夏みかん
- 公開日
- 2016/02/01
- 更新日
- 2016/02/01
校長室の窓から
冬の京都もやはり風情があるな…なんて考えながら,高瀬川の近くを自転車で走っていたときのことです。お地蔵さんを少し過ぎたところに,まるでそこだけ明るい光が投げ込まれたような,鮮やかな黄色のかたまりが目に留まりました。「ダイダイかな?夏みかんかな?」横目で見ながら目的地へ向かいました。
用を済ませての帰り道,あの鮮やかな黄色をもう一度見たいと思い,同じ道を通ることにしました。その果物の下には新聞紙がていねいに敷いてあります。その横には張り紙がありました。
[夏みかんがたくさんなりました。どうぞご自由にお持ち帰りください。酸っぱいので,少し甘みを加えて食べてください。]
「夏みかん…なんだか懐かしいな。」と思って一つ手に取ると,下の方から声がしました。
「いくらでも持って帰ってや。大きいやろう。」
「立派ですね。たくさんできたのですね。いただいていいのですか?」
「年寄り二人で暮らしてるから,食べ切れへんねん。もったいないし,みんなに喜んでもらうほうがええしなあ。横に袋も置いてあるで。いっぱい持って行って。」
その後は「なぜ夏みかんというのか」「砂糖をかけてもおいしいけど,おすすめはヤクルト。ヤクルトをかけると何とも言えずおいしい」「おいしく食べるための貯蔵方法」など,夏みかんに関することをたくさん教えてくださいました。私はお言葉に甘え,3ついただいてお礼を述べて帰りました。
相手を思いやって心を込め,自分のできることをする。簡単そうで難しいことです。不十分なマンションの基礎の杭の話,廃棄するべき食品を転売した事件,守るべき事項を守らずにバスを運営して事故を起こした会社…暗いニュースが多い世相ですが,自分ももう一度その原点に立ち返って毎日を過ごしていきたいと感じました。
ちなみに夏みかんの収穫は地域によって今でもできるが,4〜6月ごろ酸味が抜け,おいしくなるので「夏みかん」。正式名は「夏だいだい」で,家で保存する場合は個別にラップして冷蔵保存だそうですよ。