式辞(抜粋)
- 公開日
- 2021/03/15
- 更新日
- 2021/03/15
校長室から
不安定な気候が続いてはいるものの,確実に春は近づき,校門のソメイヨシノの蕾みがしっかりとそのタイミングを計っているかのように,すでに木の周りをピンクに染め始めています。
本日ここに,PTA会長のご臨席を賜り,保護者の皆さまと共に,令和二年度 京都市立小栗栖中学校 第四十五回卒業証書授与式を挙行できますことを心より感謝するとともに,高いところからではございますが,厚く御礼申し上げます。
ありがとうございます。
さて,小栗栖中学校第四十五代卒業生,93名の皆さん,義務教育の卒業,おめでとうございます。開校以来の卒業生は7164名となりました。歴史と伝統を積みかさね,皆さんもそれを引き継いでくれたことに感謝します。
今年度4月よりこの小栗栖中学校に赴任して,始業式も入学式もそれぞれの学年毎という状況の中,開始して間もなく休校措置が取られ,6月の分散登校が始まるまでほとんどみなさんの顔を見ることができなかったこと,会話をすることができなかったことが残念で仕方ありません。何とか,その機会を得ようと,毎朝,校門での挨拶と昼の体育館前のベンチでコミュニケーションを取ったことで少しずつ距離が近づけたように思います。
他府県では中止も余儀なくされた修学旅行については,学年の先生方の努力もあり,急遽方面を変更はしたものの,このメンバーで過ごす2泊3日を経験できたことは大変良かったと思っています。自然の中で京都では体験できないことにチャレンジしたことは,何年か先に懐かしい思い出として思い起こすことができると思います。
「本来ならば・・・」というフレーズが多くの場面で使われてきました。しかし,日本だけでなく,全世界がこの苦境に立たされた中,こうして,晴れて卒業を迎えられることに喜びを感じてください。先日テレビで「思い出がないのが思い出」という言葉を聞き大変寂しい思いをしました。考え方を変えれば,コロナでなかったら経験できなかったことを経験したことも中にはあると思います。そして,今ここにいるみなさんとこの時を一緒に過ごしたことは間違いなく,思い出であるはずです。
「2020年,きっと人類が最も手洗いをした1年でした」というキャッチコピーを耳にしました。新しい生活習慣の中,今年度,小栗栖中学校ではインフルエンザによる欠席者はゼロでした。これは大きな収穫です。
先週の3月11日で丸10年を迎えた東日本大震災。被災者で当時中学3年生,野球部だった人たちが出ているテレビ番組の中でこういう場面がありました。
避難所生活が続く中,その励ましのためにプロ野球楽天イーグルスの当時の選手たちが野球部のその3年生をグランドに招き,試合を観戦してもらうことで勇気づけようという取組が行われました。今年度アメリカ大リーグから戻ってきた田中将大投手もその中の一人でした。
当時のキャプテンは,そこで元気をもらい,大人になったら,今度は自分たちが励ます側になりたいと選んだ職業が「海上自衛官」だったそうです。あの時逃げることしかできなかった自分が,人を助ける側,守る側の立場になりたいと志願し,先日の余震と言われた地震の際には海上に出て様子を観察したということです。なんとも逞しい限りです。10年後のみなさんが今から楽しみです。
それもこれも,命があってのことです。新しい生活習慣の中で主役になるのはみなさんの世代です。だからこそ,昨年度末から今年度にかけて,コロナで思い通りにならなかったみなさんは,いつまでもそのことを恨み,そのことを言い訳としていては先に進めません。
ここで改めて,あのCМのフレーズを皆さんに贈ります。
上手くいかないとき それでも続ける努力を底力というんだよ
見えないものと戦った1年,見えないものに支えられた1年
見せてやれ底力
今日で9年間の義務教育が修了します。小栗栖での学びは今日で終わるとともに,小栗栖の標準服に守られる時が終了します。この先は自分が選んだ高等学校や大学,そして,社会という場に出て自分で自分の道を切り拓いていかなければなりません。その,自分が選んだ新しい道にはぜひとも,いつも「いそいそ」と向かってくれることを願っています。そして,是非とも新しい自分に逢いに行ってください。
ご存じのように,あと4年で小栗栖中学校は幕を閉じます。48年の歴史の一部を形成した者としての誇りと自信を胸に次のステップへと踏み出してもらいたいと思います。この先,幕を閉じ,そして新たな義務教育学校として歩みだす新しい学校を,先輩として見守ってもらえるとありがたいです。
この3年間のみなさんの成長を喜ぶとともに,その成長を支えてくださった地域・保護者のみなさんに感謝するとともに,是非とも,その成長にずっと寄り添ってくれた教職員,とりわけ3年生の学年団への感謝の気持ちも忘れないでください。
結びになりましたが,保護者の皆様,お子様のご卒業おめでとうございます。今日,義務教育を修了され,小栗栖中学校を巣立って行かれますが,これからも多くの知識を得て,何ができるようになっていかれるのか,その成長を楽しみに見守ってまいりたいと思います。今日まで本校の教育活動にご理解とご支援を賜りましたことを感謝申し上げます。
ここで,一つお願いがございます。
昨年度同様,卒業証書授与式は縮小の形とはなりましたが,今年度3年生が担任と過ごす時間が大変少ない,寂しい状況となりました。本来なら,この体育館から巣立っていくのが恒例ではあったようですが,今年度につきましては,教室に戻り「担任と過ごす最後の時間」という授業を設定いたしました。式の後,保護者の皆様には少しの時間お待ちいただかなえればなりませんが,是非ともご理解いただき,担任にその授業をさせてやっていただきたいと思っております。その後,花道を作り送りたいと思いますのでご協力をお願いいたします。
それでは,これからも小栗栖での出逢いを大切にし,学び続ける気持ちを持ち続けてくれることを祈念しつつ,卒業生の皆さんの前途を祝福し式辞といたします。
令和3年3月15日
京都市立小栗栖中学校
校長 今津 敏一