最新更新日:2024/07/17 | |
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入学式
式 辞
春たけなは、(万朶の桜)、しっとりとした春の輝きを見せている、今日のよき日に、入学式を挙行いたしましたところ、ご多用の中、ご臨席賜りました京都市教育委員会、同窓会、PTA、学校評議員の皆様には、誠にありがとうございます。 保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。お子様のご成長をご確認なさった今日の喜びは一入と存じます。心よりお祝い申し上げます。 新入生のみなさん、入学おめでとう ただ今、システム工学科の全日制一六九名、キャリア実践コース二〇名、合計一八九名の皆さんに入学許可をいたしました。 これで、皆さんはめでたく本校へ入学することができました。これは皆さん一人ひとりの努力の成果であることは申すまでもありませんが、家族の方々、小学校・中学校でご指導いただいた先生方など、多くの方々のお陰でもあるのです。今日まで皆さんを直接、間接に支えて下さった方々への感謝の気持ちを忘れることなく、高校生として、より一層努力を続けて下さい。 さて、本校は、四つの教育目標を掲げています。 一つ目は、自然や社会についての正しい知識を基礎に、生産・生活に対する専門的な知識や技術の基本を身につけること。 二つ目は、生命・基本的人権を尊重し、いかなる差別や暴力も許さない力を身につけること。 三つ目は、自らの問題を自らの手で解決する力を養い、友情と連帯を育成しつつ、民主的集団規律を身につけること。 四つ目は、労働を尊ぶ正しい考え方や態度を身につけることです。 これらのことにより、職場・地域・家庭でのたくましい担い手として、自らの未来を豊かに切りひらく力を育て、健やかな心身の発達を図ることを教育目標としています。 入学式は、皆さんが自ら学び、成長を願う決意を確認する場でもあります。高等学校の三年間をひと時も無駄にすることなく、自分を磨くための時として過ごして欲しいと思っています。変化の激しい二十一世紀の社会状況は、これまでとは違った資質や能力を求めています。本校は単独制の専門高校として、工業教育に軸をおいて、二十一世紀を生きる人材育成を目指しています。産業構造の変化や技術の複合化などに、柔軟に対応できる幅広い知識や、技術の基礎・基本を備えた、将来のスペシャリストの育成を目指しています。これらの目的を達成するために、「ものづくり・まちづくりの深化」と「高等機関への継続」、すなわち「深化と継続」の二つを教育の柱にしています。 昨年、東日本で発生した大震災と津波に加えて、原子力発電所の事故も発生したことにより、先行きが不透明となり、社会や経済に今も多くの課題を抱えています。技術立国で発展したわが国では、少子化と高齢化が同時進行し、団塊の世代が大量退職し、これから先の日本の「ものづくり・まちづくり」を支える人材不足も叫ばれています。先日の選抜高校野球の開会式で、石巻工業高校の阿倍主将が「今こそ、見せましよう日本の底力、絆を」と宣誓したように、「ものづくり・まちづくり」を学ぶ皆さんへの期待・責任は大きなものであると思います。 受身の姿勢、待ちの姿勢でなく、興味のある課題に向けて自ら発信し、そして積極的に多くの事にチャレンジする事を期待しています。 高校生として一歩を踏み出すに当たり、皆さんの心に留めてほしい二つのことを、お話しておきたいと思います。 一つ目は、「ものづくり・まちづくり」の大切さと面白さをしっかりと卒業までに学んでほしいということです。 人とサルを進化の道筋でわけたものは、道具を使ってモノをつくれるかどうかの違いであるといわれています。道具や機械を使って製品を作り出す「ものづくり」という営みは、人間にとって根源的な営みであり、他の仕事では得られない種類の達成感がそこにはあります。どうか、伏見工業高校での三年間の学習を通して、確かな技術・技能を学び、そしてそれを生かし、社会に貢献できる人間になることを強く願っています。そして、皆さん自身の力で、新しい日本を作ってほしいと思っています。 二つ目は、「やさしい心をもった強い人間」になることです。学校は、集団で学ぶところです。一人一人が規律ある学校生活の中で、お互いを尊重し、自らを律する態度を身につけ、違う考え方や意見を理解する、広い心をもってほしいと思っています。そして、伏見工業高校の一人一人が、支え合って高め合う、そんな学校にしていきたいと強く願っています。 終わりになりましたが、保護者の皆様、今日から伏見工業高校が大切なお子様をお預かり致します。私達教職員一同、生徒の教育に全力を捧げてまいります。しかし、教育は学校のみでできる営みではありません。生徒のみなさんの意識・意欲が最も重要であることは申すまでもありませんが、保護者の皆様と教職員が一体となって成すべき営みと考えています。家庭の役割と学校の役割、これらの役割を明確にしながら、連携を図っていかなければなりません。どうか、このことをご理解いただき、ご協力を賜りますようお願いもうしあげます。 最後に、あらためて今日の良き日を祝い、新入生の皆さんが、自ら進んで学ぶことを通して心身を鍛え、それぞれの夢の実現に邁進していくことを心から願い、式辞といたします。 平成二十四年四月九日 京都市立伏見工業高等学校長 道 越 隆 夫 |
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