学校日記

ちょっといい話—65—

公開日
2012/04/14
更新日
2012/04/14

学校の様子

 平成24年度がスタートしてもう2週間。
来週から平常の6時間授業が始まります。陽気もめっきり春らしくなり、気分も高まります。1年生の部活動仮入部も始まり、学校が新しい空気で動き出しているように感じます。いつもと変わらない校舎のはずなのですが、新鮮な学校生活が生徒一人ひとりに始まっているように感じます。
 新年度になっての「ちょっといい話」の第2弾です。温かな気持ちが伝わってくる「ちょっといい話」です(「泣ける話・感動する話」より)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                  『すごろく』

 オレは小さい頃、家の事情でばあちゃんに預けられていた。

 当初、見知らぬ土地に来て間もなく当然友達もいない。いつしかオレはノートに、自分が考えたすごろくを書くのに夢中になっていた。それをばあちゃんに見せては
 「ここでモンスターが出るんだよ」
 「ここに止まったら三回休み?」
ばあちゃんはニコニコしながら、「ほうそうかい、そいつはすごいねぇ」と相づちを打ってくれる。それが何故かすごく嬉しくて、何冊も何冊も書いていた。

 やがてオレにも友達が出き、そんなこともせず友達と遊びまくってたころ家の事情も解消され、自分の家に戻った。ばあちゃんは別れる時もニコニコしていて、
 「おとうさん、おかあさんと一緒に暮らせるようになってよかったねぇ」
と喜んでくれた。

 先日、そのばあちゃんが死んだ。
89歳の大往生だった。遺品を整理していた母から、「あんたに」と一冊のノートをもらった。開いてみると、そこにはばあちゃんが作ったすごろくが書かれてあった。モンスターの絵らしき物が書かれていたり、何故かぬらりひょんとか妖怪も混じっていたり。
 「ばあちゃん、よく作ったな」
とちょっと苦笑していた。
 最後のあがりのページを見た。「あがり」と達筆な字で書かれていた、その下に
 「義弘(オレ)くんに友達がいっぱいできますように」
人前で、親の前で号泣したのはあれが初めてでした。ばあちゃん、死に目に会えなくてごめんよ。そしてありがとう。