第29回京都賞ウイーク・青少年育成プログラムの一環「高校フォーラム」(稲盛財団・京都大学の共催)が,京都大学百周年時計台記念館を会場として,11月15日(金)午後に行われました。京都市内の8校から約430人が参加し,本校からも1・2年生の希望者65名が参加しました。
京都賞先端技術部門の受賞者であるロバート・ヒース・デナード博士(アメリカ・1932年生まれ・IBMフェロー)による「志を高く―世界を変えるのは君だ―」と題する講演でした。
現在の半導体メモリーの基本構造を発明されたデナード博士は,「個人の力でも世界を大きく変えることができる」という信念を持って課題に取り組むことの大切さやそのことで創造的な研究や仕事が可能になることを,御自身の経験を織り込みながらお話し下さいました。
数学や物理などの基礎的な学問を身につけることの重要性を述べられたうえで,「今日の社会を良くするには創造性が必要である。」「必要な姿勢をもつ者だけが世界を変えられる。」「正しい姿勢・適切なタイミングで真摯に取り組んでほしい。世界には皆さんの世代の助けが必要である。」と説かれました。
本校では,10人の生徒スタッフが高校フォーラムの準備として広報活動を行ったり,学習会を開催したりしてきました。むずかしい講義でしたが,生徒が講師となって実施した2回の事前勉強会のおかげで,内容を理解しながら興味深く聞くことができました。
生徒たちは,
・「どこまで行くかではなく,どこまで行くべきか」という言葉がぐっときました。
・「何事においても取り組み方が大切だ」「姿勢がすべて」という言葉に共感
しました。
・「学ぶことを楽しむ」ということが重要だと気づきました。
・(処理能力を早めるためにトランジスタを増やすのではなくあえてシンプル
にするというお話から)博士のように発想の転換を大切にしたいと思い
ます。
等,直接講演を聴講させていただいて,それぞれ得るところが大きかったようです。
スタッフとして活躍した西京生,会場まで足を運び博士の講演に耳を傾けた西京生,本当に貴重でかけがえのない経験を積んだことと思います。デナート゛博士は,質疑応答の中で「参加しなければ勝つこともできない。」とも述べられていました。目の前にある大きな機会に向かって,今後とも,正しい姿勢で志高く挑戦していってもらえればと思います。お疲れ様でした。
[写真]
1枚目 講演中のデナード博士
2枚目 300ミリのシリコンウエハーを手に語る博士
3枚目 博士と西京生との記念写真
4枚目 生徒スタッフの集合写真