3年生のクロッキーから
- 公開日
- 2010/05/20
- 更新日
- 2010/05/20
UTANO prismatic art
木曜日の朝学習で取り組んでいるクロッキー(3年生)の紹介です。
日本でクロッキーといえば,短時間で描く練習とされることが多く「略画」「速写画」などと訳されています。
ちなみに時間をかけてじっくりと描くのを「デッサン」,風景など写生するのを「スケッチ」と使い分けられることが多いようです。
さて,上の作品はチューリップでしょうか?茎を巻き込みながらついている葉の様子がとても丁寧に観察されています。そして何よりこの子が魅せられたのは花の内部なのでしょう。きれいな色を使い,おしべの様子や色の移り変わりを繊細に描かれています。この子がこの花に「魅せられた」のは花が描かれた視点からもうかがえます。茎や葉が横からの視点なのに対して,花だけ真上からの視点になっています。つまり,この子は花の内部を描くときに,上からうっとりのぞき込んでいたのでしょう。だからこその繊細な表現になったのだと思います。色鉛筆を選びつつ,うっとりしながらも真剣にチューリップをのぞき込む子どもの姿が目に浮かびます。
次に下の作品です。これはパンジーでしょうか。花びらの色の変化やこれから咲くつぼみや葉がリズミカルに描かれています。花びらの数を数えながら描いたのでしょう,線がとても慎重です。
でも,この子にとって一番のジマンはなんといっても花の横にとぶチョウチョです。
これ実はサインの一部分なのです。この子は自分のサインの一部をチョウチョの形にしてみました。中の文字の部分は私が加工して消したのですが,アウトラインは残してあるので見ていただけると思います。
おそらくこのできあがった作品に「サインを入れる」ことは先生の提案でしょう。ほとんどの子が少し形を変えた文字を使って工夫されたサインが入っています。この子はきっと「花を描くんですよ。」という先生の提案を忠実に守りつつも,何とかして自分が描いた花の世界にチョウチョをとばしたいという夢をこんな形で実現させたのだと思います。
サインを入れ終わった後の,この子の会心の笑顔が見えてくるようです。
先生のひと工夫で子ども達の表現は無限大の可能性を秘めながら広がるのです。