最新更新日:2024/04/30 | |
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7月27日 命と時間
懇談2日目です。保護者のみなさま、足下の悪い中、学校に足を運んでいただき、ありがとうございます。明日以降もよろしくお願いします。
さて、今日は少し長くなりますが、読んで欲しいと思います。 『路傍の石(ろぼうのいし)』という小説があります。これは、山本有三さんの代表的な小説で、1937年に『朝日新聞』に連載され、映画にもなった作品です。 その作品の一部が、『吾一と京造』という道徳資料として活用されています。 あらすじはこんな内容です。 朝学校に行く待ち合わせ時間に秋ちゃんがこない。遅刻してはたいへんだ。吾一は先に走って学校に行くと、友達はみんなついてきて学校に間に合った。しかし、京造だけは秋ちゃんを迎えに行き、一緒に遅れて登校した。先生に怒られる二人。だが、京造は怒られてもいいわけをしなかった・・・。 吾一の取った行動は、果たしてどうだったのか? 「吾一の行動はいいわけない!」と批判するのか? いや、「吾一は遅刻しなかったのだから」と弁護するのか? 吾一は一人で先に行ったわけではない。 みんなは吾一についてきた。 だが、それでいながら、草の葉のようにゆれる吾一の心・・・。 なぜ吾一の心は、ゆれていたのだろうか?多くの人は、ルールを守るのが大事だと言われて育っている。しかし、ルールを守っても、仲間のことを大事に出来ないのはどうなのか?ここは気持ちが揺らいで当然かもしれない。 「本当の友情とは」・・・? そんなことを考えさせてくれるのが、『吾一と京造』物語です。 このことを思い出したのは、先日の朝、M先生からかかってきた電話がきっかけでした。 もしもし、太秦中学校ですか。おはようございます。○○です。実は今日の朝、通勤途中に、猫が車にひかれているのを見かけました。 時間が気になったので、通り過ぎてしまったのですが、あの猫はまだ生きていました。やっぱりこのままではいけないと思うんです。勤務時間には少し遅れてしまいますが、戻って猫を見てやりたいんです。今からなら、授業開始の時間には間に合うと思います。 このような内容でした。 連絡を終えた先生は、猫がひかれていた場所へ戻りました。 すると、猫はいませんでした。きっと同じことを思った誰かが、病院に連れて行ってくれたのでしょう。 これは先日あった出来事です。 命と時間、どちらも大切です。 誰もがわかっていることです。 何事にも替えることができないこの2つの間で、どちらも大切にしようと悩み、そして決断したM先生。先生が太秦中学校の先生であることをうれしく思います。あの猫も、きっと感謝していると思いますよ。 本当にありがとうございました。 |
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