(東洋館出版)
『新学習指導要領』(平成20年2月15日公表 文部科学省)