京都市立学校・幼稚園
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新生西京10周年記念・竹中平蔵先生特別講演会

 平成15年4月に校名が西京商業高等学校から西京高等学校となり,専門学科エンタープライジング科のみを設置する「新生西京」となって11年目を迎え,また平成16年4月に附属中学校が開校して10周年となることを記念して,2月24日(月)午後1時50分から,特別講演会を行いました。
 講師は,慶應義塾大学総合政策学部教授の竹中平蔵先生です。竹中先生には,実は平成19年(2007年)10月23日にも,「経済知力フォーラム」の一環として,当時の本校附属中学1年生から高校1年生までの4学年約650名に「経済を語る!」と題して特別講演をしていただいています。
 今回は,附属中学校3年生から高校2年生までの生徒約700名が,本館7階の京一商西京メモリアルホールに集いました。司会進行は附属中学3年生の女子生徒です。放送部とのことで,美しい発声と落ち着いて堂々とした態度に高校生たちはとても驚き,後輩の頑張りを応援していました。
 70分間の2部構成で行われたこの講演会は,第1部「君たちの生きる社会」・第2部「現在の日本経済」のテーマでそれぞれ講演と質疑応答が行われました。
 冒頭,竹中先生は「単に私から君たちに知識を伝える時間にするのではなく,この70分を一緒に考える時間にしたいと思っています。大いに議論しましょう。」とおっしゃってから,第1部「君たちの生きる社会」を始められました。
 ソフトバンクグループの創業者・孫正義氏の「最初にあったのは,夢とそして根拠のない自信だけ。そこからすべてが始まった。」という言葉から,「根拠のない自信を持てるのは若者の特権。いろんなことが出来る。」として,山口絵理子さん(慶應義塾大学総合政策学部卒業生で,株式会社マザーハウス代表取締役社長。マザーハウスは,発展途上国におけるアパレル製品及び雑貨の企画・生産・品質指導を行い,同商品の先進国における販売を手掛ける会社)やそれを受けて活動を始めた副社長の山崎大祐さんの事例をまず挙げられました。そして,日本の大学の世界の中でのレベルについても言及され,日本だけの価値観にとらわれずに自分の夢を追い求めて欲しいと,エールを送られました。
 また,アメリカのジャーナリスト,トーマス・フリードマン氏が著した『フラット化する世界』をもとに,同一職種の賃金が国を超えて平準化する中で,これからは一人一人が高い能力・付加価値をつけないと沈んでいく宿命にあること,またトロント大学教授のリチャード・フロリダ氏が,夜間の地球の様子を撮影した衛星写真を基に約40の光の塊に分類し,その中で多くの付加価値が生まれていて,その中でも1番が東京を中心とした地域であり,この中はフラットではなくスパイキー(サッカーやゴルフのスパイクの靴底のように一部だけがとがっている,創造的人材が一部の都市に集中している状態)であるという見方も示されました。「沈んでいくか,とんがっていくか,2通りの生き方がある。厳しいが,たくさんの希望や可能性がある時代でもある。」と前半を締めくくられました。
 第2部「現在の日本経済」では,イギリスの映画俳優であるチャールズ・チャップリン氏の「人生で必要なものは,夢と勇気とサムマネー」という言葉を皮切りに,「世の中で一番重要なものは自助自立で生きて行けるようにすることである。」とまず述べられました。そして,日本のGDPは国全体としては世界第3位だが,一人当たりで比較すると大体20番目・先進国といわれている30カ国中ではBグループということになる。かつてフランスよりも一人あたりのGDPが高かったアルゼンチンの事例をもとに,少しずつでも成長を続けることが重要であり,そのために「アベノミクス」ではさまざまな制約を何とかしようとしていることを示されました。そして,昭和39年(1964年)の東京オリンピックで大きな変革が起きたように,2020年(平成32年)の東京オリンピックでどのように変わるか・何が起こるか,しっかり見ていてほしい,と後半を結ばれました。
 それぞれの講演の後には質疑応答の時間が設けられ,中学生・高校生ともに積極的に質問していました。先生は,質問に対して一つ一つ丁寧に答えて下さり,ユニクロなどの例をもとに「どこに住んでいるかは重要ではなくてチャレンジスピリットがあるかどうかである」ということや,和歌山の横編みニットで有名な島精機製作所の事例などから「スパイキーの意味をあまり狭くとらえない方がよい。」,そしてまた,「日本には素晴らしいものがたくさんある。我々はそれを普通・当たり前だと思っていて気づかないだけだ。」などのお答えをいただくことが出来ました。
 最後に,生徒を代表して中学3年生の女子生徒から感謝の気持ちを込めて,「今日いただいた言葉の中で,特にチャップリンの言葉の中の『夢と勇気』を大事にし,また京都に関連して『<伝統>と言われるものは最初から伝統だったわけではなく,当時は最先端。伝統を守りつつイノベーションを起こすことが今求められている』という指摘も印象に残りました。自分の夢をかなえることが出来るよう,これからもがんばっていきたいと思います。」と,お礼の言葉を述べました。
 全体を通して,刺激に満ち,充実した70分間でした。
 この講演を糧に,生徒の皆さんには,社会で活躍するためにこれからどのように過ごすべきかをしっかりと考え,取り組んでいってほしいと思います。
 お忙しい中御講演下さいました竹中先生,誠に有り難うございました。

[写真]上段:第1部の様子
    下段:第2部の様子
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全日制
3/14 2年学習講座/1年海外フィールドワーク
3/17 内進生学習講座/2年学習講座/認定会議
3/18 内進生学習講座/1年スタディサポート/2年学習講座
3/19 内進生学習講座/1年スタサポ/2年駿台マーク
3/20 終業式
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