学校日記

ちょっといい話—67—

公開日
2012/05/09
更新日
2012/05/09

学校の様子

 久しぶりに「ちょっといい話」を・・・。少し長いお話ですが、子を思う親の深い愛情が十分に感じられるお話です(「涙腺崩壊—泣ける話・感動する話—」より)。
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              『3本のビデオ』

 Sちゃんのママは重い病気と闘っていたが、死期を悟ってパパを枕元に呼んだ。その時、Sちゃんはまだ2歳。
 「あなた、Sのためにビデオを3本残します。このビデオの1本目は、Sの3歳の誕生日に。2本目は小学校の入学式に。そして3本目は…○○○の日に見せてあげてください」
 まもなく、Sちゃんのママは天国へと旅立った。

 そして、Sちゃんの3歳の誕生日。1本目のビデオがかけられた。(ビデオからつないだテレビ画面に、病室のママが映し出される)
 「Sちゃん、お誕生日おめでとう。ママ、うれしいなぁ。でもママはね、テレビの中に引っ越したの。だから、こうやってしか会えない。パパの言うことをよく聞いて、おりこうさんでいてね。だったら、ママ、また会いに来ます」

 Sちゃんの小学校入学の日。2本目のビデオ。
 「Sちゃん、大きくなったネ。おめでとう……。ママ、うれしいな。どんなにこの日を待っていたか。Sちゃん、ちゃんと聞いてね。ママが今住んでいるところは、天国なの。だから、もう会えない。でもね、パパのお手伝いがちゃんとできたら、ママ、もう一回だけ、会いに来ます。じゃあ、魔法をかけるよ。 エイッ!ほうら、Sちゃんは料理や洗濯ができるようになりました…。」

 そして3本目のビデオ。そのタイトルは、こう書いてあった。
「新しいママが来た日」のSちゃんに・・・。
 そしてSちゃんが10歳の時、パパは再婚し、新しいママが来た。3人いっしょに、3本目のビデオを見つめた。なつかしいママの顔が映し出された。
 「Sちゃん、おうちの仕事、がんばったね。えらかったね。でも、もう大丈夫。新しいママが来たんだから。……Sちゃん。今日で本当にお別れです。……Sちゃん、今、身長はどれくらい?ママには見えない。(泣き崩れ、カメラを抱え込む姿が映る)ママ、もっと生きたい…。あなたのために、おいしいものいっぱいつくってあげたい…。あなたの成長を見つめていたい…。じゃあ、Sちゃん、これがママの最後の魔法です。それは、『ママを忘れる魔法』です。ママを忘れて、パパと、新しいママと、楽しい暮らしをつくってください。では、魔法をかけます。1、2、3、ハイッ!」

 そこでビデオは終わった。しかし、Sちゃんに、この魔法は効かなかった。 パパと、新しいママにも効かなかった。ママは、みんなの心の中に、ちゃんと残っていた。

 そして今度は、Sちゃんが主役の、4本目のビデオがつくられたのだった。天国のママに見てもらうために・・・。