最新更新日:2024/04/26 | |
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2年 手のひらのごみ
「先生,ごみが落ちていました。」
ある朝のことでした。子どもの手にごみが一つ。 「聞かなくても,拾ったんならごみ箱へ持っていくんだよ。」 と言いかけて,ふと考え直し,もうちょっと聞いてみようと思いました。 「うん,それで?」 と聞くと, 「捨てていいですか。」 と帰ってきました。 「聞かなくても捨てたらいいんだよ。」と今度こそ言おうと思いましたが,その子はまだ何か言いたそうな顔です。う〜ん,もうちょっと突っ込んで聞いてみよう・・・。 「どうしてそんなことを聞くの?」 「落ちていたら,教室が汚くなると思って・・・。」 よくよく話を聞くと,もしごみが多くなっていったら悲しくなってしまうこと,気持ちよく学べなくなるから大変だということを伝えたかったようでした。 一つのごみからそんな問題意識を持っているとは・・・。子どもは,いろんなことに思いをはせているのですね。本当にすてきです。 感心すると同時にひやりともしました。もし,はじめに「ゴミ箱へ・・・」とむげに言ってしまっていたら・・・。子どものその温かい思いをつぶしてしまっていたかもしれません。 子どもの心の奥にある思いを引き出せるように努力していかなければと,改めて痛感させられた出来事でした。 |
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