最新更新日:2024/04/30 | |
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1年生特別講義を行いました!
9月13日(土)11時50分から,7階大講義室において,1年生全員を対象としたEEP特別講義を,今回は京都大学の「高大連携事業・学びコーディネーター大学院生による出前授業」として実施いたしました。
講師は,京都大学大学院人間・環境学研究科・博士後期課程の塚本明日香先生で,「平安京の都市計画」と題して,約60分間御講義を行って下さいました。 文理選択を控えた1年生対象ということで,まず自己紹介を兼ねて高校から大学の頃のお話をしてくださいました。塚本先生は,小学生のころに横山光輝氏の『三国志』にはまったことをきっかけに,中国や日本の古典に興味を持つようになられたそうです。高校時代の文理選択では理系で,進学も理系の心づもりだったそうですが,京都大学総合人間学部なら入学後の専門は自由ということから,こちらへの進学を決意されました。入学後は中国史と地学を専攻され,東洋建築史を御専門として,特に「中国正史災異史料の中に見られる建物描写の変遷」をテーマに研究活動を行っておられるそうです。 また,平安京の〈居住と住宅〉研究会にも参加され,「国際観光都市・京都を知る」というテーマで大学でも講義を行っておられるとのことで,今回はそれをベースにお話し下さいました。 まず,京都の町が人為的な意図によって大きく作り変えられたことは3度(桓武天皇の平安京遷都,豊臣秀吉による京都改造,第二次世界大戦中の空襲対策)ある,ということについて簡単に御説明くださり,今回のテーマである「平安京遷都」にお話しが進んでいきました。平安京以前の状況,遷都の政治的背景,長岡京と平安京,陰陽五行思想という当時の最先端科学によって四神相応の地に「天円地方」(天は丸く大地は四角い)の考え方からグリッドプランに基づいて右京(長安城)と左京(洛陽城)が造られたこと,などをクイズを交えて丁寧にお話し下さいました。 そして,研究方法の一端を紹介ということで,生活圏がだんだんと左京に移っていったことを調べるには,貴族の日記から火災の記事を抜き出して場所を特定し,地図上に落とし込んで分布の推移を見るという方法があり,実際にこの方法で作成された図表を示しながら説明して下さいました。 終了後も質疑応答や追加の余談などもして下さり,生徒たちは興味深く聞いていました。 生徒の感想です。 ・1年生では日本史の授業がなく久しぶりで,また「京都」について新たな発見があって面白かったし,わかりやすい講義でした。 ・自分たちが住んでいる地域なのに知らないことが一杯あって,すごくためになりました。 ・歴史は深く学べば学んだだけ他の事とも結びついて面白くなるんだなと思いました。 ・海外フィールドワークを3月に控えている私たちにとって,まず自分たちのことを知る大きなきっかけとなりました。もっと京都や日本のことを知っておきたいと思いました。 ・先生のように,自分から「学びたい」と思うものをこれから見つけていきたいです。 この御講義を通じて,学問研究の世界の一端に触れるとともに,日本文化の中心地であり,自分たちが暮らすまち「京都」の成り立ちについて知るよい機会となりました。塚本先生,お忙しい中御講演下さり,有り難うございました。 |
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