ちょっといい話−34−
- 公開日
- 2011/06/07
- 更新日
- 2011/06/07
学校の様子
いよいよ明日から修学旅行ですね!信州の大自然を,思いっきり満喫してきてください。
ここで,明日からの修学旅行に,更にいい気持ちで出発できるような「ちょっといい話」を見つけましたので紹介します。
・・・・・・・・『絆』・・・・・・・・
8年前の出来事です。当時,私は鉄道に勤務していました。
ある当直の日,帰り支度をしていたところ,「線路脇で犬が横たわっています。生きています」との無線連絡が入りました。犬を助けに行こうと思い,見張り要員も必要なのと,線路脇では足場も悪く一人では抱えきれないだろうという事もあり,上司にお願いし一緒に現場に急ぎました。
既に日は沈んでいました。真っ暗の中を進んでいると,懐中電灯の光の先にうずくまっている犬を発見!まだ成犬にはなっていない,猟犬らしき犬です。犬の気を荒立てないよう話かけながら近付くと,右のお尻の辺りを強打したようで血が滲んおり,立つことも出来ない様子でした。持っていったタオルで包みかごに入れ,動物病院に直行。応急処置をしてもらって,家に連れて帰りました。
休日には,現場付近の農家や畑仕事をしている人に聞き回りましたが,飼い主が分かりません。保健所にも問い合わせがないか尋ねましたがありません。私も妻も平日は仕事で家にはおらず,足の悪い母がごはんをあげてくれるものの,このままにしておく訳にもいかず,途方に暮れていました。結局,保健所に相談し預かってもらう事にしました。
一週間程して妻から,「犬にも人権(犬権?)があるんですよ。足が不自由でも散歩は一輪車に乗せて連れっていったらいいし、暖かい所に寝そべったままにしておいてもいいじゃないですか。うちで預かりましょうよ」と言われ,犬の事が気になっていた私も賛成し,引き取ることにしました。数日後,同僚が「駅の待合い室にポスターを貼ったらどうか」と提案してくれ,ご主人を捜してあげる事が一番だと思い,貼ることにしました。それから更に数日たった時,ご主人様が見つかり,迎えに来てくれることになりました。ご主人様も,ずっと捜していたそうです。ご主人様が見つかった嬉しさはもちろんあるものの,犬と別れる辛い気持ちが強くなっていました。
そしてとうとう,お迎えの日がやってきました。ご主人様の声が聞こえ久しぶりに顔を見た瞬間,信じられない出来事がおこりました!!どうしても立つことの出来なかった犬が,倒れそうになりながらフラフラと立ち上がり,「ワン!」と鳴いたのです。「僕は元気ですよ」と言わんばかりに・・・。何とか立ち上がったものの,右のお尻と足はガクガク震え,もう倒れそうです。私はその姿に感動し涙が止まらず,「よくやった,よくやった。もういい,もういい・・・」と言いながら,足を撫でてやりました。それ以上,言葉が出て来ませんでした。帰り際,犬の目は,私達をずっと見つめていました。「ありがとう・・・」と言っているのが分かりました。
それから数日後,犬が天国に行ったと知らせがありました。ご主人様の傍に戻れて良かったと,つくづく思いました。今思えば,震えながら奇跡のように立ち上がったのは,ご主人様に最後の敬意を表したのでしょう。今は,天国で走り回っていることでしょうね。あの子に,かけがえのないものを教えられた気がします。