学校日記

校長の窓35(第113回卒業証書授与式)

公開日
2021/03/23
更新日
2021/03/23

校長室から

 少し肌寒い朝となりましたが,天気に恵まれた日となりました。本日(3月23日)第113回目の卒業証書授与式を執り行うことができました。なんとかここまでたどりつけた,という感じの朝となりました。
 今年度は,新型コロナウイルスの関係で多くの行事や取組が中止や延期,縮小などされる中の1年でした。昨年度につづき,今回の式でも,保護者は2名まで,来賓も運営協議会の理事様と限定,来賓の祝辞もなく,市長や教育長の祝辞も代読をせず,掲示としました。卒業証書もクラス代表に渡すこととし,門出の言葉は代表児童の決意の言葉に変え,歌を歌うことができず,国歌も校歌も静聴,当然6年生の歌声を聞くこともできませんでした。しかし,今回は5年生にお手伝いいただきました。代表12名が参加し,他の児童は,教室でリモート参加。準備や後片付けも5年生が率先して取り組んでくれました。保護者の方にはご理解,ご協力をいただき,本当にありがたかったです。式辞でも述べさせていただきましたが,今年度の取組にご理解,ご協力をいただけたことが何よりうれしく,感謝の思いです。思いは式辞辞で述べさせていただきました。

『〜略〜 さて、私は皆さんと五年間、この学び舎で共に過ごしました。私の皆さんの印象は、与えられたことには責任をもって取り組む、男女かかわらず共に活動ができる姿でした。どちらかというと、あまりことを荒げずにその状況をたのしむことができるという感じでした。まじめで、落ち着いた姿は素晴らしく感じましたが、その反面、本当はどう思っているのだろう、大きく逸脱することなく行動はしているが、納得し考えて行動できているのだろうか、と疑問を抱くこともありました。先行きが見通せないことには躊躇してしまう、自ら考えて行動するよりかは、指示をされてゴール地点がわかればそれに向かって一生懸命取り組むという姿を感じました。また、人との関りについても、穏やかに接することができ、すばらしいのですが、深くつながることに不安を感じているような気がしました。あるいは、一部の力の強い者がいると、それに同調してしまうのではないかという心配を感じたこともありました。
 学年が上がるごとに、人ととかかわる機会が増える中で、さまざまな活動に参加し、挑戦する姿や人と深く関わり合おうとする姿が高まっていったように思います。勇気をもってチャレンジする姿も多くみられるようになってきたと感じました。
特に、今年一年の経験が大きかったのではないでしょうか。先行き不透明な社会といわれ、今、まさにそのことを示しているかのような出来事が起こっています。先の見通しが明確ではありません。見えないものに対して,常に行動のとり方を考えていかなければなりません。自分の行動が大きく周りの人に影響を与えてしまう可能性があります。だからこそ、個々の生き方が問われているときかと考えます。
 大きく取り組みが変わった行事、特に体育科学習発表会や学習発表会で、状況に応じて、ねらいの設定を変更し、新たな目標を設定して挑戦しようとした姿、その切り替えが一つの成長につながっていると感じました。そして、想い込めた歌声や姿には大きな感動を覚えました。ありがとう。
 まさしく、本校が大切にしている「人とのつながりや心身の健康を大切にし、これからの社会を創りだす子ども」それを実践しようとした一年ではなかったかと思います。
2月の学校だよりで、アフガニスタンで活躍された中村哲医師が大切にされていた言葉についてお伝えしました。「一隅を照らす」。平安時代に活躍された僧侶、最澄の言葉です。一隅とは、一角、片隅、今自分がいる場所。自分の置かれている場所や立場ということになるのでしょう。照らすは、まさしく光をあてる。そこにいる自分が光り輝くようにすることでその場所を光らせることにつながります。わたしたちが生活をしているところは、決して世界の中心ではなく、限られた空間、世界の一角、片隅となるでしょう。そうすると、世界とは、それぞれの片隅がつながって大きな社会、世界ができていることになるかと考えます。「一隅を照らす」とは、自分が生活をしているその片隅の中で真摯、誠実に精一杯生きることで、その場所に光をあて、一人ひとりの輝きが、明るく輝きある社会の実現につなげることかと考えます。
 その実現に向けては、本校の校訓が大きな意味を持つと考えますので、その三つを確認しておきたいと思います。

一つめは「主体性」です。
自ら目標を立て、その目標に向かって自らが歩みだす、動きだす力です。主体的に、この社会の一員として、この社会を創りだそうとするその思いや行動が、よりよく生きていくことにつながっていくのでしょう。勇気をもって、ちょっと上を目指して頑張っていければ、きっと豊かな生き方につながると思いますよ。

二つめは、「自律、自分を律する力」です。 
自らの生活や人生、地域・社会をよりよくするために、時と場に応じた正しい判断ができる力のことです。どのような場面でも、どのような状況であっても、置かれている状況をしっかりととらえ、正しく判断して行動することで、よりよい生き方につながります。自分を律する力を高めるには、しっかりと判断できる力、判断するための学力や知識、考えられる力が必要です。学習だけでなく日々の生活の中からも多くの学びを通して、自律する力を高めていってください。

三つめは、「つながり」です。
人は一人では生きることができません。多くの人とのつながりの中で、自分は生かされています。そして、ここまで多くの人が皆さんにかかわり、その方々の思いや願いの上で、成長することができました。まずは、今日のこの日を、保護者の方、家族、地域の方、友達、先生方がいて、むかえられたことに感謝してください。常に、感謝の心を忘れずに、そして、自分も感謝される人でいられるように、自分を素直にみがいていってほしいと望みます。

先日、春の高校野球が開催され、今熱い戦いが甲子園で繰り広げられています、その選手宣誓の言葉の中に、「感謝、感動、希望」という3つの言葉とともに、「これからの一0年、私たちが新しい日本の力になれるように、歩み続けます」という言葉がありました。みなさんも、これからの社会の中で、自分が所属する社会の一員として、その社会の力となれるよう、自らを高めていかれることを期待します。〜略〜』

 とても立派な姿で式に臨んだ卒業生であったと思います。そして立派な式にしていったと思います。昨年度,卒業式の経験をしていないのに,どんな態度で臨むべきか,どんな姿で出席するのか,明徳校の伝統をしっかりと受け継いでいた姿であったと感じました。子どもたちの歌声を聞いていただきたいと,録音をしたCDを画像とともに聞いていただきましたが,やはりこの子どもたちの思いのこもった歌声を直接聞いていただきたかったと思います。表現したいことがしっかりと表現できるそんな世の中に早くしていきたいとあらためて思いました。

 保護者代表の謝辞,ご遠慮いただいたのですが,保護者の方から謝辞をいただきました。本来ならば,式の後,私の方からそのお礼を言わなければならなかったのですが,しっかりとお伝えすることができていませんでした。誠に申し訳ありません。謝辞はしっかりと受け取っております。教職員にも私の方から代読させていただきます。本当にありがとうございました。