ちょっといい話—19—
- 公開日
- 2011/01/23
- 更新日
- 2011/01/23
学校の様子
新聞の投書から,今日は「ちょっと“寂しくなるお話”」を・・・。
『正月三が日を過ぎたある日,40年以上も昔の教え子から突然,電話がかかってきた。私が新米の教員として勤めていた夜間高校の卒業生である。彼らは「ほたるの会」という名で仲間と懇親の場を定期的に持っていたらしい。
還暦も過ぎ,クラス担任でもない私と一度会いたい者が多いとのことで,親睦会に招かれた。長い間,顔を合わさなかったので,名前が分かるかなと思ったが,飲むほどに酔うほどに昔を思い出した。
当時の定時制高校は,まさに「昼働き夜学ぶ」勤労生徒の学校であった。日本の高度成長を底辺で支えたのが,彼らである。入学した生徒が,卒業時には半分になるという厳しい生活であったが,「学校は楽しかった」と彼らは言う。下手な字で書いた私のガリ版刷りのプリントを大切に持っているという卒業生もいたのには驚き,感激した。
今,大学の教壇に立っているが,コピーがあふれ,配布した印刷物もすぐに紛失してしまう学生を相手にしていると,あらためて教育の本質とは何かということを考えさせられた。
彼らの母校である京都市立洛陽工業高校定時制は,この3月で最後の卒業生を送り,閉じられる。
− 冬蛍 消えて夜学の 春近し − 』
※母校がなくなる(閉校する)というのは,大変寂しい思いがするはずです。色々な生徒が,色々な思いで,疲れた体を引きずって通い続けた定時制高校…。教育の本質,教育の本来の姿が,そこにはたくさんあったのだと思います。春になれば,閉校になる洛陽工業高校定時制。しかしながら「ほたるの会」の光(思い)は,これからも消えずに輝き続けていくことでしょう。
(写真は,正門前から見た“日野の山から昇る朝日”です)