第47回 入学式式辞(抜粋)
- 公開日
- 2022/04/07
- 更新日
- 2022/04/07
校長室から
昨年度は随分あわてんぼうだった小栗栖桜は,今日のために見頃を迎えたかのように咲き誇り,新入生の門出を祝っているように出迎えてくれています。
新入生の皆さん,ご入学おめでとうございます。本日,65名の新入生を迎え,私たち教職員一同,大きな喜びを感じるとともに,中学校生活の3年間,一人ひとりを支えていく責任を強く感じているところです。在校生と合わせると計225名となり令和4年度がスタートすることとなります。
初めて袖を通す標準服の着心地はいかがですか? まだ少し照れ臭いですか? 動きにくい感じでしょうか? この3年間,その標準服に守られて学校生活を送るわけですが,その3年間が充実した日々であるために,私からお話をさせていただきます。
私は,3年前まで小中一貫校の校長をしていました。小学校の校長でもあったわけですから,小学校の最高学年として活躍する六年生の姿をずっと見てきました。それまでは,中学校の入学式で見る新入生を,とても心配しながら受け入れていたのですが,小学校のリーダーとしての役割を果たしている6年生の姿を見てきたことにより,皆さんには,今,不安はあるとは思いますが,中学校の校長としては「即戦力」として,皆さんを迎えるつもりです。
そこで,みんなが「健康」で「学ぶことが楽しい」と思える,そんな小栗栖中学校でありたいと思い,小栗栖中学校の目標の一つに「みんながいそいそと来られる学校」を創ることを実践しています。「学校に来るのがなんか楽しい」「今日も何か楽しいことがあるんじゃないかな?」って思いながら,朝,元気よく「行ってきます」と家を出る,そんな学校になるために皆さんも協力してください。
そのような学校にするためにもう一つ大事なキーワードを用意しました。
それは,これです。
『慮』 おもんぱかる
熟語としては配慮,考慮,思慮深いなどに使われますが,この漢字一字で「おもんぱかる」と読みます。意味は「周囲の状況などをよくよく考える。思いをめぐらす」です。
自分のことはよくわかっていますが,他の人はどう思っているだろう?こんな言い方をすると嫌な思いをさせるかな? とちょっと相手の気持ちを考えられる人になって欲しいのです。小栗栖中学校の生徒が相手の気持ちを慮ることができたなら,小栗栖中学校はとっても過ごしやすい場所になると思っています。昨日の始業式で2年生,3年生にも同じ話をしました。みんなで一緒にそんな学校にしていきましょう。
さらに,この3年間で皆さんに身に付けてもらいたいことは「私の得意なことを10個言えます」という人になってもらいたいのです。3年間で10個ですから,1年に3個ずつぐらいでしょうか?これは,皆さんが就職をするであろう10年後には,今,存在する仕事がいくつあるかわかりません。新たな仕事も存在することでしょう。そんな時,できないことで苦手になことを追い求めるのではなく,できることを「できるから大丈夫」ではなく「もっと伸ばしたい。もっとできるようになりたい」と思うことが大切です。
「これは自信をもってできる」ということが10個あれば,10年後がどのような社会であれ,自分に合った仕事を選択することができると思います。卒業するときに「私は大人になったらこういう理由で,こういう職業に就きたいです」と,ぜひ自分の言葉で発信できるような生徒になってもらいたいと思います。
あの大谷祥平選手ですら,中学・高校時代を振り返った時に,高校時代は真面目に自主練習にも取り組んだけれど,中学時代にもっと真面目に取り組んでおけば良かったと後悔しているというコメントを残しています。
3年間はあっという間に過ぎ去ります。後悔しないようしっかりと取り組んでください。
皆さんはすでに聞いていると思いますが,先日,小栗栖小学校の閉校式があり,続いて石田小学校と小栗栖小学校の統合式が行われました。これは令和7年から新しい義務教育学校が開校するための,一次統合と呼ばれるものです。まもなく思い出深い小栗栖小学校の解体工事も始まります。皆さんからするとまだ先の話ととらえるかもしれませんが,統合して新しい学校になるということは,その前に伝統あるこの小栗栖中学校をどう閉じるのかということが,大きな課題です。なぜなら,今ここにいる,皆さんが「小栗栖中学校最後の卒業生」となるわけです。先日,小栗栖小学校を卒業した皆さんは小栗栖小学校でも,小栗栖中学校でも最後の卒業生です。48年間の長い歴史を締めくくる皆さんの役割は大変大きいものとなります。今,皆さんが初めて着た,その標準服を着る学年も最後です。入学したばかりで実感がないかもしれませんが,新しい学校の方向性を創っていくのは皆さんであることを自覚して3年間を過ごしてもらいたいと思っています。
最後になりましたが,保護者の皆様,ご家族の皆様。本日は,お子たちのご入学おめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。本日より中学校生活が始まり,3年間の長きに渡って大切なお子たちをお預かりすることになります。教職員一同全力で指導にあたってまいります。小栗栖中学校では,『自ら課題を見つけ,他者と協働しながら,探究しつづける生徒の育成』を学校教育目標と掲げ,授業を大切にすることで,一人一人が未来に向かって羽ばたく力を培って参ります。
この先,お子たちの教育についていろいろな疑問や不安に出会うこともあると思います。そうした時には,遠慮なさらず,担任にご相談ください。さらに,地域の方々のご協力も得ながら,これからの社会にたくましく生きることのできる子どもたちを育てていきたいと考えております。よろしくお願い致します。
改めて,新入生の皆さん,昨年のこの日にはなかった小栗栖池を昨年作りました。枝垂桜のもと,メダカと金魚が育っています。今は水面に浮かぶ桜の花びらがとても美しいです。この後,オタマジャクシからカエルへの成長も見ることができます。さらに先月の終わりに300匹のホタルの幼虫を放ちました。6月の終り頃,ホタルが飛び交う小栗栖池を目指しています。そのような小栗栖中学校に,明日から「いそいそ」と登校してくれることを願って式辞といたします。
令和4年4月7日
京都市立小栗栖中学校
校長 今津 敏一