ちょっといい話—116・117—
- 公開日
- 2013/03/07
- 更新日
- 2013/03/07
学校の様子
3月15日(金)に、「第26回 卒業証書授与式」が行われます。当然3年生の人たちが主人公で「卒業おめでとう!」と声をかけられます。しかし、卒業式は「おめでとう!」という言葉よりも、「ありがとう!」の意味が強いように感じています。
「ここまで生きて来れて(命を支えてもらって)“ありがとう!”」
と、親をはじめたくさんの人たちに“感謝する”のが「卒業式」だと思っています。3年生には、そんな思いで「卒業式」に参列して欲しいと願っています。
そこで今日は、そんな親子の強い絆を感じることの出来る「ちょっといい話」(「父の涙」)がありましたので、2つ紹介します(「涙する話」より)。
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『父の涙—1—』
私の父はとても短気で、すぐにキレるし怒鳴るし、でも普段の時は無口でいつも煙草を吸っている、そんな父があまり好きではなかった。
私のこと、大切に思ってくれてるのかな?と思うときも時々あった。そんな中、私は受験をするために勉強をしていた。家で教えるのは父の係で、毎日毎日父が付きっきりで勉強をした。でも、出来なかったら
「ここはさっき教えたばっかりだろ」
と言って怒られたりした。でも、希望した学校に行きたくて頑張って頑張って勉強した。
そして、あっという間に時は過ぎてとうとう第一志望の合格発表の日。正直いって自信があった。でも結果は不合格、ショックで涙も出なかった。
その帰り、父が車で迎えに来てくれた。
「どうだった?」
「ダメだった…」
「…そうか」
父はそう言ってあとは何も言わなかった。車に乗ってしばらくしてから、私はふとバックミラーをみた。すると、あの一見冷たい父が目を真っ赤にして歯を食いしばって、必死で涙を堪えていた。それか私が見た初めての父の涙だった。その瞬間、私の目からも大粒の涙が止めどなく流れた・・・。
そんな父が今は大好きです。
『父の涙—2—』
自分がまだ幼稚園児の頃だと思うのだが、夜中にふいに目が覚めると、父が覗き込んでいて、いきなり泣き出した。
大人が泣くのを見るのは、記憶の限りその時が初めてで、しかも父はとにかく強くてかっこいい!と信じていたので、凄く吃驚して変に印象に残ってる。
その後、何度か確認する機会があったが、父がいつも
「夢でも見たんだろう」
と言っていたので、何しろ幼児の頃の記憶だし、自分もそう思うようになっていた。が、20年以上の歳月を経て、父はついに白状した。
当時、とにかく忙しい職場に勤めていた父は、朝は私が起き出す前に出勤。夜は就寝後に帰宅の日々。寝顔をそっと覗き見るのが日課で、このままでは娘に顔を忘れられてしまうと不安に思っていたらしい。
そんなある日、いつものように寝顔を眺めていると、私が目を覚ましてしまった。やばい、良く寝ていたのに、ぐずってしまうかも知れない・・・父が焦っていると、私が寝ぼけ眼のまま
「おとーしゃんだ」
と言って、ニッコリと笑ったらしい。
ろくに顔をあわせることもできず、たまの休みにも疲れ果てて寝ていることが多い。しかもこんな夜中に起こされて、それでもこの子は自分の顔を見て喜んでくれるのか、こんなふうに笑ってくれるのか、と思ったら、愛しさが込み上げて思わず泣いてしまったらしい。それがどうにも恥ずかしくて照れくさくて、どうしても本当のことが言えなかった。
「嘘ついてスマン!」
と告白される結婚式前夜。内心はとてもうれしかったが,
「明日目が腫れたらどーしてくれる!!」
と私が切れたので、笑い話になったが、父が涙を流していたあの記憶は、私にとって良い思い出になった。