第46回 卒業証書授与式 式辞(抜粋)
- 公開日
- 2022/03/15
- 更新日
- 2022/03/15
校長室から
週末に突然温かくなったことにより,校門の小栗栖桜の蕾は一気に膨らみ,小栗栖池では冬眠をしていたメダカやオタマジャクシも目覚めたようで,少しずつ行動し始めるころとなりました。
本日ここに,PTA会長のご臨席を賜り,保護者の皆さまと共に,令和3年度 京都市立小栗栖中学校 第46回卒業証書授与式を挙行できますことを心より感謝するとともに,高いところからではございますが,厚く御礼申し上げます。
(中略)
さて,小栗栖中学校第四十六代卒業生,76名の皆さん,義務教育の卒業,おめでとうございます。開校以来の卒業生は7240名となりました。歴史と伝統を積みかさね,皆さんもそれを引き継いでくれたことに感謝します。
2年続いてのコロナの影響は,中学校生活に大きな支障をきたしたことは間違いありません。満足な活動ができなかったことを申し訳なく思います。しかし,その中で,最高学年としての姿をしっかりと見せてくれたことに感謝しています。日本全国だけでなく,全世界がこの苦境に立たされた中,こうして,晴れて卒業を迎えられることに喜びを感じてください。
コロナ禍で,新しいことに取り組もうとして,今年度「小栗栖池」を創りました。何人もの3年生が関わってくれて,エサやりや落ち葉拾いなども行ってくれたことにより,一緒に創り上げた気がします。そのおかげで多くの生き物が成長し,その成長に一喜一憂している姿がとても印象的でした。卵からオタマジャクシにそしてカエルへと成長する過程を真剣に観察している場面もあり,微笑ましい光景でした。
本来なら6月に実施されるはずの修学旅行が10月に延期されましたが,実はこの池の周りで一緒に世話をし,会話をする時間が例年より長かったことで,修学旅行中もみなさんとこれまで以上に会話をすることができたのはとても嬉しいことでした。
修学旅行出発前日の結団式の中で,「この修学旅行の目的の一つにみんなに富士山を見せることである」と話をしました。3日目にしてようやくその姿を見ることができた富士山ですが,見事に冠雪した姿には歓声が上がっていました。もちろん雪の無い富士山も魅力的ですが,延びたからこそ一緒に見ることができたあの雄大な姿はきっと心に残ったことと思っていますし,見た者だけがわかる「なぜ,校長として富士山を見せたかったか?」はそれぞれに違いはあるかもしれませんが何かを感じ取ってくれたことと思います。いつの日か,自分でまた違った富士山を観に行く機会を設けてくれることを期待しています。
ある書物に「コロナ世代と呼ばせないために」というフレーズを目にしました。まるで「コロナ世代」ということが悪いことのように感じました。これまでにも「ゆとり世代」など,大人が勝手に作り出した言葉でその世代を表してきましたが,願わくは,堂々と「コロナ世代」を名乗り,この苦境を乗り越えたものだからこそ発揮できる強さをアピールしてくれる人になってもらいたいと思っています。
考え方を変えれば,コロナでなかったら経験できなかったことを経験したことも中にはあると思います。そして,今ここにいるみなさんとこの時を一緒に過ごしたことは間違いなく,思い出として残るはずです。この新しい生活習慣の中,今年度も,小栗栖中学校ではインフルエンザによる欠席者はゼロでした。これも大きな収穫です。また,本日誰一人の欠席もなく,全員でこの日を迎えられたことに喜びを感じています。
先月終了した北京五輪では「報われない努力ってあるんですね」というフレーズが話題になりました。個人的にはそんなことはないと思っています。世界4位になることが「報われない」ということは極端すぎますし,努力無くして世界4位になれるとは思えません。また「報われるためだけに努力をする」のではないと思います。これからの皆さんには様々な努力が必要だと思います。努力を惜しまず,素晴らしい人生を小栗栖中学校卒業生という誇りを持って歩んでくれることを期待しています。できることなら,2本目の得点が自分の思った点数よりも低かったことに対し,「怒り」を力に変えたスノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢選手の精神力を見習ってほしいと思います。
今日で9年間の義務教育が修了します。小栗栖中学校での学びは今日で終わるとともに,小栗栖中学校の標準服に守られる時が終了します。この先は自分が選んだ高等学校や大学,そして,社会という場に出て自分で自分の道を切り拓いていかなければなりません。その「自分が選んだ新しい道」にはぜひとも,いつも「いそいそ」と向かってくれることを願っていると同時に,他人を「慮れる人間」になって欲しいと思っています。
ご存じのように,あと3年で小栗栖中学校は幕を閉じます。48年の歴史の一部を形成した者としての誇りと自信を胸に次のステップへと踏み出してもらいたいと思います。
先日,3年生から嬉しいコメントをもらいました。それは「校長先生へ 先生が来てから雰囲気が少し変わりました。校長先生の話といえば,普通だるいイメージですが,先生の話し合は面白くて集中して聞いていました。」というものです。この先,幕を閉じ,そして新たな義務教育学校として歩みだす新しい学校を,校長として責任をもって素晴らしいものにしようと思いに改めてさせていただきました。これからも先輩として見守ってもらえるとありがたいです。
この3年間のみなさんの成長を喜ぶとともに,その成長を支えてくださった地域・保護者のみなさんに感謝するとともに,是非とも,その成長にずっと寄り添ってくれた教職員,とりわけ3年生の学年団への感謝の気持ちも忘れないでください。
結びになりましたが,保護者の皆様,お子様のご卒業おめでとうございます。今日,義務教育を修了され,小栗栖中学校を巣立って行かれますが,これからも多くの知識を得て,何ができるようになっていかれるのか,その成長を楽しみに見守ってまいりたいと思います。今日まで本校の教育活動にご理解とご支援を賜りましたことを感謝申し上げます。
昨年度同様,卒業証書授与式は縮小の形とはなりましたが,この後,いったん教室に戻り「担任と過ごす最後の時間」という授業を設定しております。式の後,保護者の皆様には少しの時間お待ちいただかなければなりませんが,是非ともご理解いただき,担任にその授業をさせてやっていただきたいと思っております。その後,花道を作り送りたいと思いますのでご協力をお願いいたします。
それでは,これからも小栗栖中学校での出逢いを大切にし,学び続ける気持ちを持ち続けてくれることを祈念しつつ,卒業生の皆さんの前途を祝福し式辞といたします。
令和4年3月15日
京都市立小栗栖中学校
校長 今津 敏一