「ディズニーランドの3・11」
- 公開日
- 2016/01/17
- 更新日
- 2016/01/17
校長室の窓から
忘れてはいけない3月11日。ディズニーランドにも大きな揺れがおそいました。地震発生後40秒。人々がパニックになりそうになったとき,場内アナウンスが流れ,キャスト(ディズニーランドのスタッフ)が冷静に行動します。
「地震の状況や園外の状況は,確認でき次第お知らせします!」
「どうぞその場から動かず,お座りになってください!」
「頭を守ってしゃがんでください!」
あるキャストは売り物のぬいぐるみをゲスト(客)に差し出しました。
「これで頭を守ってください。」
パレード中であった園内では,パレード車も緊急停止。乗っているミニーや妖精たち,キャラクターを演じている外国人の人も自分では車から降りられない状態です。しかし,救出されるまでの約1時間,彼らは来園者たちに手を振り続けたのです。夕方には雨が降り出し,気温も10度まで下がってきます。店頭販売のクッキーやチョコレートを無料で配布するスタッフもいました。防寒用にと,大きなお土産袋を配るスタッフもいます。
「皆さん,お土産袋はお持ちですか?お土産袋には隠れミッキーがいますよ。」と,心のケアも忘れてはいません。
夜を迎えましたが,交通機関がマヒしているため,約2万人が帰れなくなってしまいました。建物の中にゲストを入れたいところですが,ディズニーランドはまだ安全確認が済んでいません。そこで先に安全確認が済んだディズニーシーへ移動してもらうことになりました。本来ならランド→シーへはディズニーリゾートラインという乗り物を使います。しかし,停電なので動かせません。
そこで,開園以来守ってきた掟を破ります。「バックヤード」という従業員専用の通路を開放し,ゲストを通すことにしました。ところが,その通路は配線や基板がむき出しになった工場のような空間です。「夢の国」にはふさわしくありません。
ところが扉が開いたとき,ゲストは息をのみます。数百人ものキャストがペンライトを片手に両サイドに並び,光の道を作っていたのです。支給された毛布を使用し,2万人は無事に夜を過ごしました。ディズニーの長い一日はこうして終わったのです。