京都市立学校・幼稚園
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「京都賞高校フォーラム」事前学習会を行いました!

 11月10日(水)16時40分から,6階エンタープライズ演習室にて,「京都賞高校フォーラム」事前学習会を行いました。

 この学習会は,来る11月14日(月)午後に行われます京都賞高校フォーラム(基礎科学部門受賞者本庶佑博士による御講演)に参加する生徒たち(スタッフを除く1・2・3年生希望者約20名/この高校フォーラムを1年生以来毎回聴講する者もいます)に向けて,事前に知っておくとよい内容を,10名の生徒スタッフ(全員1年生です)がパワーポイントの資料を用いて発表するというものです。
 生徒スタッフは各チームに分かれて入念な準備とリハーサルを行い,「稲盛財団,京都賞,過去の受賞者について」「本庶博士の生い立ちやこれまでの功績」「免疫学の基礎,先生の研究内容について」という3つの柱立てで発表を行いました。

 スタッフの生徒は,前半では京都賞の理念やこの賞が世界的にも権威のある国際賞であること,また過去の受賞者で特に西京高校と関連の深い先生の紹介をしたり,博士の生い立ちや人生の岐路に立たれた時に影響を受けた人物,数多くの受賞歴等の紹介をしたりしました。

 後半では,京都賞授賞理由である「抗体の機能性獲得機構の解明ならびに免疫細胞制御分子の発見と医療への展開」を中心とする博士の研究内容について説明しました。
 担当のスタッフは,1年生は「生物基礎」の授業で「免疫」をまだ学習していない(2・3年生は学習済みです。)ことから,まずはその仕組みについて,手描きのイラストも交えながら詳しく説明しました。そして,免疫力が弱すぎると病気が治らなくなったり癌になったりすること,逆に免疫力が強すぎると必要のない抗体まで作られてアレルギーになってしまうこと等も説明していました。
 そして,博士の御研究について,「定常部分の遺伝子の再編成解明」と「免疫を抑えるたんぱく質発見」の2つを柱にして説明しました。

 まず,「定常部分の遺伝子の再編成」(クラススイッチ組替)についてです。
 免疫反応を担う抗体の構造は,長い重鎖2本と短い軽鎖2本が組み合わさったY字形で,抗体に結合する「可変領域」と「定常領域」とがあります。定常領域は構造の違いによって「クラス」に分類されるのですが,このクラスがどう決定されて可変領域とつながるのかは,長らく未解明でした。博士はさまざまなクラスの重鎖の定常領域の遺伝子を解析し,可変領域とつながるときに,他の抗体クラスの遺伝子が一定の法則で削除されている[=遺伝子の再編成が起こっている]ことを解明されました。

 次に,「免疫を抑えるたんぱく質」についてです。
 クラススイッチ組換の御研究のかたわら,博士は免疫細胞で働く様々な分子を発見されました。その一つがPD-1(Programmed Cell Death-1)で,この分子が免疫反応のブレーキとして働いていることを見出されました。

 そして,博士の御研究の成果が広く医学・生命科学に影響を及ぼしており,癌治療の薬が作られていたり,癌を自分の力で治すことができるようになったり(=副作用の強い抗がん剤等が不必要になります。)と医療へと展開されて人類の福祉に大きく貢献されていることを述べ,約30分に及ぶ発表を終えました。

 努力の甲斐あってスタッフは自信をもって発表し,聴いている参加者もしっかりとした意識を持ってその内容を受け取ることができていました。「話し手」「聞き手」ともに参加する以上はしっかりと博士の業績を理解して臨みたい,という思いがよく伝わるひと時となりました。

 高校フォーラムに向けて,機運を高める非常に良い場になったのではないかと思います。
 今年の高校フォーラムのタイトルは,「京都賞受賞者を裸にする」です。近藤滋博士(大阪大学教授)の企画・司会により,“とても偉い先生だけれど身近に感じてほしい!”ということで,御講演は短めにして,質疑応答にたっぷりと時間がとってあるそうです。
 博士の御研究内容を知ることはもちろんですが,そのお人柄や知性,情熱をしっかりと感じるとともに,同じ会場に集まった同世代の若者たちのパワーや勢い等も感じるべく,一人一人がセンサーの感度を最大にしてその場に臨んでほしいと思います。
 生徒スタッフの皆さん,お疲れさまでした!

[画像]発表用スライドの一部
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