今日12月12日(木)の午後に、人権学習の公開授業を全学年で実施しました。
1年生は、今週の月曜日に訪問した障がい者スポーツセンターで行われていた「卓球バレー」を体験しました。この「卓球バレー」を通して、誰もが出来る身近なスポーツと障がいを関連させ、「バリアフリー」の取り組みが、障がい者の方の自立支援に役立っていることを深く理解できればと思います。視聴覚室に2台の卓球台を設置し、各クラス4チームの総当たり戦を行いました。卓球バレーはバレーボールと同じルールで、3階で相手のコートにピン球を返します。強すぎたらピン球が弾んでコートから飛び出してしまい、チームワークが必要です。生徒たちは最初は怖々・・・といった感じで競技をしていましたが、だんだんとコツを覚えて、ラリーが続き、ノリノリで競技に没頭していました。視聴覚室からは、生徒たちの大きな歓声が聞こえてきました。楽しく体験が出来ました。
2年生は、在日韓国朝鮮人に対する差別について考える学習として、京都学園高校の李先生に来校いただき、お話をしていただきました。在日朝鮮人の三世として生まれた李先生は、日本で生まれ、日本で学び、現在京都学園高校と中学校で英語の教師として授業を担当されています。そんな先生が自分の生い立ちを振り返りながら、高校に入学して初めて自分が在日朝鮮人であることを父に告げられ、どのような思いで今までの人生を生きてきたのか。ユーモアを交えながら、中学生に解り易く話をしていただきました。大切なのは、自分のルーツが何であるかではなく、「人として人がどうあるべきか」「良心は教育で育てるものである」ことを、ご自身の経験を通して生徒たちに訴えていただきました。それぞれが“何か”を感じてくれたものと思います。
3年生は「私たちバージョン”水平社宣言”」というテーマで同和問題についての学習を行いました。1871年(明治4年)の解放令後も部落差別はなくならず、苦しめられてきた人々が差別撤廃運動を続け、その運動を全国民のものとするために、西光万吉らによって設立された「全国水平社」と「水平社宣言」について学ぶことで、その精神を自らの生き方に活かしていくことを目的に学習を進めてきました。今日はグループごとに原文を解釈し、自分たちの言葉で言い換えた”私たちバージョン”の水平社宣言を発表し合い、そこから、自分たちが生きていく上で最も大切なのは何がを考えました。各グループが解釈した『人の世に熱あれ!人間に光あれ!』は次のようなものでした。
◎ぼくたちに思いやりと夢あれ!人間に希望と未来あれ!
◎世界の人々よ、人には優しくするものだ・・・自分の未来をあきらめるな!希望を持って生きていくのだ!
◎世の中に暖かさあれ!人の心に優しさあれ!
◎この世界が人が人にあたたかく、お互いに素晴らしい人間同士が差別しない世界になっていってほしい!
◎人の世に情熱を!人々に希望の光を!
◎人の世に思いあれ!人間に希望あれ!
◎人はあたたかい心と優しさを持つべきだ!
◎人間の世の中に優しさあれ!人間の未来に希望あれ!
自分の言葉で語ることが、自分の生き方に繋がるのです。今日の学習から多くのことを学んだと確信します。これからの自分の人生に活かしてください!
公開授業ということで、保護者の方や小学校の先生に参観いただきました。生徒たちだけでなく、我々教員も含め、改めて「人権」の大切さを考えることが出来た2時間でした。参観いただいた皆さん、有難うございました。