学校日記

第68回卒業証書授与式

公開日
2015/03/16
更新日
2015/03/16

校長室から

式辞
 校門の桜のつぼみもふくらみ、新たな命を育む春の訪れを感じる季節になって参りました。まさに旅立ちの春です。本日、第六十八回卒業生として、山科中学校を巣立つ百八十七名の皆さん,ご卒業おめでとう。皆さんは義務教育の課程を終え,今まさに新しい世界に旅立つ時が来ました。皆さんの希望に満ちた前途を祝福し,心よりお祝い申しあげます。
 ご来賓の皆様,保護者の皆様におかれましては本日の卒業証書授与式に,ご多忙の中,こうしてご参列いただき,卒業生に花を添えていただき本当に感謝申し上げます。高いところからではございますが,厚く御礼申し上げます。
 さて,卒業生の皆さん,全校集会などでいろいろなメッセージを送ってきましたが,私から皆さんへ送るメッセージは今日が最後となります。  
今,皆さんが手にした卒業証書。その一枚の紙の中には,たくさんのものが詰まっています。最初に,卒業証書と書かれてあります。この証書は中学校を卒業したという証しです。次に自分の名前が書かれていますね。世界であなただけの卒業証書です。だからこそ,しっかりとあなたの名前が書かれてあるのです。その名前を中学校生活で何度呼ばれてきたでしょうか。
 卒業証書授与の時,担任の先生が皆さんの名前をしっかりと呼びました。皆さんはもう卒業です。担任の先生が中学生の皆さんの名前を呼ぶのは今日が最後です。次に,あなたの誕生日が書かれてあります。そこに書かれてある日に,あなたは生まれたのです。そして今日まで生きてきました。色々なことがあったと思います。その日はどんな日だったのでしょうか。天気はどうだったのでしょうか。寒かったでしょうか,暖かだったでしょうか。どんな日であっても,家族や親せきの人たちはあなたが生まれたことをどれほど喜んでくれたことでしょう。
 あなたの命が生まれた日なのです。あなたの命が生まれた日から,どれほどの方に,どれほどのことをしてもらってきたでしょうか。夜泣きをして寝付かないとき,ずっと寝ずにあやしてくれた人。毎朝,大きな声で起こしてくれた人,入学式のとき,みんなと同じようにと制服や通学バッグを用意してくれたのは誰ですか。病気の時に,一番心配してくれたのは誰ですか。忘れ物を,そっと学校へ届けてくれたり,部活動で休日もお弁当を作ってくれたのは誰ですか。あなたの命が生まれた日から,たくさんの方々があなたを見守っていてくれました。あなたは,どれだけのことを返せましたか。あらためて,感謝の気持ちを持ってください。
 卒業証書の真ん中には、みなさんが中学校の課程を修了し,卒業したということが大きく書かれてあります。そしてその日は,平成27年3月13日,今日です。人生の中にはいくつかの節目というものがあります。今日はその節目の一つです。次へのステップになる日です。皆さんは様々なことを乗り越え,今日,義務教育を終えることができました。中学校を卒業したという日の意味を,心の中に刻み込んで下さい。人は節目があるからこそ次の成長があるのです。
 次に私の名前があります。私からの最後のメッセージがこの卒業証書です。高校入試を前に,皆さんに面談をしました。その時,「中学校の思い出ではなんですか」と問うと,「優勝めざして力を合わせた体育大会」「お互いぶつかり合いながら,最後は協力し合えた合唱コンクール」「みんなで何事にも協力して行事を成功させることができた。」と,たくさんの人が答えてくれました。私は,一生懸命に答えてくれているみんなの様子と,その答えの内容を聞きながらとても嬉しい,ほのぼのとした気持ちになりました。自分が学んだ山科中学校に愛着を持ち,誇りを持っているのだと感じることができました。ありがとう,そんな皆さんと出会えたことを心から嬉しく思います。
 最後に書かれている番号は何でしょう。その番号はあなただけの番号です。68年前の山科中学校の第1回卒業生からずっと繋がっている番号なのです。山科中学校の卒業生は二万人以上もいるのです。そしてあなたは山科中学校のよき伝統を受け継いでいるのです。あなたは山科中学校の伝統の中にいるのです。
 最後に一つ,覚えておいて欲しいメッセージです。「レ・ミゼラブル」という小説を書いた作家のヴィクトル=ユーゴーは,こう語っています・ 「未来」というのは,いくつもの名前をもっている。弱き者には「不可能」という名。卑怯な者には「わからない」という名。そして賢く勇気のある者には「理想」という名がある。と。
大人になるということは,理想を掲げその責任を自分で引き受ける覚悟と力を持つことです。おそらく皆さんは,あと3年,18歳になれば選挙権を持つことになるでしょう。これまで以上に社会に目を向け,自分たちが世の中を良くしていくという気概と理想を持って,学習に,仕事に,地域や社会での活動に励んで欲しいと思います。この先自分の思い通りにならないことがたくさんあっても,諦めないで,止まらないで,理想を掲げ前進してください。   
 終わりになりましたが,保護者の皆さま,本日はおめでとうございます。すばらしい生徒たちでした9年間の義務教育を終え,お子たちはこれから新しい未来へのスタート地点に立っています。本校でお預かりした3年間で,心も体も大きく成長されました。しかしながら,まだまだ人生経験未熟な15歳です。どうかこれからも、社会人の先輩,よき理解者として,子どもたちを温かく見守りください。
 3年間にわたり本校の教育活動にご支援,ご協力を頂きましたことに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。 そして,どんな時でも山科中学校の子どもたちを見守って頂いた多くの方々,ご多用の中ご臨席賜りましたご来賓のみなさまに感謝を申し上げます。
 さて,卒業生の皆さん,君たちの先生方は本当に君たちのことが好きでした。先生方は君たちの知らないところで,本当に多くのことをされていました。山科中学校の先生方と出会えたことは,君たちにも先生方にも,お互いきっと自慢できることだと信じています。山科中学校の歴史に,新たな一頁を加えた卒業生の皆さん,皆さんの限りない前途を祝し,また感謝申し上げ式辞とさせていただきます。

平成二十七年三月十三日
      京都市立山科中学校校長
           下 岡  薫