最新更新日:2024/06/11 | |
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ソーシャルディスタンスが「外出の壁」に!?
今や新しい生活スタイルの定番と言える「ソーシャルディスタンス」と「マスク」。これらが「外出の壁」や「コミュニケーションの壁」になっているケースが出てきている、とニュースで流れていました。
●ソーシャルディスタンス = 外出の壁 ●マスク = コミュニケーションの壁 ピンと来ますか? 残念ながら、私はどんな状況を指しているのか、全くわかりませんでした。 調べてみると、『視覚障がい者は人と距離を保つ「ソーシャルディスタンス」を取るのが難しく、聴覚障がい者は相手の表情が「マスク」で読み取れずに苦労している』ということでした。 考えてみれば、視覚障がいのある人は、目が不自由なわけですから「距離を測る」ことが難しい。専門資格を持つガイドヘルパーさんに、外出時などに肩や肘を貸してもらって、目の前の段差など、必要な情報を教えてもらったりする同行援護(どうこうえんご)があります。この場合、肩や肘を貸してもらうのですから、そのヘルパーさんと距離は取るのは難しいですね。利用者とヘルパーの双方に感染の危険が生じるため、活動を自粛しているヘルパーさんもいるとか。視覚障がい者の方からは、「食料調達に支障を来すし、散歩に行けず運動不足になる。」と嘆く声、また「自宅近くは一人で歩けるものの「以前は『大丈夫か』とよく声を掛けられたが、最近はほとんどない。」とぽつり。「われわれは接近が頼り。『他人には近づかんとこう』という社会になったら本当に困る。」と不安を吐露されています。 全盲の落語家、桂福点さんは和歌山県で開かれた講演と落語会「大笑いゼーションでノーマライゼーション」で、新型コロナウイルス感染症について「ソーシャルディスタンスが呼び掛けられているが、視覚障がい者は近くで人の支えがないと生活できない。手が目の役割を果たすため、触らないと分からないこともある。健常者と違うところを分かってほしい」と訴えられました。 福点さんは、目が見えないことで経験してきたつらい過去を振り返り、学生時代にいじめられて自殺を考えたことも語られました。 また、聴覚障がい者にコロナ禍で苦労している点を聞いたところ、「口の動きで何を言っているかを読み取っていたが、マスクをしていると分からない。」と手話を通じて返答があり、会場からは「あー、そうか。」と納得した声が上がったそうです。これが、「コミュニケーションの壁」なのですね。 福点さんは「『危ないですよ』や、『大丈夫ですか』といった声かけは誰でもできる。(障がい者に対する)心のソーシャルディスタンスは取らないようにしてほしい。」と強調されました。 「外出の壁」や「コミュニケーションの壁」を取り払って、「からだのソーシャルディスタンス」と「心のつながり」を大切にする私たちでいましょう。 |
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