児童期の心理的特徴と子育て(高学年 小学5・6年生)
- 公開日
- 2013/12/02
- 更新日
- 2013/12/02
校長室から
小学5・6年生では, 児童会などの自治活動の担い手として活躍します。上級生として,下級生の面倒を見るといった様々な場面でリーダーシップを発揮するようになります。一人っ子の世帯が増えたので,学校での縦割り活動は,近年,重視されています。
学習内容が高度になり,教科の好き嫌いが明確になってきます。性差が見られ,男児では算数・理科・体育が,女児では,国語・音楽・家庭科などが好きな教科に挙げられています。家庭での学習は,1〜2時間程度は必要です。教科によっては,復習だけでなく,少しだけでも予習が必要となる場合があります。意味の分からない言葉や読み方の分からない漢字を国語辞典や漢和辞典を使って調べることもお勧めします。
思春期の入り口にあたり,第二次性徴が始まります。男児の精通や女児の初経(初潮)が起こるとともに,男性的あるいは女性的な体つきになっていくという変化が起こり始めます。しかし,第二次性徴の発現には,かなり個人差があり,早い子どもも遅い子どもも戸惑いをいだくことがあります。同性の親として,ご自身の経験を踏まえて語り合うことが求められます。養護教諭の先生に相談することもよいでしょう。
男児では変声が起きることが多く,音域が下がったり,声がかすれたりして,歌を歌うことを避けたがる傾向が見られ,音楽が嫌いになってしまうこともあります。無理をして声を出さないようにすることも必要です。
小学5・6年生頃から,第二次反抗期に入ります。親や教師,権威に対する反抗が起こりますが,個人差が大きく,ほとんど反抗的な行動を示さない子どももいます。保護者は,腹を立てて叱責することもありますが,側で見守りつつ,必要な場合は,アドバイスをするのが良いでしょう。視点を変えれば,自己主張が強くなる時期だと言えます。親から自立したいという気持ちが表れ始め,心理学でいう「心理的離乳」の時期です。
クラスの中では,男女間で対立が起きることがよくあり,さらに同性の間でもいくつかの小グループに分かれて対立することもあります。些細なことがきっかけで,「いじめ」が起きることもあります。持ち物を隠す,殴る,蹴る,裸にする,冷やかす,悪口を言う等の行動がありますが,女児の「いじめ」は,男児に比べると,仲間はずしや無視と言った心理的な「いじめ」が多く,担任の先生でも気付かないことがあります。加害者は,遊びやふざけ,からかいと言った認識で,「いじめ」という行動の問題性を自覚していないことが多く見られます。小学生の「いじめ」は,学年の進行とともに増加していく傾向があります。
「いじめ」を受けた子供は,口数が急に少なくなったり,元気がなくなり食欲が低下したり,不眠になったりすることがあります。登校しぶりや学力低下がみられることもあります。家庭で我が子が「いじめ」を受けていたことが分かった場合は,すぐに担任の先生に相談するとともに,「全力であなたを守ってあげる」というメッセージを子どもに伝えることが大切です。
不登校も,高学年の子どもでは多く見られます。文部科学省は,「不登校は特定の子どもに起きるのではなく,どの子どもにも起きうる」という考え方に立っています。2010年度の文部科学省の「児童生徒の問題行動生徒指導上の諸問題に関する調査」によれば,不登校者数は,小学1年で1076人,小学3年で2621人,小学5年で5775人,小学6年では,7433人,中学1年で2万2052人となり,学年の進行とともに増加していき,中学生になると急増します。小学校の不登校の場合,そのきっかけとしては,不安などの情緒的混乱が一番多くて30.2%,次いで無気力が20.4%,親子関係をめぐる問題が19.1%と続きます。
不登校の始まり,(登校しぶり)のサインは,頭痛・腹痛・体調不良などの身体的変化,遅刻・無断欠席,学習意欲・学力の低下,忘れ物の増加,無口や友人と遊ばなくなるなどです。登校しぶりの段階で,対処すれば悪化を防ぐことができます。担任や教育相談担当の先生,スクールカウンセラー(中学校に配置されています,要請すれば小学校も相談することができます)に相談すると良いでしょう。