最新更新日:2024/09/24 | |
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FOUNTAIN(校長室だより)No.2京都市立桂坂小学校 山本 泉 「頭のいい子に育ってほしい。」 わが子に対して多くの親が持つ願いではないかと思います。もちろん,他にも「優しい子に育ってほしい。」とか「健康な子であってほしい。」など,いろいろな願いがあるでしょう。そしてそのために「良い子育て」をしようと思うのが親心だと思います。それらの願いの中で,「頭のいい子に育ってほしい」という願いの奥底には,これから先わが子が不利益を被ることなく生きていくために必要な知恵を身につけてほしい,そして将来幸せな生活を送ってほしいという,親としての大きな願いがあるのではないでしょうか。 そしておそらくその願いは,「良い子育て」をしようという漠然とした目標から,勉強がよくできて,いい学校(社会的に評価の高い学校)へ進学して,安定した仕事について,などといった現実的で具体的な目標に置き変わっていきます。 けれども実際には,初めは高かった目標が現実と直面して徐々に修正され,「妥協」できるところに落ち着いて「やはりカエルの子はカエルだ。」と,親自身が自分を納得させながら進んでいくというのが一般的な子育ての慣わしです。(決めつけてはいけませんが,私自身の子育てもそうでしたので…) しかし,だからといって「良い子育て」が無意味なことだと言っているわけではもちろんありません。例えば,世の中に役立つすばらしい人間に育つためには,間違いなく良い子育て(≒良い教育)が必要だと思います。 申し上げたかったことは,例えば競争社会の中にあって人の上に立とうとしても,そうそう上手く思い通りにはいくものではないということと,にもかかわらず多くの親はわが子に人の上に立てるようになることを望むものであるということです。(人の上に立つことを望むというのではなく,立てる人間になることを望むという意味ですが…) 子育てにとって大事なことは,私は子ども自身に自分の将来を見つけさせることではないかと思います。そのためには過干渉であってもならないし,かといっても放任でもいけないということです。子どもが選択に迷ったら,間違った方へ進まないよう親が正しいと思うことを教えるというのも大事ですが,たとえ間違っているかもしれないと思っても,子どもが選択したならできる限り思い通りやらせてみて,うまくいくよう支援してやるというのも一つのやり方ではないでしょうか。 優れた組織のリーダーが部下を育てるときのセオリーがあります。それは,「今までどおりの無難な道を選んで失敗したら徹底的に叱れ,新しいことを実践しようとして失敗したらむしろ褒めよ。」というものです。わが子がつまずかないように願うのも親として当然のことですが,私はたとえつまずいても,そこから何度でも立ち上がる力をつけてやるのがより良い子育てではないかと思っています。 |
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