ちょっといい話—89—
- 公開日
- 2012/09/12
- 更新日
- 2012/09/12
学校の様子
今日の朝は、だいぶ涼しかったです。しかし、昼間はまだ強い日差しが照りつけていました。学校の東側の山から、1匹のせみの鳴き声が響いてきました。最後の夏を惜しむかのように、必死で鳴いているようでした。
朝晩の寒暖の差が大きくなってきました。合唱コンも明後日に控えています。体調にはくれぐれも十分に気をつけてください。
さて、今日の「ちょっといい話」は、解体工事会社の2代目若社長のSさんに届いた手紙のお話です。「元気の出るちょっといい話」でしたので紹介します(「ちょっといい話〜元気が出るいい話〜」より)。
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『一通の大切な手紙』
10年近く前の正月明けに、1通の手紙をSさんはいただきました。
それは、Sさんが解体した家の奥様からの手紙でした。
『我が家の解体工事の際には大変お世話になりました。おかげさまで年末に無事新築工事が完了し、今年の正月は新居でくらすことができました。ハウスメーカーの方から「今回の解体工事の責任者のSさんです。」と、紹介された時の驚きは今でも忘れられません。今思えば大変失礼なことですが、「こんな初々しいぼっちゃんがリーダーで,解体工事が本当にできるだろうか?」と,私は不安になってしまいました。
ところが私の心配とはよそに、Sさんのグループはメンバー全員が笑顔を絶やさずに解体の仕事をテキパキとやっていただきました。また我が家のご近所の方々への気配りもしていただき、ご近所の方からもほめられました。
今回の我が家の解体・新築工事に関して、ご近所の方からほめられたのはSさんだけです。我が家はこの土地に越してきてかなりたちますが、今までご近所の方々との交流はあまりしませんでした。Sさんのおかげで、そのお宅ともそれ以降、深いお付き合いができるようになりました。
Sさんが我が家を解体した後、新しい家屋の工事も無事完了したときハウスメーカーの方を通じてSさんから新築祝いとして、解体した家の柱の一部をいただいた時には驚きました。
実は私たちには、今生きていたらSさんぐらいの年の男の子がいたのですが、その子が柱に付けた傷がいただいた柱には残っていたのです。私たち夫婦は息子の死の悲しみから逃れられませんでした。この家の解体・新築工事も息子の思い出がしみついた家を解体することで息子の死を忘れようと思ったからです。
ところが、こうして息子と同い年のSさんががんばって仕事されている姿を拝見し、そのSさんが息子の生きていた証をこうして大事に取っておかれたことを考えると、私たち夫婦も短いながらも息子といっしょに過ごしたことに感謝の念がわきました。これから息子の分まで精一杯生きていくつもりです。本当にどうもありがとうございました。』
この手紙をもらった時、Sさんはまだ25歳でした。普通の工事は完成すると、自分が手がけた跡が残せますが、解体の仕事というのはきれいさっぱりなくすのが仕事のため、やりがいが失せかけて、今後も解体の仕事を続けるべきか悩んでいた時期でした。
この手紙をいただいて、
『今回のように自分の仕事を地道にがんばれば、きっと結果は返ってくる』
ことがわかり、以降しゃにむに解体工事の仕事を続けたそうです。そして年の初めや仕事が行き詰ったときに、この手紙を読み返してもう一度原点に帰り、自分を奮い立たしているそうです。