ちょっといい話—109—
- 公開日
- 2012/12/20
- 更新日
- 2012/12/20
学校の様子
本日12月20日(木)で、個人懇談も終わります。
平成24年の成績はどうでしたか?懇談で話し合ったことを、来年は是非実行に移していってください。今年も残りあと10日です。「終わりよければ全てよし・・・」と、そんな簡単に割り切れるものではありませんが、気持ちよく新年を迎えられるよう、残りわずかな日々を充実して過ごしてください。
さて今日は、少し悲しく、そして少し切ない「ちょっといい話」を紹介します(「泣ける話」より)。
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『隠せない感情』
前さ、研修医やってたときの話なんだけど・・・。
主治医のサブみたいな形で、ある入院患者さんにつかせてもらってたんだ。患者さんは気さくなおじさんで、検診のたびに話し込んでた。
お見舞いに来るのは大抵奥さん。毎日夕方に仕事終えて来てさ、洗濯物持って帰ったり、世間話とかしてた。奥さんもすごい良い人で、おじさんと同じくらい明るかった。
そして、たまに息子もお見舞いに来てた。若くて今時のストリート系の感じの格好しててさ、ムスッとしてて結構怖かった。俺とは一切目を合わせてくれなくてさ、なんだかめんどくさそうだった。どっちかというと、母親から言われて、嫌々お見舞いに来てる感じだったかな・・・?
ある日の夜中さ、おじさんの容態が急変しちゃったんだ。元から病状は思わしくはなかったんだけど、おじさん、気力でカバーしてた。俺も初めての経験でさ、すごいあわてたけど、ナースと力合わせて、主治医が来るまでなんとか頑張った。
主治医はすぐに家族を呼ぶようにって、指示を出して処置を始めた。それくらい、おじさんの容態は急を要してた。
奥さん飛んできたよ。髪なんかもクチャクチャでさ、もう目が真っ赤だった。おじさん、だめだった。心停止から帰ってこれなかった。あんなに元気だったおじさんが、こんなに急に死んじゃうなんて、医者の卵として恥ずかしいけど、なんだか信じられなかった。奥さんにご臨終を告げると、奥さんおじさんにしがみついて泣き叫んでた。つらかった。
そのとき息子が病室に飛び込んできた。
驚いたことに、彼は警察の制服を着てた。汗だくだった。
「とーちゃん!」
って叫んだけど、奥さんの様子を見て悟ったと思う。がっくりうなだれて、黙ってしまった。彼の肩口の無線から、少しノイズみたいな音が漏れてた。しばらくして、かれは崩れ落ちてた奥さんを抱き起こした。椅子に座らせて、俺たちに向き直り、
「いままで親父をありがとうございました!」
と大きな声で叫んで、深々と頭を下げたんだ。顔を見せたときには、歯を食いしばって必死で涙をこらえてた。顔が真っ赤だった。たぶん警察官ってこういう人たちなんだと思った。制服を着ている以上、彼らは職務を全うしなければならないんだと。だけど、隠せない親子の感情とせめぎ合わされるんだろうって。
ふてぶてしいと思ってたけど、彼はあのお見舞いのとき、警察官らしかったのかもしれない。
なんか思い出してので…。長文ごめんなさい!