卒業式 その5
- 公開日
- 2013/03/15
- 更新日
- 2013/03/15
校長室から
本日の式辞を掲載いたします。
式 辞
東山の峰峰を渡る風にもさわやかな命の息吹を感じるこのよき日に、多数のご来賓の方々、保護者の皆様方にご臨席を賜り、東山開睛館第二回卒業式が、かくも盛大に開催できますことに、心より感謝致しますとともに、お慶び申し上げます。
ただ今、七十四名に卒業証書を授与しました。正に本校創設期にその礎を築かれた栄えある皆様であります。本当にご卒業おめでとうございます。
振り返れば、皆さまは今をさかのぼる九年前の平成十六年の四月に、白川・新道・六原・清水・東山の各小学校に入学されました。さらに進まれた洛東・弥栄の各中学校からこの東山開睛館へと歩みを進められました。
この度、これからおそらく二十二世紀まで世紀をまたいで引きつがれる、この東山開睛館の礎を築かれ,めでたくご卒業を迎えられますことを心よりお慶び申し上げます。
皆様はわが校が責任と誇りを持って世に送り出す生徒であり、特に皆様の学業成績は,学年として全市トップレベルであり,格段に努力をされた学年であったといえます。その栄えある皆様方との別れに際し花向けの言葉として夢と志についてお話をいたします。
本校は、「夢と志を育む」教育を標榜しています。有名なウイリアム・スミス・クラークの言葉に、「少年よ大志を抱け」という言葉があります。けれどこの言葉に続きのあることをご存知の方はあまり多くはないようです。
少年よ 大志を抱け!
お金のためではなく
私欲のためでもなく
名声という空虚な志のためでもなく
人はいかにあるべきか、その道を全うするために、大志を抱け
志は私利私欲に基づいてはならない、大義に基づく人としての生き方を全うするための志を立てることの大切さを説かれたのだと思います。
このように、夢と志は随分と異なる概念であり、夢を描くことは志を立てるための第一歩なのではないでしょうか。
お金持ちになりたい。
プロ野球選手になりたい。
おいしいものを一杯食べたい。
皆さんもこのような夢を描かれたことはないでしょうか。
ではその夢を実現するためにどうすればよいのでしょうか。
先日、本校に沖縄から島袋勉さんがおみえになり、四年生から八年生に「夢をあきらめない」というテーマでお話をしていただきました。
島袋さんは沖縄に生まれ、二十歳で会社をつくられました。三十八歳の時、社用でアメリカに行かれた帰り、成田空港の近くの踏切で、貧血で倒れられた際に後頭部を強く打ち意識をなくしてしまわれました。
電車にはねられ、気がつくと病院のベッドの上、両足とも膝から下を無くされていました。
そんな島袋さんはマラソンに挑戦され、ホノルルマラソンでの完走をはじめ、世界各地で開催されている国際マラソンにも多数出場されています。
私が島袋さんをすごいと思うところは富士山への登山に集約されています。
二〇〇七年に富士山に初登山されました。普通富士山への登山は五合目までバスで行き、そこから山頂までの標高差約千五百メートルを登ります。両足とも義足での登山はとても過酷なものでしょう。けれど島袋さんの素晴らしいところはこれで終わらないところにあります。
あくる年には五合目からではなく、麓の一合目から標高差約二七〇〇メートルを登られました。
そして、さらに三年後には海抜〇メートルの駿河湾から標高差三七七六メートルを自転車と徒歩で登られているのです。
一つの夢、目標が達成できたなら、次の目標をつくる。それも確実により困難な目標を立て、その実現に向けて努力される。
この姿勢から学ばせて頂くことはとても多いのではないでしょうか。
夢を描き,その達成に向けて少しずつ努力を重ねる。そしてその夢の向こう側に見るもの、それが志であり、志を立てるということではないでしょうか。
卒業生の皆様お一人お一人の描かれる夢の実現に向けて、その実現への道筋をじっくりと考えてください。あきらめさえしなければ道筋を変えることは何も問題ではない、ですから夢をあきらめずにじっくりと取り組んでください。そして、その実現に向けた生き方が、単なるお金のためではなく、私欲のためでもなく、名声を得るためのものでもない。人はいかにあるべきか、そのことを卒業されてからも考え抜いていただき、やがて志を「大志」とされて、社会で活躍されんことをお祈りいたしております。
さて、子どもたちの晴れ姿に感慨ひとしおの保護者の皆様、長くもあり短くもあった九年間の義務教育を終えられ、今日を迎えられましたこと、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。本校での二年間の学びを終え、いよいよ次のステージへとすすまれます。開校からの二年間、教職員にとりましては生徒や保護者の皆様方のお顔とお名前を覚えるところからのスタートでございました。誠に至らぬ点も多々あったかと存じます。卒業後も時には良き相談相手として、支援をさせていただきたく存じます。
また、ご家庭におかれましても、なお一層、親子のコミュニケーション、心の絆を大切にされ、子どもたちを温かく支え励ましていただきますと共に、これからも地域人として、本校に対するご支援を引き続き賜りますようお願いいたします。
結びになりましたが、ご来賓の皆様方には、公私ともご多忙の中、多数ご臨席を賜わり、誠にありがとうございます。子どもたちが逞しく巣立っていくことができますのも、皆様方がそれぞれのお立場からご支援ご協力をいただきました賜と、心より感謝申し上げます。これからも地域で生きていく卒業生を、地域の、そしてみなの宝と思い、今後とも温かく見守り、励ましていただきますようよろしくお願い申し上げます。
卒業生の皆さん。卒業は新しい旅立ちです。皆さんのご活躍を大いに期待しながら、前途を祝して、式辞といたします。
平成25年3月15日
東山開睛館 校長 初田 幸隆