今日5日,京都市総合教育センターで京都市中学校弁論大会が開かれました。
この大会は今年で52回を数えますが,そのうち11の大会で弥栄・洛東の両校が最優秀賞を獲得するという,開睛にとっても縁のある大会です。
基準弁論を含めた17本の主張は,それぞれの体験や見聞を通しての思いが,きらきらとした言葉で表現されていました。
その中で開睛中から出場した8年の山中梨紗子さんは,東京で遭遇した地震に取材し,それを機に考えたことを発表してくれました。肩に力の入っていない,中学生らしい文章が,語りかけるように発せられる澄んだ声に乗せられると,するすると聴き手の心にしみこんできます。会場は,息をするのもはばかられるほどに静まり,聴衆が主張に聞き入っているのが,手にとるようにわかりました。
そして結果は...見事3位に相当する「会長杯」!
皆さんも,ぜひ山中さんの主張に触発されて,笑顔あふれる全力の生活を目指してください。
「今日が最後の日」 山中 梨紗子
皆さんは笑顔で暮らしていますか。3月11日に東日本大震災が起こり,多くの
人がなくなりました。津波で家や自動車が流されていく映像を,テレビで何度も見ました。9月には台風15号で,多くの方が被災されました。放射能の問題もあります。放射能は風に乗り,梅に流され,今では,日本だけの問題ではなくなってしまいました。円高,株安,長引く不況,アメリカ,イギリスではデモも続いています。世界には問題が山積みです。これから世界は,どうなってしまうのでしょう。政治的なことは,私にはよく分かりませんが,3.11以降日本中から笑顔が遠のき,日本が大きく変わってしまったように感じます。私も東京で地震にあいました。3月まで東京の女子校に通っていた私ですが,それまでの価値観は地震と共に崩れさり,「明日死ぬかもしれない」という言葉が頭をよぎるようになりました。震災前には真剣に考えたこともなかったことです。明日も明後日も明明後日も,時間は永遠に続いていくと感じていました。友達との楽しい時間,家族との大切な時間,私の時間はまだまだあると思っていました。だから,「明日頑張ろう」「明日から一生懸命やればいい」と何でも先送りにしてきました。先日なくなったアップル社のスティーブ・ジョブス氏は,「今日が最後の日」と思って毎日を過ごしていたそうです。そう思うことで,生活の中の余計なことをそぎ落とし,難しい仕事の判断も,スピーディーに行えたそうです。「今日が最後の日」だと思ったら,なんでも頑張れると思いました。なんでも出来るように思えました。人にも優しくなれると思いました。笑顔でいられるように努力しようとも思えました。不思議なことに自然と力も湧いてきました。「今日」が「最後の日」と思うことで,「今日」という日が明日へと続く「希望の日」になるのだと気付きました。私は今,希望に燃えています。転校生の私をすぐに受け入れてくれた楽しいクラスの友達がいます。一生懸命になること,頑張ることをためらっていた私の背中を押してくださった担任の先生もいます。一生懸命頑張った人は必ず笑顔です。なでしこジャパンもそうでした。なでしこジャパンの笑顔は日本を明るくし,希望を与えてくれました。一日一日を精一杯生きることは正直疲れます。力も抜きたくなります。でも,皆が「今日が最後の日」と思って全力で生きることができたら,きっとそこには笑顔が増え,日本から世界へ希望の光が広がっていくのではないかと思いました。