ちょっといい話—103—
- 公開日
- 2012/11/27
- 更新日
- 2012/11/27
学校の様子
今週の金曜日の30日の午後からは、来年度の新入生に向けた「スクールガイダンス」が行われます。まずはじめの全体会では、新生徒会本部の人たちが小学校6年生に向けて「中学校生活」について話をしてくれます。その後、中学校の先生による「模擬授業」も行われます。最後に「部活動見学」もあります。少しでも中学校入学の不安を取り除いてくれるために、生徒会本部の人たちが中心になって「迎える会」の予行を温かい雰囲気で行ってくれます。期待しておいてください!
さて、本日の「ちょっといい話」は、「本当に大切なものとは何か?」をしんみりと教えてくれる本当にいいお話です。(「泣ける話・感動する話」より)
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『親父の金庫』
3年前に親父が死んだけれど,ほとんど遺産を整理し終えた後に,親父が大事にしていた金庫があったんだよ…。うちは3人兄弟なんだけど,お袋も死んじゃって誰もその金庫の中身を知らなくてさ,とりあえず兄弟家族みんな呼んで,その金庫を開けることにしたんだ。
けど,これがまた頑丈でなかなか開かないんだよ。仕方ないから鍵屋さんを呼んで,開けてもらうことにしたんだけど,なかなか開かなくてさ,なんとなく俺たちは子供の頃の話をはじめたんだよ。親父は昔からすごく厳格で,子供の前で笑ったことも一度もなくて,旅行なんて本当に行かなかった。子育てもお袋にまかせっきりでガキの頃はマジで親父を憎んでいた…。
それで一番下の弟が,「そういうわけだからしこたま溜め込んでいるんじゃねえか?」みたいな事を言い出して,その後に真ん中の弟も,「親父が夜中に金庫の前でニヤニヤしながらがさがさやってるのを見た」とか言ったから,俺もかなり金庫の中身に期待を抱いちゃったんだ。それで,そのときに鍵屋さんがちょうど「カギ,開きましたよ」と言ったからワクワクしながら金庫の前に行き,長男の俺が金庫のドアを開けたんだ。
そしたら,まず中から出てきたのは,古びた100点満点のテストなんだ。それを見た一番下の弟が「これ,俺のだ!」と言って俺から取り上げたんだよ。次に出てきたのは,なんかの表彰状,すると次は次男が「俺のだ!」と言い出して,その後にネクタイが出て来たんだ。見覚えがあるなあと思って気がついて叫んじゃった。「あっ,これ俺がはじめて給料で親父に買ってやったネクタイだ!」…。その後に次々と昔の品物が出てきて,最後に黒い小箱が出てきたんだよ。その中には子供の頃に家の前で家族全員で撮った古い写真が一枚出て来たんだ。
それを見た俺の嫁さんが泣き出しちゃってさ,その後みんなもなんだか泣き出しちゃって,俺も最初は何でこんなものが金庫の中にあるのかがわからなくて,「なんだよ,金目のものがねーじゃん」とか思ってちょっとがっかりしてたんだけど,少したって中に入っていたものの意味が理解できたとき,その写真を持ちながら肩震わせて泣いちゃったんだ。人前で始めて号泣しちまったよ。そこで鍵屋さんが気まずそうに「あの,私そろそろ戻ります」とか言ったんで,みんながはっとして涙をにじませながら「ありがとうございました。」
このとき、俺は親父がどんなに俺たちのことを思っていてくれたかと,さっきまでの自分が金目当てで金庫を開けようとしたこと,子供の頃に親父に反感を抱き,ケンカばかりしていたことが恥ずかしくて仕方なかった。親父は金よりも本当に大事なものを俺たちに残していってくれたと思っている。