学校日記

第70回入学式(3)

公開日
2016/04/07
更新日
2016/04/07

学校の様子

学校長の式辞に続いて,京都市長並びに教育長からの祝電が披露されました。
来賓を代表しての祝辞は,PTA会長の藤井貢氏です。

式辞(抜粋)
色とりどりの花が咲き誇り,春本番となった今日,校門の桜も先週に満開となり,皆さんの入学を心待ちにしていました。雨が降ってますが,皆さんの顔は輝く太陽のようです。
多数のご来賓の皆様,並びに保護者の皆様のご臨席を賜り,ここに第七十回入学式を盛大に挙行できますことを,高いところからではございますが,厚くお礼申し上げます。 
 一九六名の新入生の皆さん,入学おめでとうございます。未来の可能性あふれる皆さんを,本日迎え入れることができたことは,私どもの大きな喜びです。皆さんは,今日から山科中学校の生徒です。真新しい制服の着心地はどうでしょうか。 背を真っ直ぐに伸ばした姿勢に,「今日から中学生として頑張ろう」という意気込みを感じます。
これから始まる中学校生活は,長い人生の中で,最も伸び盛りの大切な時期です。今までの殻にとらわれず,新しい自分を見つけ,また新しい友達の素晴らしいところに学び,自分を鍛え,ここを卒業する時「山科中学校で学んでよかった」と,実感できるようになってください。
 皆さんの入学に当たり一つお話をします。それは,中学で「学ぶ」ということはどういうことかという話です。皆さんはつい一週間前までは小学生でした。小学校と中学校の違いはなんでしょう?一言で言えば,小学校は子供の学校です。皆さんは立派に卒業しましたね。中学校は大人の準備をする学校です。
 皆さんは今日から,電車やバスに乗るときは大人料金を払います。それは,もう皆さんを子供扱いしないという社会からの宣告のようなもので,中学生が子供ではないことを示しています。今日からこの山科中学校の3年間で持っている能力に磨きをかけ,大人になるために学ばなければなりません!「小学校でも学んでいたよ,分かっているよ」と思うかも知れません。でも,小学校の学びと中学校の学びはちょっと違うのです。
 それでは中学校で「学ぶ」とはいったいどういうことなのでしょうか。それは教えてもらうというよりも,自ら学ぶという主体的な学びです。中学校では知識を先生に教えてもらうだけではなく,学級や生徒会活動,部活動という自主活動で,人間関係を学び,苦しいことを生き抜く心身を鍛え,社会の一員として自分に何ができるかを学びます。何を学ぶかと言うことが大事です。
 例えば春の花と言えば桜・・,たくさんの人が桜に注目しています。今は,桜の花びらがハラハラと風に舞っている姿を見て,感傷に浸っている時かも知れません。多くの人は,花びらがハラハラと舞って落ちていると思っています。でもよく足元を見てみると,桜の花そのものがポトッポトッと落ちているのに気が付きます。
 大勢の視線が上に向いている時に,足元に視線を下にさげることができる人は,それほどいないように思います。そして,桜の花そのものが落ちていることに気が付く人はさらに少ないと思います。落ちている桜の花を見て,「おや?」と思った人は,再び視線を上げて桜の木を見ます。そのとき,その人は普段は目には絶対に入らないものを見ることになります。それは,桜の木の枝に止まる小さな鳥,メジロ?いいえ。ウグイス?いいえ。それは雀です。「なぜ雀?」と思い,雀が何をしてるのか観察すると,桜の花の根元をかじり取って,もぐもぐとくちばしの中で動かしたかと思うと,2〜3秒でぱっと離して捨てているのです。実は雀は花の蜜を吸い取っているんだそうです。
多くの人は,風によってハラハラと桜の花ビラが散っている美しい光景を見ています。でも,ハラハラと桜が舞うもう一つの原因を作っている雀は見えていません。これは,ある現象を見ているとき,多くの人は一面的なものの見方をする場合が多く,隠れている事実を見逃していることがあるということです。算数,中学では数学といいますが,ある問題の答えは一つかもしれませんが,その答えにたどり着く方法はいろいろあることを学びます。国語や社会,英語などの教科の授業でも,伝えたい内容は同じであっても,いろいろな表現方法があることを学びます。これが中学校で学ぶ,「多面的なものの見方,考え方」なんです。
中学校の3年間で,君たちは,のびのびとした賢い人へと成長してほしい。数十年後の君たちが,『多面的な視点と思考力をもって,社会のあちらこちらで頼られる人間として行動していることを先生は夢に描きます。君たちが世の中をリードする場は山ほどあります。今は精一杯努力しましょう。
 終わりになりましたが,保護者の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。本日は,大切なお子さまのご入学,本当におめでとうございます。私たち教職員は,子どもたちの限りない可能性を信じ,子どもたちの力を最大限伸ばすよう,全力を挙げて邁進していく覚悟です。どうか本校の教育活動に,ご理解,ご支援を賜りますようお願いいたします。
では,新入生の皆さん,大きな志と,そして希望を持ち,自分の持つ才能を磨いてください。山科中学での3年間が実り豊かなものとなることを願い,先生からの言葉といたします。

             平成二八年四月七日
             京都市立山科中学校長  下岡 薫