京都市立学校・幼稚園
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1年生「環境シンポジウム」を行いました! (その2)

【第2部】高月紘先生による講評及び環境ミニ講義

 引き続き,一般社団法人びっくりエコ発電所代表理事でいらっしゃいます高月紘先生(京エコロジーセンター館長)から,講評とミニ講義を行っていただきました。

 発表では「ごみの分別」を中心に報告してもらったが,3Rには順番があり,2R,とりわけ発生抑制(ごみを作らないこと)が最も大切である,として,「京都市ごみ減量推進会議」の内容の一部を,“ごみ減太郎のくらし”と題して紹介して下さいました。御自身が描かれました環境まんが(高月先生は,「ハイムーン」のペンネームをお持ちの,マンガ家でもいらっしゃいます。)を示しながら,「おむつは布おむつで」(紙おむつは家庭ごみの4〜5%を占めているそうです。)「昼食は弁当かリユース食器で」「飲み物はマイボトルで」「買い物のときは裸売りや詰め替え用を購入する等,環境配慮製品を」「古着を利用したり繕ったり等して衣服は長く着る」「料理は計画メニューで」「リメイクを楽しむ」等のポイントを示され,「もっと違った2R生活があれば提言を」と呼びかけてミニ講義を終えられました。

 最後に,生徒代表からお礼の言葉を述べて,12時40分に環境シンポジウムは終了しました。
 その後すぐに「COP21パリ開催記念プロジェクトチーム」の生徒たちは1階校門付近に集合し,午後からの「記念プロジェクト」に向けて出発しました。

 生徒の感想です。

 ・細かい分別の仕方をきちんと再確認することができました。意外と分
  別方法を間違っていたことがわかったので,家でも学校でも気をつけ
  て,正しい方法でごみの分別をしていきたいと思いました。
 ・これからどのように人々の意識を変えていくか,そしてどのように環
  境に優しい生活を送る土台を作っていくかが課題になるのだと思いま
  す。
 ・食べ残しをしないように心掛けたり,買い物に行く時にはエコバッグ
  を持参したりする等,身近なことから実践したいと思いました。
 ・古いものを大事に使っていくのは,新しいものに飛びつくよりもかっ
  こいいと思いました。皆がやれば変わっていくと思うし,楽しそうな
  のでやってみたいです。
 ・3Rに優先順位が存在するなんて知らなかったので,なるほどなと思
  いました。これからは,2R型のライフスタイルを意識していこうと
  思います。
 ・講演を聴いて初めて知ったこともたくさんあり,自分たちで工夫し
  て2R型のライフスタイルを作り上げていきたいと思いました。
 ・環境を守るとか,3Rや2Rという言葉は,スケールが大きすぎて遠
  い話のように思っていました。しかし,高月先生の講義を聴いて,
  私にも身近に出来ることがあるのだとわかりました。自分が出来る
  ようになったら,周りの人にも呼びかけて輪を広げていきたいです。
  また,行動するのも大切ですが,それと同時に知識も蓄えていくよ
  うにしたいです。


 お忙しい中御来校・御講演下さいました高月先生,及びお世話に与りました関係の皆様方に厚く御礼申し上げます。誠に有り難うございました!


[写真]第2部の様子
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1年生「環境シンポジウム」を行いました! (その1)

 11月28日(土)土曜活用講座終了後の11時50分から,7階メモリアルホールにて,1年生全員を対象に「環境シンポジウム」(主催:一般社団法人びっくりエコ発電所)を行いました。
 このシンポジウムは,「京都市市民協働発電制度」を利用して平成25年3月から本校屋上に設置・運用されている太陽電池パネルの運営主体である「一般社団法人びっくりエコ発電所」様の御厚意により,発電サイトである本校を発信サイトにもするべく毎年行われているもので,今回で3回目となります。
 これまでは「びっくりエコ発電所」の理事をお務めの先生方からの御講演が中心でしたが,今回は,本年3月から発足しています「2R研究プロジェクト」の最終報告として,校内におけるごみ分別・減量の調査研究報告と分別等の徹底呼び掛けをまず生徒から行い,その講評及び「環境ミニ講義」を,一般社団法人びっくりエコ発電所代表理事でいらっしゃいます高月紘先生(京エコロジーセンター館長)からいただくという形式で行いました。

【第1部】2R研究プロジェクト最終報告

 前半では,3月から取り組んでいます「2R研究プロジェクトチーム」(2年生有志)の研究を引き継いだ「COP21パリ開催記念プロジェクトチーム」(1年生有志)が報告を行い,ごみ分別の一層の徹底と,ごみ削減に向けた呼び掛けを行いました。
 
