一輪、また一輪と、大枝自慢の桜が咲き誇んでまいりました。
世界中で異例の措置が続く中、本日ここに、令和元年度の卒業証書授与式を挙行できますことに何事にも代えがたい喜びを感じています。54名の卒業生のみなさん、ご卒業、おめでとうございます。また、ご列席の保護者の皆様、本日はお子様たちのご卒業、誠におめでとうございます。
みなさんに会わなかったのは数週間なのに、久しぶりに会ったみなさんは、背が伸びていたり、顔つきが大人びていたり、声が変わっていたりするのに驚いています。「われは草なり 伸びんとす」という高見順さんの詩がありますが、みなさんは、まさに、その詩で歌われたように若い力を漲らせ、明日へ明日へと伸びんとしている生命力の塊だなと、目を見張っています。
今日、お渡しした卒業証書は、六年間の努力を讃えるものであり、小学校の課程を立派に修了したことを証明するものです。卒業証書を手にした時から、新たな旅立ちが始まります。今日の日に抱いた感謝と決意を忘れずに中学校生活を送ってください。
さて、この異例の事態の毎日の中で、私は二つのことにあらためて気づき、思いを深くしました。一つは、やっぱり、学校っていいなあ、学校って素晴らしいところだなあ、ということです。仲間がいて、学習ができて、身も心も育つ、そのような場所であるということです。
もう一つは、あたりまえと思うと感謝や喜びが薄れるということです。身の回りのことはすべて、あたりまえではなかった。あたりまえではなく、誰かの知恵や工夫や努力で成り立ってきたのだった、ということです。
どちらも頭ではわかっていたつもりでしたが、深く味わうことを日々怠っていたことに気づかされました。みなさんには、今日ここに集い、卒業式ができたことを喜び味わう心をもち、これからも、失ったもの・手に入れられなかったものを数えるより、得たものを数えられる、前向きな人になってほしいと願っています。何でも考え方ひとつです。考え方が変われば、人生は変わります。
このことに関連して、みなさんには、ある言葉を贈ります。原典は特定できませんでしたが、野球界の野村元監督が亡くなられた時に、何度も好きな言葉として放映されていましたから、聞いたことがある人もいると思います。私も初めて聞いたときから心に響き、いつも耳の奥に鳴っています。
考え方に気をつけなさい。それはいつか言葉になるからです。
言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるからです。
行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるからです。
習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるからです。
性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるからです。
みなさんには、いつも、前向きな考え方、明るい考え方、自分も回りも幸せになるような考え方をし、人生を切り拓いていってほしいと思います。
最後に、あなたがたが練習してきた歌から歌詞の一節を述べて贐とします。
今、別れの時。飛び立とう、未来信じて
はずむ若い力、信じて。この広い、大空に。
大好きなみなさん、卒業おめでとう。大空にはばたく姿を教職員全員で応援しています。みなさんの健康とご活躍をお祈りしています。