ちょっといい話—22—
- 公開日
- 2011/02/05
- 更新日
- 2011/02/05
学校の様子
今日は「朝の全校読書」の時間に読んでいる本(「たったひとつの命だから」ワンライフプロジェクト編)の中から,胸に迫った「ちょっといい話」を1つ紹介します。
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『 “〜私の二人の父〜”
4歳のとき,父を交通事故で亡くした私は,いつもどんな人だったのだろうと,写真を見ながら想像してきました。年齢を重ねてくると,弟が父ソックリらしく,親戚の人たちが口をそろえて言うようになりました。笑い方やしぐさがソックリらしいのです。
8歳のときに母が再婚をして,新しいお父さんができました。でも,どうしても好きになれませんでした。15年も一緒に住んできましたが,私は心からお父さんと呼ぶことができませんでした。私の父は一人だと,突っ張ってきました。
先日,交際してきた彼が,私との結婚の許可をもらいに,両親に挨拶にきました。父はしばらく黙ってうつむいて,両手を握り締め,穏やかな声で私に言いました。
「結婚は相当の覚悟がいるぞ。大丈夫か?」
私は「うん,大丈夫と思う」と答えました。
すると,今度は彼に
「この子が8歳のときから,私はこの子の父親になりました。この子は私のかけがえのない親友の宝物なんです。この子が不幸になったら,私はこの子の父親に合わせる顔がありません」・・・
ビックリして,聞き返すと・・・二人の父親とは母は高校からの友人で,交通事故で突然,父がなくなった後,今の父が母を支えてきたのだそうだ。母と再婚するときに,東京からふるさとに戻り,親友の家族を自分の家族として迎えてくれたのだという。弟は野球が好きなことで,すぐ馴染んだけれど,私は警戒してなかなか心を開かず,ズルズルと時だけが流れてしまったという。
父が「親友の子だから,簡単にはい,どうぞ,とは言えない。今晩一晩待ってください。」と言って涙ぐんでいるのを見て思った。そうだ,私をこの父はいつも暖かく見守ってきてくれた。お母さんとけんかしたとき,いつも間に入ってくれた。寒い朝は手袋をストーブの前であたためていてくれた。帰りが遅いと,無言で外に立っていてくれた。雨の日は偶然を装い駅で待っていてくれた。大学に落ちたときも,1年の回り道くらい何でもないと言ってくれた。どうして,感謝できなかったのだろう・・・。
次の日,父の仏壇の前に一緒に座った。「おい,嫁に出すぞ,いいか?」そう問いかけて泣いた。私を本当の子どもとして,たったひとつの私の命を見守ってくれたお父さん,ありがとう。お嫁に行きます。幸せになりますから・・・。』
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※今日は胸がいっぱいになりましたので,コメントはできません・・・。“ちょっと”ではなく,“すごく”いい話でした・・・。
(写真は美術部の人たちが描いた人権ポスターです。)