 まず,3R(Reduce[発生抑制],Reuse[再使用],Recycle[再生利用])と2Rの説明をした後,12期生が1年生の3月に立ち上げた「2R研究プロジェクトチーム」の活動の一部を紹介しました。ごみ箱の「ごみ組成調査」(調査当時の分別方法は,“ペットボトル”と“それ以外の燃やすごみ”の2種類のみ)の結果から,紙ごみの割合が高いことが分かり,ごみ削減の方針として「古紙回収」に狙いを定め,実験的に古紙回収ボックスを教室に設置しました。(現在は全クラスに常設)
 また,ごみ削減に向けた意識面のアンケート調査を「しまつのこころ条例」制定前後に行い,家庭と学校とでのごみ分別の有無やごみを捨てること自体に抵抗があるかどうかを調べました。その結果,若干ではありますが春の時点に比べて11月には意識面で向上している傾向があり,条例制定や2R研究プロジェクトチームメンバーによる呼びかけの効果が見られました。
 続いて,「ごみの分別方法」について例を挙げながら説明した後,クイズ形式で具体的な分別の仕方を確認しました。
 そして,11月21日(土)に2R研究プロジェクトチーム(2年生)の有志とCOP21パリ開催記念プロジェクトチーム(1年生)の有志計8名で行った「教室のごみ開封調査」の結果の中で,特に「分別の正確性」に絞って発表しました。4教室のみの抽出調査ではありましたが,学年が上がるごとに正確性が下がっていく傾向がはっきりと見られ,「ペットボトルのキャップやラベルの分別」「弁当のごみの分別や食べ残しの臭い対策」「ごみの入れ方」など,一人一人が注意して改善すべき点と改善方法を提言し,「責任ある行動をしよう」と呼びかけて約25分にわたる報告を終了しました。


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外務省高校講座を行いました!

 11月27日(金)7限目に,7階大講義室にて,2年生全員を対象として,外務省による「高校講座」を行いました。

 この「高校講座」は平成7年度から始まった外務省の事業で,全国の高校に外務省の職員を派遣して,御講演を実施してくださっています。(本年度は,全国の119の高校で実施)講演を聴くことで,高校生の外交・国際問題に対する理解を深めるとともに,今後の進路を選択する際の参考となるよう,外務省及び職業としての外交官に対する理解の促進を目的として行われているものです。
 本日の講師は,外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部不拡散・科学原子力課 兼 国際科学協力室 首席事務官の松井宏樹先生で,「世界から見た日本」という演題でお話し下さいました。

 冒頭に,「テーマは2つ,『日本は世界からどのように見られているか』と『外交とはどういうものか』です。」として,お話を始められました。
 日本の外務省は職員数約2,300人(在外公館には約3,500名)で,英・中・米の外務省(それぞれ約6,000名,約10,000名,約20,000名)に比べると,少ない人数で業務に当たっている。年間に交わされる電信は約540万通にのぼる。
 パスポートは外務省が発行しているということ(パスポートを生徒全員が取得済みということに驚かれた様子でした)や,首脳会談やその後の記者会見で総理が何を発言するかは外務省で検討されている,ということなどをお話しくださり,身近な話題に生徒たちも興味深く聞いていました。
 また,国土面積やEEZ(排他的経済水域),人口,GDP,外貨準備高などの世界ランキングを見ると,日本はいずれも上位にあり,客観的に見ても「日本は小国ではなく,いかに大きな国であるかということを知ってほしい。」とおっしゃっていました。人口の面では,国内にある程度のマーケットがあるということが戦後に経済成長することができた理由の一つであり,今後の人口の減少傾向を見据えて,いろいろと考えていかなければならないといったことも示唆されました。
 昭和39年以降の訪日外国人や出国日本人数の推移を示したグラフから,「ニクソン・ショック」「プラザ合意」「リーマンショック」等,日本がいかに世界の動きと結びついているかを知ってほしいとおっしゃっていました。
 そして,非核三原則を掲げる日本は,核兵器を「作れない」のではなく「作らない」のであり,世界に対して情報を公開し,日本の方針を明らかにしていく努力が必要であるという見解に,大きくうなずいたり,驚いたりする生徒もいました。
 その後日本のエネルギー需要や電源構成の推移等を示され,「これって外交の話? と思うかもしれないが,これぞ外交の話。内政と外交とは切り離せない。時間軸を見据えていかに解を見つけるか,外務省は各府省と調整を重ねながら,オーケストラの指揮者のように全体として良い音が出るように判断していくところである。」と熱く語られました。
 最後に,現在の日本を取り巻く国際情勢を理解するためには,「国際法の知識を持つ」「歴史を知る」「大局的視点(個人との交流,文化的なつながり,経済的影響など)を持つ」「個人の能力(感受性・発想力,論理力,表現力)を高め,情熱を持つ」ことが必要であると述べられ,生徒たちは熱心にメモをとっていました。
 結びに,夜の地球を衛星から撮影した画像を流され,経済格差はすなわちエネルギー格差であるということ等を,わかりやすく示して下さいました。


