できることを全力で
- 公開日
- 2011/05/02
- 更新日
- 2011/05/02
校長室
5月 月輪だより
福島県福島市に、同じ名前の「月輪小学校」があります。偶然のことから、そのことをお互いに知り、昨年度の6年生は、学校を紹介しあうという交流をしてきました。
3月11日に、福島の月輪小学校も強いゆれに襲われました。震度5だということですが、ゆれている最中は死を覚悟したそうです。5分間ものゆれは、とてつもなく長く感じたそうです。ようやく運動場に避難したとき、女の子の多くは泣きじゃくっていたそうです。幸い全員無事で、校舎も大きな損傷はなかったのですが、今度は原子力発電所の問題が起こりました。その影響で、卒業式も延期になり、新学期は違う学校に間借りし、かなり遅れて始めたそうです。
本校からは、保護者の協力もあり、鉛筆を送らせていただきました。
当たり前のように学校が始まり、当たり前のように勉強ができる。このことがこんなにも幸せだとは思いませんでした。
今、われわれにできることは、できることを全力ですることです。子どもたちは勉強を全力で、運動を全力で、仲間とともに活動することを全力で。そのことが、被災地の皆さんを安心させることになるのではと思います。そして、もっともっと素晴らしい日本をつくっていきたいものです。
明治、大正、昭和をたくましく、立派に生き抜いた一人の女性がいます。中村久子さんといいます。久子さんは2歳のとき、とても大きな病気にかかり、何度も何度も手術をして、両手両足のほとんどを失いました。久子さんはあるとき、自分の心境を詩にしました。
ある ある ある
さわやかな秋の朝 「タオルとってちょうだい。」 「おーい。」と答える夫がある
「ハーイ。」という娘がいる
顔を洗う 短いけれど 指のない 丸い 強い手が 何でもしてくれる
やわらかい腕もある 何でもしてくれる 短い手もある
ある ある ある みんなある さわやかな秋の朝
久子さんは、炊事、洗濯、裁縫、身の周りのことなどは全てしてきました。
「ない ない ない」ではなく、「ある ある ある」の久子さんの言葉は、ついないものばかり探して不平不満を言う、私たちへの警鐘です。
物の豊かさや便利さの中で、自分を見失わず、あるものへの感謝の気持ちを忘れず、そしていつも「自分はどうするべきか」を自分で考え、行動していくことが、これからはとても大切だと思います。