最新更新日:2024/05/20 | |
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1年生EEP特別講演会を行いました!
1月7日(水)休み明け確認テスト終了後の11時50分から,7階大講義室にて,1年生全員に特別講演会を行いました。
講師は株式会社「千總」代表取締役社長の仲田保司様で,颯爽と和装でいらしてくださいました。また,実物を是非見てもらいたいということで,染める前の白生地,振袖・訪問着・色留袖・明治〜昭和時代にかけての裂見本帳等,大変貴重なものをたくさんお持ちくださいました。 株式会社「千總」は,弘治元年(西暦1555年=川中島の戦いがあった年)創業の460年に及ぶ長い歴史を有する老舗であり,「友禅染呉服製造卸」として揺るぎない地位を誇り,伝統を守ると同時に常に時代が求めている新しい価値の創造にも積極的に取り組み,変革を続けている企業として世界にその名を知られている会社です。 今回は50分という限られた時間でしたが,「きもの」についての基礎的な知識,友禅染の工程や京都で友禅染が発達した秘密等について,「なぜ着物は日本の民族衣装と言われているのか」「着物を着るとどんな気持ちになるか」「なぜ場面によって着るものが違うのか」などの生徒たちへの問い掛けを交えたり,制作工程のビデオも流したりしながら,実物もお示し下さり,さらに「千總」の経営理念についても,高校生にもわかりやすくお話し下さいました。 衣服は自己を表したり相手への敬意を表したりと「着る人自身の気持ち」を語るものである,七五三や成人式等の「晴れ着」に込められた思い,「よきもの」を生み出す土壌,京都の文化的蓄積,着る人の思いをしっかりと理解できる教養・センスの大切さ,また「伝統とは,『守る』ことではなく『創る』こと」・・・多くの示唆に富む御講演でした。 質疑応答では,生徒たちから,着物一反を作るのにどれくらいの人手と時間がかかっているのか,着物のこの「形」はいつごろからあるのか,防染のための糊でゴム糊を使うとおっしゃっていたが,江戸時代にはどのような糊を使っていたのか,等の質問が出されました。仲田社長は,「1枚の着物は,15〜20人程の職人が,長いもので約半年から1年の期間をかけて作っている」「ゴム糊が使われるようになる以前は『もち米糊』を用いて,工程も今とは一部異なっていた。染料も合成ではなく自然のものを使っていた」等,それぞれの質問に対して丁寧にお答え下さいました。 終了後,生徒たちは展示していただいている着物や生地を見学したり手触りを確かめたりしながら,仲田社長や,お越し下さっている千總制作本部の方に,「着物の種類によって素材の感じが異なるのはなぜですか」等,色々と質問をしていました。 生徒の皆さんには,日本文化の精華の一つである着物について学んだことを一つの契機として自らの文化について理解を深め,それを基盤として,3月の海外フィールドワークでさまざまな国や地域の人々と交流を行う際に,文化・風習等の相違点やそれぞれの良さについて考えを深めてもらえればと思います。そして,常に新たなものに挑戦し,作り出す気概を持ち続けてください。 お忙しいところ,沢山の貴重な着物をお持ちくださり御講演下さいました仲田社長をはじめとする千總の皆様方に,御礼申し上げます。誠に有り難うございました。 |
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