最新更新日:2024/06/11 | |
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3月15日 答辞 〜第47回卒業証書授与式〜
一雨毎に春の色が濃さを増し、中庭の桜のつぼみも膨らみ始めました。夢を抱き、今正に自分の選んだ道へと羽ばたこうとする私たちを祝福するかのように感じられます。
本日、私たち191名は太秦中学校を卒業します。これまでの日々を思い起こせば、多くの仲間と共に過ごした3年間は本当にあっという間でした。 3年前の春、真新しい制服に誇らしさと照れくささを抱きながらも、少し大人になれたような気がした1年生。新しい環境に大きな不安と緊張、そして期待を胸に、私たちは太秦中学校に入学しました。しかし、その頃はまだコロナ禍真っ只中で、合唱コンクールは中止になり、その他の行事も規模を縮小しての実施となり、「充実した学校生活は送れるのだろうか」と感じる日々が続きました。しかし、そのような苦しい状況の中でも、希望の光を求めてたくさんのことに挑戦し続ける先輩たちの背中は、今も鮮明に覚えています。 そんな憧れの先輩たちに少しでも近づくため、様々なことに挑戦し、成功と失敗をたくさん経験した2年生。仕事の大変さに驚くと同時に、保護者の偉大さを感じたチャレンジ体験。先輩と後輩のどちらもいる難しい立場の中で、もがき苦しみ、自信の持てない時期もあった部活動。クラスで心を一つにして素晴らしい歌声を響かせた初めての合唱コンクール。これらの経験を通して、周りを見て、考え、行動することの大切さを学びました。そして、後輩から「先輩」と呼ばれるようになったことは、私たちがより強く責任感をもつきっかけになりました。 すべての行事に、「中学校生活最後」という言葉がついた3年生。その言葉は学校を引っ張っていく最高学年としての責任感や、限りあるこのかけがえのない瞬間を大切にしたい、という思いなど、様々な感情を私たちに与えました。そして昨年の5月、新型コロナウイルスが5類に移行され、多くの行事で制限が取り除かれていき、奪われた日常が少しずつ色を取り戻していきました。 中学校最大の行事である修学旅行では、沖縄へ行き平和学習を行いました。沖縄で過ごす3日間は雨予報でしたが、私たちの心配をよそに、沖縄の空には青空が広がっていました。そんな青空の下、本島ではガマやひめゆり記念館を訪問し、戦争の残酷さを身をもって実感し、民泊先の伊江島では京都とはまた違う雄大な自然を満喫しました。民泊でたくさん話して笑い合ったり、国際通りでみんなと楽しく買い物をしたりしたことは、忘れられない思い出となりました。 二度の延期を経て開催された体育大会。一人ひとりが熱い思いをもつが故に、衝突してしまうこともありました。それでも、互いに鼓舞し合い、失敗を恐れることなく、クラス一丸となることができました。3年目にして初めて色別種目が行われ、学年の垣根を越えて団結し競技に臨み、応援団を中心に大いに盛り上がりました。体育大会を通して、仲間と協力し何かを成し遂げる喜びを味わうことができました。 学外の大きなホールでの合唱コンクール。3年生として後輩に素敵な合唱を残したい、という思い。初めて大きな舞台で歌うので緊張はありましたが、一人ひとり様々な感情を抱いて本番に臨みました。中学校生活最後の合唱コンクールでしたが、クラスで最高のものを作り上げたいという思いが、私たちを成長させてくれました。 3年間で経験したこれらのことが、私たちの大きな財産になっています。 これまでの3年間の行事全てがたくさんの人の支えの上にありました。特に教職員の方々のご尽力がなければ、いろいろ成し遂げることができませんでした。毎日私たちに寄り添い、愛のこもったご指導をしてくださいました。ときには反抗的な態度を取り、数々の心配や迷惑をかけてきました。それでも温かく見守ってくださいました。これまでの私たちを支えてくださった教職員の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。本島にありがとうございました。明日から会えなくなるのはとても寂しいですが、教えていただいたことを忘れず、夢に向かって進んでいきます。 どんなときも私たちの味方でいてくれた保護者の皆様。家族の優しさに甘えて、当たってしまったり、口をきかなかったりしてたくさん迷惑をかけました。それでも、私たちを支えて応援し続けてくださいました。いつも私たちのことを第一に考え、ここまで育ててくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。今、思い返してみると、私たちに向けられた一言一言の全てに愛情が込められていたのだと実感できます。それなのに気恥ずかしくて、素直に伝えられませんでした。だからこの新たな門出の日に、ずっと言えなかったことを伝えます。 「今までありがとう。これからもよろしくお願いします。」 慕ってくれた後輩たち。この先、様々な困難にぶつかることもあるでしょう。ときには歩みを休めてもいいし、悩んでもいいです。それでも最後は太秦中学校の生徒であるという誇りを胸に、前に進んでいってください。これからの太秦中学校を託します。 そして、3年間共に歩んできた仲間たち。ふざけ合ったり、競い合ったり、ときにはぶつかり合ったりもしました。それでも互いに支え合えたからこそ、私たちはここまで頑張ってこられたと思います。まだまだみんなで笑い合っていたいのが正直な気持ちですが、私たちは目の前の扉を開き、前に進んでいかなくてはいけません。それぞれ道は違うけれど、私たちはいつも心でつながっています。またいつか笑顔で会える日を楽しみにしています。 「今まで本当にありがとう。」 確かにできた絆を大切に、希望に満ちた輝かしい未来へ、自分の進むべき道を信じて、前へ前へと進んでいきます。 最後になりましたが、これまで私たちを支えてくださった全ての方々に感謝を申し上げるとともに、太秦中学校の益々の発展を心から祈念して答辞とさせていただきます。 令和6年3月15日 卒業生代表 |
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