 また,松井先生は,御講演の後,16時45分から3階同窓会会議室にて,希望生徒12人との「座談会」も行って下さいました。さまざまな質問が出され,30分程度という当初の予定を大きく超えて,18時頃まで,丁寧にお答え下さいました。以下はその一部です。

 ・最後に流した画像について・・・毎年更新して見ている。10年前と
  比べると大きな違いがあるので,確かめてみてほしい。また,2分程
  度に編集された映像であり,NASAがどのような観点からその地域を
  切り取ったのかその意図も考えながら見てほしい。
 ・政治的影響力について・・・イギリスの人口は日本の半分程度。しか
  し,政治的影響力は大きい。日本は経済的には大きいのだが・・・。
 ・政策上の質問に対して・・・物事には両面があるので,バランスをよ
  く見る必要がある。外交は勝ち負けではない。100あったら,51
  を取って49を相手に取らせればよい。
 ・外務省の「専門職」「総合職」の違いについて・・・専門職はスペ
  シャリストとして,43の言語の中の一つを専門にして深く分析す
  る。総合職はゼネラリストとして,広い視野で全体を見渡しながら
  判断する。この両者のハーモニーで政策が形作られていく。
 ・勤務時間について・・・時差の関係などもある。仕事にやりがいや
  生きがいを感じるので,誇りを持って頑張っている。
 
 外務省と自分たちとはあまり関わりがないと思っていた生徒たちも,今回の御講演で身近に感じるとともに,客観的に日本と世界とのかかわりを考えることで,また一つ新たな視点を得たようです。また自分たちも世界で活躍したいという希望を強くしていました。

 生徒の感想です。

◎講演会

 ・外務省は僕たちと何のかかわりもないと思っていましたが,詳しい説
  明のおかげでよく分かりました。すごく面白かったです。
 ・外務省の方々が日本の外交を支えているのだなということがよく分か
  りました。経済的な話も面白かったし,日本は世界の中で大きな影響
  力を持つ国だということを改めて実感しました。
 ・日本にいて思っていることと海外から見た日本とでは違うことが分か
  りました。いろいろな観点から日本を見ていくと日本の国の良さが分
  かってくると思いました。
 ・日本は小さい国だと言われているけれど,EEZや人口,GDPなどをみ
  ると全然小さくないという話が印象的でした。
 ・経済をエネルギーの視点から見るなど自分が考えつかないような視点
  で世界を見ることができてよかったです。
 ・人の動きやエネルギー利用の推移のグラフが年表とすっかり重なるこ
  とがとても面白いと思いました。
 ・今日の国際情勢は複雑になっていて,テロや紛争など,ありきたりの
  平和論では考えきれなくなっていると思います。その中で,これから
  の世代がよく考えて世界を動かしていかなければならないと感じまし
  た。
 ・印象に残ったのは,「外務省はオーケストラの指揮者」ということで
  す。外務省の役割がよくわかりました。
 ・自分の役割をしっかりと認識して,誇りをもって仕事をしていらっし
  ゃるのだなということが,よく伝わってきました。
 ・最後にお話し下さった「個人の能力を高める」というお話で,発想力
  も論理力も表現力も自分はまだまだ足りないと感じたので,これから
  伸びるよう努力して,世界的レベルで物事を考えられるようになりた
  いと思いました。

◎座談会

 ・座談会において,私たち高校生の質問にとても丁寧に答えて下さった
  ことが,うれしかったです。領土問題や移民のこと等,国政に直接関
  わられている方のお話を直に伺うことができ,貴重な経験となりまし
  た。
 ・アメリカでは大統領選挙の時には市民も演説をするということを聞
  いて,日頃の自分は,外国どころか日本国内のことすら無関心であっ
  たのだと気づき,何も知らない,何も興味がない若者のままではいけ
  ないと危機感を覚えました。大学生になったら,一度留学してみよう
  と思います。自分のためにも,社会のためにも,知識を蓄えて,考え
  ることをやめないようにしたいです。お話を聞いてたくさんの気づき
  があり,自分を見つめ直すことができました。本当に有り難うござい
  ました。
 ・お話の中で,とても印象に残っていることがあります。それは,「情
  報はたくさんあるから,私たちはそれらを取りにいく努力をするべき
  だ」というお話です。私たちは,世の中の情報に対して受け身になり
  すぎなのだと気づかされました。これからは正しい判断をするために
  必要な情報を積極的に収集し,自分の考えを持てるようにしたいと思
  います。


 松井先生,御多忙の中御来校・御講演下さり,誠に有り難うございました!


[写真]
 上段左 御講演前に生徒代表が歓迎の言葉を述べる様子
 上段右〜中段 御講演の様子
 下段左 座談会の様子
 下段右 座談会終了時に生徒代表がお礼の言葉を述べる様子
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全日制
12/2 3年全統センタープレ第2日
12/3 3年特編開始(〜1/29)
京都市立西京高等学校
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